1ー1.異世界転生!
暖かい目で見守って頂ければと思います。
これから宜しくお願い致します。
「春夢!!」
ありったけのオーラが乗っかった攻撃が、秒間12連打はいる。
不意を突かれた事もあってか、
相手ギルドのエースはHPゲージが全て吹っ飛び、一瞬で倒された。
一度体制の崩れた相手ギルドは、なす術なく各個撃破されていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ーー今日もツワッターなる掲示板で、おれに対する誹謗中傷がひどい。
特にギルド戦の時はひどいもんだ。
おれはユグドラシルオンラインというゲームをβ版から今まで
やり込んでる、体術一筋の対人最強武闘家である。
レベルは最大まであげて、オーラ量でいえば、
この世界で一番高い。
オーラというのは、自分の身にまとっている気のようなもので、
攻撃する時にまとわせたり、剣や弓、魔法を防ぐ時にも
体に纏うことで、ダメージを軽減することができる。
色々と対人戦で強いジョブはあるが、
武闘家は極めれば対人戦で1番強いジョブになる。
ただ、武闘家でそこまで辿り着くまでが
とても難易度は高い。
クリアしなければならない問題は多いが、
ある一定のレベルを超えた所から、
武闘家はいきなり頭一つ抜けて強くなる。
これは他の追従を許さないレベルである。
今日もランキング防衛戦で勝利し、唯一の
Sギルドランクの防衛に成功した。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ギルド戦の感想会という題目で
ゲーム史上初の
Sランク防衛20連覇の祝賀会を
ゲーム内で行う予定だった。
ギルド戦では新しいメンツが活躍し、古参もギルドの活性化に
繋がっていると喜んでいた。
これからの活躍に期待をこめて、ささやかながらではあるが、
歓迎会をしようということになっていた。
ギルド戦から少し時間をあけてからの開催ということで、
一旦コンビニでビールでも買って、
時間まで一杯しようかという所だった。
いつもみる、近所の道だったと思う。
普段そこを通るときは周りに気をつけるはずが、
今日に限ってはそうではなかった。
一瞬、ドーーンという衝突音とともに上空高くにあがったと
思ったらおれは地面に真っ逆さまに落ちた。
そう、おれは交通事故で死んでしまったのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
気がつくと何もない空間の真ん中で突っ立っていた。
「よぉ〜お!! お前さん! 今さっき死におったやつじゃな?」
前に立っていた爺さんに話しかけられた。
みょ〜〜に軽い爺さんだな〜と思った。
背が低く、丸坊主。
60は超えてるか?
ただ、なんとなくだがこの人は神様なんだろうなとすぐわかった。
「はぁ、まあ死んだっぽいですね」
その神様らしき爺さんはホッホッホと笑っており、
「こんな若いのに残念じゃの〜。ピッチピチのギャルじゃったら
わしがちょちょいのちょいで生き返らせておったわい」
「まじ?! あんた生き返らせるとかそんなすげぇ事できんの?」
「神様に向かってなんじゃその言い方は!」
「別にいいじゃんそんなの。で、おれはどうなの?」
「お前さんは無理じゃな。
まあ、条件付きじゃったら、考えてやらんでもないが」
「おお!! なにその条件って?」
「これからお主にはある世界に転生してもらう。そこで、
魔王を倒すことができれば、生き返らせてやろう」
「それって何かのゲームをクリアすればいいってこと?面白そうじゃん」
「それはそれは頼もしいのぅ。
お前さんがよく知っとる世界じゃから、心配せんでよいぞ。
これから向こうの世界にお前さんを送るが、準備はええか?」
「おう!いつでもいいぜ!」
「ゆくぞ! テクマクマヤコン、テクマクマヤコン・・・」
「それ、どこかで聞いたことあるやつ〜・・・」
こうして俺は、ユグドラシルオンラインに転生することになった。
本日は3話まで出稿する予定です。