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デュアル・クロニクル  作者: 不破 一色
幕間 其の2
30/31

 1.5-2

other storyの方、微妙にこの本編の先、ネタバレ要素有りで悩んでました(^^;

結果として、other storyは暫く休載対応します。

詳細は活動報告にて。

 


「・・・と、言う事なんすけど・・・」


 早朝から悠さんが、辰弥さんとわたしに話しがあると、宿に押し掛けて来た。そして連れ出された宿の裏庭で、聞かされた話しに頭は真っ白になった。

辰弥さんが特色持ちだったのは、別に何かをした結果でも、地位とかを望んで得たものでも無い。悠さんが傍仕えの扱いになるのはこの国の、永い時の中の風習と言うか、規則みたいなものだから、これも望んでなる訳じゃ無い。

だからと言って、お手付き要員て何? そんな、女を道具みたいにと思わない訳じゃ無いけれど、私はそういう話しを聞いた事がある。今は知らないけど、昔はあっちにもそういう風習や、似た形式はあった事を。

悪いと言えば、悠さんがそういう形式的な事に頭が回らず、辰弥さんを衛士衆の隊長にした事だろう。

悠さんが仕立てた隊長就任で、悠さんが傍仕えの扱いになり、悠さんが困ってる。

うん、自爆だよね、これ。

辰弥さんがそれを受け入れずに、手を出さなければ、私達来訪者は別に、何とも思わないだろうけど、こっちでは違う。悠さんが子を産めない身体か、何かしらの問題があって手付きにならなかったというレッテルを貼られてしまうだろう。

悠さんは、『自業自得だからそれで良い。ただ、今後どこかで、そういう話しを聞く事も有るかも知れないから、先に言っておく必要が有ると考えたっす』って言ってたけど、それだと悠さんの一生に悪い影響が出る事は確実な筈。同じ女として、仕事の立場でしか無いのに、手を付けられて当然というのは受け入れ難いけど、こっちの人達にとってはそれも当然なんだろうから、私達が文句を言っても仕方無いしね。

と言うか、悠さん曰く『お手付きになる事を狙えるから、傍仕えはかなり人気っす』らしいから、文句を言う以前の話しだよね。しかも、幾ら相手の位が高くても、今では望む相手が居る場合、求められても傍仕えを断る事も出来るらしいから、一概に女を道具として扱ってる訳でも無いみたいだし。

つまり、どう考えても悠さんが自爆したっていうのが、今回の問題点なんだよね。


「ん~、辰弥さん。あっちで恋人とか居る? 既婚者では無かったよね」

「あ、うん。結婚はしてないし、特定の人との付き合いも無いよ」

「好きな人とか、気になってる人とかは?」

「いやあ、恥ずかしい話しだけど、居たらあんなにゲーム時間を取って無いよ」

「そっか」


 少なくても、わたしにとってはその情報はプラスなんだけど、悠さんの問題がな~。

悩んでても意味無いよね。明日この町を出るんだから、わたしも時間が無い。だったらこれを利用するしか無いかも。うん、女も度胸だよね。


「ねえ辰弥さん。特定の人が居ないならさ、わたしはどうかな?」

「え? は?」

「わたしが結婚を前提にお付き合いして欲しいって言ったら、受け入れてくれますか?」

「ええっ、いや、だって」

「わたしを受け入れてくれますか?」

「あ、でもさ、自分との年齢に差が」

「ダメですか?」

「いや、駄目じゃないけど」

「じゃあ、受け入れてくれるんですね?」

「ああ、うん。って、今野さんはそれでいいの?」

「わたしがじゃなくて、辰弥さんが良いかどうかを聞いてるんです」

「あ、うん。いや、でも・・・」

「良いかダメか」

「うん、ダメじゃない。むしろその、嬉しいかも」


 押し切った。やり切った。わたしを褒めてあげたい。悠樹くんの小狡い部分、言質は取ったってやつだよね。


「それじゃ、わたしを正妻、悠さんを側室でお願いします」

「え、でも、だってさ」

「このままだと悠さん、人生をダメにしちゃいます」

「いや、そうだけど、でも、みんなに知恵を借りれば手はあるかも知れないし」

「わたしたちは、明日町を出ます。知恵を十分に出し合える時間が、多分無い。

 でも、済し崩しで辰弥さんを悠さんに取られるのは嫌です。だから、わたしが正妻で、末永くお願いします」

「あ、うん、そうかも知れないけど」

「お願い出来ませんか?」

「ん~」


 あ、辰弥さんが考え始めた。勢いで押し切れなかったかもしれない。そう思うと、恐怖が襲って来る。

受け入れて貰えないかも知れない。でも、もう後には引けない。


「えっとさ、今野さん。自分としては別に、不満は無いけど、でも、白石副隊長を側室にするって事は、俺は、あっちに帰る方法が分かったとしても、帰らないって事だよ?」

「え?」

「理由や状況がどうであれ、無責任にはなりたくないからさ。

 あ、格好付ける訳じゃ無いよ? いざ帰れるって頃には、今野さんや白石副隊長には愛想尽かされてるかも知れないしね」


 そう言って、引き攣った様な苦笑いをする辰弥さん。うん、大好き。


「あ、それで、提案なんだけどさ。今野さんにしても、白石副隊長にしても、実際知り合って数日だから、もう少しちゃんとお互いを知り合うところから始めよう。その段階で、自分が相応しくないと思ったら、はっきりそう言ってくれ。その時は、白石副隊長の件についても、何とか頑張ってみるから」

「うん。宜しくお願いします。

 という事で、悠さん、お話しがあります」

「え? え? 何がどうなってるっすか?」

「良いから、女同士のお話し合い、しましょうね」

「あ・・・はい。分かったっす」

「という事で、女同士の話し合いをしたいので、後はまかせてくれますか? 辰弥さん」

「あ、ああ。分かった」


 女同士の話し合い。うん、男の人に対しては有効な言葉だよね。実際女同士の話し合いだから、間違いでは無いけど。

さて、それでは淑女協定を結びましょう!


「な・・・何か、五十鈴さんが怖いっす」


 悠さんの顔が真っ青で、何か汗を流してる様にも見えるし、何か呟いた様な気もするけど、気のせいだよね。これから同じ旦那様を支えて行く同士だもんね。

あれ? 何か悠さん震えてる? あ、きっと武者震いとか、そういう系だね。

わたしは、にっこりと、悠さんに笑いかけた。

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