二話『気持ちと感情』
※少し残酷な描写がありますのでご注意ください。
前編、後編という形にしています。
結婚生活二日目(前)
俺は携帯のアラームの音に起こされた。
タイマーを止めて、リビングに向かうと料理を作っていた菜月がいた。
本当は、ここでおはようなどと会話をする場面だがそいったことは全くない。
昨日、菜月が言っていたことを寝る前まで考え込んだがやはり思いつかなかった。
「浩人、ご飯できたから運ぶの手伝って」
「あ、うん」
少し夫婦らしい会話ができたがここで浮かれていしまったら関係がもっとぎくしゃくする。
そして、ご飯を運び終えてお互い席についてご飯を食べた。
今日の朝ご飯は、目玉焼きに味噌汁、ごはん。俺はこう言った朝ご飯の方が実は好きだったりする。
もしかしたら、俺の好みを分かっているのかもしれないと思ったが多分たまたまだろう。
「今日、私友達と遊ぶから帰る遅くなるかもしれないから、先夕飯作って食べててもらってもいいから。」
「分かった。」
菜月が友達と遊ぶと聞いて俺は少し浮かれていた。理由は、自分がしたいことができるからだ。
まぁともかく菜月がいない間思う存分楽しもう。
そして、俺らはご飯を食べ終え、洗い物をして自室へと戻った。
少ししてから、玄関のドアが閉まった音が聞こえた。
どうやら、菜月が出かけたようだ。
そして俺は、リビングに戻って映画を見ることにした。
映画を三本見終えて、ちょうどいい時間になったので、昼ご飯を食べて読書をした。
実は割と読書は好きな方である。
そうしているうちに、夕方となった。
やはり時間の流れは早いなと思う。
それから俺は、家の冷蔵庫を開けて入っていたもので軽く料理をした。
その料理の途中で見知らぬ番号から電話がかかってきた。
出るか迷ったが、出ることにした。
「はい。もしもし、どちら様ですか?」
「もしもし、警察です佐藤浩人さんでしょうか?」
警察が俺に何の様だろう?もしかして俺なんかやらかしちゃったのかなと思った。
「はい。そうですが」
「実は…」
警察の言葉を聞いて俺は青ざめた。
俺はすぐに火を消して料理を中断した。
俺は支度をしてタクシーを呼んだ。
「総合病院までお願いします」
俺は気が気ではなかった。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
警察からの電話の内容はこうだ
――佐藤菜月さんが家に帰る途中に横断報道で信号無視をした車にに跳ねられました。
俺は菜月の容態について聞いた。
――車に跳ねられて10m引きずられていましたので、極めて非常に危険な状況です。
俺はそれを聞いた瞬間生きていてほしいなどと思ってしまった。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
病院についてすぐに看護師さんに聞いた。
今は手術をしていると聞いてすぐに手術室へと向かった。
着いたときにちょうど手術が終わって医者の人が出てきた。
俺はすぐに菜月は無事なんですかと聞いた。
「菜月さんはひどい状況でした。こちらも最善を尽くしましたが、もしかしたら普段通りの生活ができないかもしれません。」
それを聞いて俺はすごく泣いた。
なぜだろう。あんあに嫌っていたのになぜこんなに泣いてしまうのだろう。
「よかった。ぐすっ…生きてて…よかった」
俺はそんな風に思ってしまった。やっぱり俺はあいつのことは嫌いじゃなかったのかもしれない。
もう少し朝喋っていたらなとか、もっとこうすればよかったなと今になって後悔している。
散々嫌いとか言って結局はあいつのことが好きとかって、都合が良すぎる
あいつから見た俺は嫌な奴で最低な人間とでも思っているのだろうか
そして俺は菜月がいる病室へと足を運んだ。