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はぐれ勇者の体術使い   作者: 不二子銅鑼屋
第1章:物語の始まり
15/16

1ー15.夢の中

ぼんやりとした意識の中のようだ。


おれは第三者視点となって斜め上から見下ろすような感じで、

どこかの戦闘中の一場面を見ているようだ。


どうやら戦っているのはイヨとコテツのようだが・・・。


周りにいる敵は、なんとレベル450くらいの最上級のモンスターである。


しかも数は20〜30。周りを囲まれている。


するとイヨはスキル「呼び覚ます」を使用した。


「冥王バラモ、召喚!」


驚く事に、イヨは()()を召喚した。

さらに驚くべき事に、イヨは続けざまスキルを使用した。


「憑依!!」


憑依は、呼び覚ますで召喚したモンスターを()()ことで、

自身を超強力化させる、ネクロマンサー最強スキルである。


冥王バラモはイヨに吸収される形で姿を消し、その代わりに

イヨが纏っていたオーラが莫大な大きさに膨らんだ。

その瞬間、周りの最上級モンスターが怯えるように震え上がった。

相手との格の違いを感じてしまったんだろう。

身動きが取れない。



イヨが仕掛けるかと思いきや、隣にいたコテツが先陣を切ってモンスターの

中心に切り込んでいった。


「斬鉄剣、滅」


コテツが握っている妖刀が怪しい光を出したかと思うと、

燃え盛る炎の如きオーラを発し、刀がまとっているオーラが

全長6m程の大きさになった。

すると、コテツは鬼神の如き動きで敵を溶かすように滅多斬りに

切り裂いていき、大勢いた最上級モンスターはバタバタと倒されていった。


それに続くようにイヨは光速で敵との距離を瞬時に詰め、2、3発()()だけで

相手は散り散りに弾け飛んでいった。


こうして、10秒も経たないうちに、最上級モンスターは微塵も残さず、

消え去った。


あり得ない。こんなこと・・・。

この2人の強さはまさしくS級ランクギルドにいたメンバーと

遜色ないレベルだった。


そう感じた時、急に周りの景色がボヤけ、意識が朦朧もうろうとした。


なんだ一体、これはどうなっている・・・??


こうして意識は闇の中に落ちた。



◇◆◇◆◇◆


昨日はコテツと朝まで飲んで、少し寝ようと仮眠をとったんだが、

またおかしな夢を見たもんだ。


それにしてもイヨとコテツの強さは尋常ではなかった。

あんなに一瞬にして最上級モンスターが倒されるとは・・・。

今のイヨとコテツからすると考えられない。


引っかかる所もあったんだが、夢は夢だと割り切ることにし、

俺たちは朝食を食べに1Fに降りていた。

昨日ぶっ潰れた冒険者達は部屋に持って行かれ、

グウグウ寝ているそうだ。


今日の朝食は、スモークサーモンのサンドだった。

この間食べた海老カツサンドも相当美味かったが、

これも絶品であった。まずパンが反則的に美味い。

香ばしくてしっとりとしており、中のスモークサーモンは

うっとりするくらい柔らかくかつ上品な味付けだった。


イヨとコテツは目を細めて遠くを見つめながら食べている。

どうやらこれもお気に入りに入ったようだ。




朝食をしっかり食べた俺たちは、早速特訓を始める事にした。


当面の目標はレベルあげとスキルの獲得。


イヨにはまず1次転生スキル「操る」を覚えてもらう。

コテツには「斬鉄剣、牙」、欲を言えば一次転生スキル「斬鉄剣、翔」も。


一次転生を超えたレベル帯辺りから戦闘にも慣れてくるだろうし、

3人の連携も取れてくるだろう。


そして俺たちは討伐クエストをこなしつつ、

レベルを順調にあげていった。

俺のマジックボックスに入っている、経験値UPアイテムと

オーラ増加アイテムを使って、2人はメキメキと強くなった。



こうしてイヨをレベル130まで上げ、コテツもレベル110まで上げた。

イヨが覚えたスキル「操る」を使いたいが、この町周辺のマップで

()()()()()()()()()()()()()()


「操る」は、弱っているモンスターのみ、操ることができる。

一見使い道がなさそうなスキルに見えるが、

ネクロマンサーのスキル「ラーニング」との相性がとても良い。


モンスターを操り、自分達に()()()スキルを使わせる。

そうすることで、覚えたいスキルをラーニングさせる。

普段冒険者達に使ってこないモンスターのスキルを、

これなら強制的に使わせることができる。


ヒューイット城周辺のモンスターで操りたいモンスターがいるのと、

この辺でのモンスターだと、レベル上げをするのがそろそろ限界だ。


そろそろ新しい町(ヒューイット)へ移動かな。



◇◆◇◆◇◆


最初は1週間くらいでこの町を出る予定だったんだが、

結果的に延長に延長を重ね、今に至る。


俺たちが滞在中、泊まっている宿屋「野中亭」は大盛況となり、

予約が取れないくらいになった。俺が気に入っている所としては、

何と言っても飯が美味い。


今後、宿を決める時には部屋の豪華さよりも飯の旨さで決めるようと

心に誓った。


何でも、ヒューイットからその噂を聞いてわざわざ「海老カツサンド」

を食べにくる奴もいるくらいだ。

確かにこの宿は大きな通りに面していないし、どちらかと言えば

「地味」で「目立たない」。

おれは逆にそこが気に入っていて、「隠れ家的宿屋」という感じが気に入っていた。

飯を作っているマスターも、あまり話をしない人だが、ヒューイットで

いい宿屋はないか聞いたら1つ教えてくれた。

そこは中華料理を出す宿屋だそうだが、()()()()()らしい。


それとここに泊まっている間、俺たちの噂を聞きつけた冒険者が集まって来て、

夜は毎度お祭り騒ぎで盛り上がった。

リアルでは酒がそんなに強くない俺なんだが、この世界だと

バケモノ並みに強い。ていうか酔わない。

さらにコテツもバケモノ並みに強い。

集まった冒険者らとどんちゃん騒ぎをして、

最後まで残るのはいつも俺たちだ。


その中で、俺たちにヒューイットの現状や、最終目的である

「魔王」の情報もちょくちょく耳に入ってきた。


魔王に関する情報だと、魔王の手下が各地に散らばっており、

魔王の手下で特に強いやつが4匹いるらしく、

「4大帝王」と呼ばれているらしい。

本当かどうかはわからないが、次はヒューイット城を

狙っているという噂もある。


ヒューイット城近辺にモンスターが最近多くなっているようで、

中には高レベルのやつも混じってきているようだ。


このままいくとその4大帝王とやらの襲撃に

巻き込まれそうなフラグが立っているんだが・・・。

まあそれも面白いか。


俺たちの次の目的地ヒューイットへは、

明朝出発することになった。

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