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はぐれ勇者の体術使い   作者: 不二子銅鑼屋
第1章:物語の始まり
12/16

1ー12.スケルトン召喚!

無事スカラベロードを倒し、勾玉を手に入れた俺たち。

あとはイヨが呼び覚ますを使うだけだ。


「ヴァンさ〜ん! それ何ですか?!」

「ネクロマンサー専用アイテム」

「ま・・・まじっすか!?」

「これからする事はおれも初めてだから、ミスったらごめんな」

「な・・・まじっすか!?」

「まじまじ。とりあえず、イヨ。呼び覚ますでスケルトンを召喚してくれ。

使ったことはないだろうけど、今なら使えるはずだから」

「あいあいさー!!」


イヨのオーラが青く光り、オーラの様子が変化する。


「スケルトン、召喚!!」


地面に魔方陣が生まれ、そこからゆっくりとスケルトンは現れた。

身長にして170センチくらいの、平均的な男性を骸骨にしたような

学校の理科室にいそうなスケルトンが1体召喚された。

そのスケルトンはイヨを確認すると、指示を待っているのか

じっと立っていた。


「・・・ヴァンさん。この子、どうしたらいいの?」

「よし」


おれはそのスケルトンに向かって勾玉を使用した。

勾玉は粉々に砕け散り、スケルトンから光が拡散する。


一瞬眩しい光に包まれたかと思うと、そこには何ら変わらない

スケルトンの姿があった。


「あれ・・・?」

「さっきとなーんにも変わらんな」


2人ともうーんと顎に手を当てて考えていると、

スケルトンはゆっくりと歩み寄り、イヨの前で立ち止まった。


「イヨ様、お初にお目にかかります。何なりとご命令を」


「うおおお。イヨ、成功だ!」

「イヨ様だなんて照れる」


そこかよ!


某有名RPGで、モンスターを倒したあとにそのモンスターが起き上がり、

仲間にしてほしそうにこちらを見ているやつを初めて経験した時くらいの

感動がそこにはあった。


召喚したモンスターを本当に仲間にできた。

仲間にできたモンスターは、普通に会話することができる。


「お前は誰や」

「おれ?おれはヴァン」


ちょっと訛っていたような。


「ヴァンさんは私のお師匠様なの!」

「そうらしい。まあおれも初めて知ったけれども」

「なるほどかしこまりました。ではヴァン。

これからよろしく頼むわな」


このスケルトン、なぜ関西弁なんだ・・・!


「ねぇヴァンさん、一個お願いいいかな?」

「ん?どした?ていうか、イヨもおれの事ヴァンでいいよ」

「え、いいんですか??」

「4月のクラス替えで、初めて話す同級生に君やらさんやらつけたはいいものの

外すタイミングがわからなくなるよくあるパターンだ。

つまり何が言いたいかと言うと、おれがいいって言ってるからいいの」

「じゃあ、改めてヴァン!この子に名前つけようよ!」

「あー確かに。呼び時困るしな」


名前かー、つけるの苦手なんだよなぁ。


「何がいいかな〜!」


イヨは尻尾をブンブン振りながら、ニコニコして考えている。

頭がプランプランしてるから、本当に考えられてるか怪しいが。


「ココアちゃんなんてどうかな!」

「可愛すぎないかそれは・・・。」

「じゃあ虎徹コテツ!」

「急に古風なのきたな。でもまあ意外と」


スケルトンの使用武器は剣や刀だからそれっぽいな。

それに仲間として高レベルになると二刀流を確か覚えたと思うし、

けっこう合ってるかもな。

古風だが、何よりイヨが気に入ってるからいいかな。


「じゃあ今日からお前はコテツだ!よろしくな!」

「ははっ。イヨ様に名前を授かり、感無量であります」

「はっはっは。私のそばから離れるでないぞぉ」


イヨもまんざらじゃないな。


こうして、スケルトンが新たに仲間に加わり、

人間と獣人とモンスターという変則的なパーティが誕生した。



◇◆◇◆◇◆◇◆



冒険者ギルドに戻ると、ざわつきが半端じゃなかった。

無理もないか。パーティでスケルトンを連れているやつなんて

そうそういないもんな。

当の本人スケルトンといったら、無駄に堂々としているように見える。

表情がみえないやつって得だよな。


受付で待っていたシーナさんは冴えない表情をしていた。

俺たちが帰って来ることは予想外だったのかな。


「シーナさん。スカラベロードは確かに東の洞窟にいましたよ。」

「報告ありがとうございます。」


そして俺たちはギルドカードを手渡した。

シーナさんの表情が曇る。


「自分たちで倒したので、ひとまず安心だと思いますが、

原因の追求等についてはお任せします」


ギルドが一際ざわついた。

「あいつらまじか。スカラベロードを倒しやがったぞ」

「あんなまだひよっこがか。何かの間違いだろ。

そんなやつがこんなところにいるはずないだろ」

「だろうなぁ。それにしても大した奴らだよ」


そして周りの冒険者のうわさ話が聞こえてくる。


「あれ?そういえば、その東の洞窟の特別クエストって、

ヒューイット城の冒険者ギルドにお願いしたやつじゃないっけ?」

「確かそうだったはずだ。そんで、もうすぐここに来るはずだが・・・」



すると入り口のドアが開いたかと思うと、冒険者らしきパーティが

ぞろぞろと入ってきた。


「すまないが、通してくれ。おれはここのギルドマスターと話がある」


男前な声の主はパーティのリーダーだろう。

そして俺たちが横にずれる形で、そのパーティは

シーナさんの前まで来た。


「エルフのお嬢さん。俺たちはヒューイットの冒険者ギルドから

依頼を受けて来た、ヒューイット城聖騎士団副団長のエリックです。

東の洞窟で目撃があったというスカラベロードを倒しにやってきたんですが」

「それならこいつらが倒したよ。わざわざ来させて悪かったな」


奥の階段からギルドマスターのガジンが出てきた。


「ん?倒しただって?一体そんな奴らどこにいるのかな?」

「お前さんの隣にいるよ」


そう言われた王国の騎士っぽいやつは俺たちの存在に

初めて気づいたかのようなリアクションをした。


あ〜、めんどくさい事になりそうだなぁ。

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