五話『菜月の想い』
私は、浩人と結婚した。
正直に言うと、とても嬉しいが高校の時に喧嘩をしてからあまり仲が良くなく、私は浩人に嫌われていると思って、あまり話してこなかったし、いっそのこと嫌いですみたいな雰囲気でも出しやると今ではあまり意味が分からないことをしていた。
そして、私は友達と出かけて、帰る途中に車に撥ねられた。
そこから、毎日浩人は私のお見舞いにきてくれた。
とても嬉しかったし、なんだか浩人の事が前よりも好きになってしまったかもしれないと。
そして、私は退院して家に帰ってきた。
久しぶりだなと思い玄関を開けた。
「ただいま」と言ってリビングのところに行くと浩人が、待っていた。
夕食の支度を一緒にして、一緒に食べた。
こうやって過ごす時間が私にとってはとても良かった。
二人とも食べ終えてから浩人が冷蔵庫の方に行き、何かを取り出した。
ケーキだった。
私の退院祝いで買ってきてくれたらしい。
私はこいう所などを含めて好きだなと思った。
私は、ここ最近浩人と会えていなかったからなのか知らないが、前よりも嫌な雰囲気がなくなっていた。
多分気のせいだと思うが、この方が私にとってはとても居心地がよかった。
最近、浩人が私のことが好きなんじゃないのかなと思うようになってきた。
色々手伝ってくれるし、全然デートとかにも誘ったことがないのに、何故か誘ってきたりととても積極的に行動するようになった。
嫌いな人にわざわざデートに行こうなんて誘うわけがない。私だったら、絶対にしない。
だから、私のことが好きなんじゃないのかなと思った。
でも、実際に確かめてみないと分からないので、今日の夕食の時にでも聞いてようかな。
「浩人。最近デートに誘ってくるけどもしかして、何かあったの?」
ちょっと日本語がおかしかったかもしれないが、多分浩人ならわかってくれるはず。
「えーと。菜月が入院してた時に、もっとこうしたかったとか、いっぱい遊べばよかったなって考えるようになって、もし菜月がいなくなって悔いが残らないように沢山思い出を作りたかったって言うのもデートに誘うようになった理由のその一つ。」
「じゃあ、もう一つは?」
「もう一つはデートを誘う理由には全然関係ないんだけど、最近菜月といると、どきどきするようになって、嫌ってた人なのになんでだろうって思ったら、嫌いなんかじゃなくて、昔から好きだったんだなって。だから、菜月に好きになってもらえるように、スキンシップを多めにした。」
浩人も私と同じ気持ちだったとら知らなかったので驚いた。
「私も、実は浩人の事は昔から好きなの。」
そう言うと浩人も驚いていたが、よかったとも言っていた。
遠回しに質問してみたけど、お互い同じ気持ちだとは知らなかった。
でも、この気持ちを知ったからには少しでも浩人と幸せになれるように頑張ろう。