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可食なあの娘をモグりたい。  作者: 件のアレ
3/3

好奇

 この町にはバケモノがいる。らしい。

 曰く、膂力は尋常のソレではなく。

 曰く、昼は身を潜め夜に活動し。

 曰く、主に人を標的にしているという。

 要するに、人知の及ばないナニカが、この辺をうろついている。らしい。

 夜の街に、人目を忍んで。密やかに、秘めやかに。

 路地裏で怪死体が見つかったというニュースが、話題になったとかならなかったとか。

 非常に気になる。

 具体的にどこが、と聞かれると返答に困るが、とにかく気になって仕方がない。自分でもよく分からない。


 ――だから、そいつらを一目みてやろうと思った。夜に、人目を忍んで。密やかに、秘めやかに。

 


――― 

 


 七月上旬。午前2時。

 夜の街は暗く、蒸し暑かった。

 街灯は数える程もなく、その光も強いとは言い難い。

 結果、路傍に転がる闇がより一層引き立っていた。


「はてさて。出るとすればどの辺り、か」


 一目見てやろう、なんて意気込んではみたけれど、ぶっちゃけ存在しているのかすら怪しい。

 それもそのはず。情報源が、自分の家の地下に眠っていた、やけに古いノートだったからだ。

 長年にわたり使い古されてきたのか、ひどくボロボロのそれには、この町に棲むバケモノについて示唆されていた。

 怪しさ満点である。

 実は誰かの黒歴史じゃなかろうか。


「……疑っても仕方ない、か」


 何にせよ、自分はもう外に出てきてしまっている。

 このまま帰っては、夜更かしのし損になってしまう。

 後には引けないのだ。


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