記憶のゆるやかな線状
街角の真っ赤なポストに化けた同級生の少女時代
昔からだったの
わたしの記憶はわたしを叩く、今の子供たちの
やさしさに比例する
この立派な四件の新築住宅が、廃墟を潰して建てられたとは、
知らなかったの 本当なの
僕らの思い出の廃墟に、
ブタクサではなくセイタカアワダチソウ
何も知らずに引っ越してきた家族の耳障りな生活音
お父さんこれは何という草でしょう
これは
ブタクサではなくセイタカアワダチソウ
一キロメートルの道のりに
停止線はいくつあるか知っているか
自動車が何台通るか知っているか
おれは知らない、数えていない
毎日通る道ではなく別の道を通ったら人数が合わなくなった
停止線はいくつあった
自動車は何台通った
これは
ブタクサではなくセイタカアワダチソウ