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世界・頂・力祭、予選(3)

 ゾフ=ラグンテは背中の剣を1本のみ抜いて構えていた。


「はっ!8刀流が1本しか抜かねぇとかもしかして他の7本は錆びてんのか?」


 男の言葉にゾフはサングラスを指で押し上げて言った。


「…貴様には1本で充分だ」

「抜かせぇ!」


 男は長剣を振るもそれをゾフの薄く、長剣と短剣の中間くらい長さの剣であしらう。

 男の剣をあしらった返しでゾフは上段で斬りかかる。男は一歩下がりそれを交わす。


「ははっ長さが足りなかったなぁ?」

「ゾフ討ち取ったりぃ!」


 ゾフの後ろから2人がここぞとばかりに剣を振るう。

 しかし男たちの剣はゾフには届かなかった。

 ゾフは逆立ちをした状態で膝裏に自分の新たな剣を2本挟み、2人の剣を受け止めたのだ。


「1本しか使わないんじゃなかったのかよ」

「ってかどうやって抜いた?!」


 男たちの問いにゾフは逆立ちのまま答えた。


貴様(・・)には1本しか使ってないぞ?そしてどうやって抜いたかは見ていなかった貴様らが悪い…」


 ゾフは地面についた手を捻って体を回転させ、背後2人の剣を弾いてそのまま斬りさく。

 片手だけで跳躍し、その持った刀で最初に対峙した男を下から上へと斬り上げて勝負をつけたのだった。


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