十二話 『デート』
だんだと寒くなりはじめ、そろそろ冬を迎えようとしていた。一年はあっという間だったが、それよりも、菜月と過ごせたこの一年間がとても楽しかった。
喧嘩をしたり、色々あったが、それでもこうして、夫婦仲良く暮らせている。
そして、今日は菜月とデートをする日。デートを誘うとき、遊園地に行かないかといったが、最近遊園地に行ったことを思い出した。
でも、その日は事件とか色々あって、あまり楽しめなかった記憶がある。そういった意味では、もう一回行くのもありだと思ったが、俺だけの意見だけではなく、菜月の意見も聞いてみようと思い、さっそく、聞いてみることにした。
「菜月は、もう一回、遊園地行くのはありだと思うか?」
「そうだね。私たちは、あの時色々あったりしたから、もう一回行くのも私は全然いいよ。」
「じゃあ、遊園地のほかに行きたいところはない?」
俺がそう言ったら、菜月はしばらく思案していた。
「じゃあさ、最近できた、水族館に行かない?」
「お、いいね。俺もいつか行ってみたいなって思ってたんだよね。」
「じゃあ、決まりだね。」
それから、俺たちは水族館へと向かった。
水族館に着き、入館料を払って中に入った。
「浩人、チンアナゴだよ!」
そう言った菜月は、自分もチンアナゴみたいな動きをして、思わず笑ってしまった。
「なんで、笑ってるの?」
「いや、なんでも、ない。」
俺は、しばらく笑っていて、菜月に頭を叩かれて笑うのをやめた。
それから、館内を散策していたところ、イルカショーが始まるアナウンスがあった。
「浩人、イルカショー行ってみない?」
「うん。行ってみるか。」
俺たちは席に着き、程なくしてイルカショーが始まった。
イルカは、何というか賢い動物だなと思った。
躾も勿論あると思うが、それよりも、飼育員さんの動作に合わせて、行動をするのはすごいとも思った。
でも、一つだけすごいことが起こった。それは、イルカがジャンプをして、着地した時に、水が俺たちの方にかかってきた。
最前列に座っているのもあってか、かなり濡れてしまった。
当然、菜月も俺と同じく濡れているが、一つだけ違うところがあった。そう、下着が透けていたのだ。
それに気づいた俺は、自分の羽織っていた上着を菜月に渡した。幸い、元々、脱いでいたのもあってか、服よりかは濡れていなかった。
「?ありがとう。」
「い、いや・・・」
俺は、なるべく視線を菜月の方に向けずに喋っていた。
不思議と思った菜月は、自分の体を見ると頬を紅く染めていた。
「みた?」
「いえ、とても、赤いものが目に見えましたが、それ以外は・・・」
「浩人のえっち。」
「ごめん。」
「別に、いいけどね。」
そう言った菜月は、本当に見られても良かったような気がした。
そして、波乱のイルカショーは終わり、俺たちは水族館を後にした。
駅につき、電車を待っていた。
駅員が、電車が来ることをアナウンスで知らせ、俺たちは、黄色い線の内側に下がった。
電車がホームに入線し、俺たちのところを通り過ぎる手前20mの時に、何者かがホームから飛び降りた。
凄まじい警笛が鳴り、ホームにいる人たちは、音がしたい方を向いた。
一瞬何が起きたか理解ができなかった。
電車は、警笛を鳴らしながら非常停車した。
皆、人身事故だと言っていた。
これは、大変なことになった。
俺たちは、駅員の詳しい放送案内があるまで駅に待機することにした。
「お客様にお知らせいたします。先ほど人身事故が発生した影響で、全線運転を見合わせております。お忙しいところ大変申し訳ございません。尚、運転再開見込みは立っておりませんが、只今から、振替輸送を行います。ご利用のお客様は、お手数ですが、窓口までお申し出ください。本日はお忙しいところ列車遅れまして申し訳ございません。」
というアナウンスが入り、俺たちは窓口に行き、最寄り駅まで振替輸送を使って移動することになった。
それからしばらくして、無事家に到着した。
あんなことが起きるとは思ってもいなかった。
時刻は午後20:00を迎えようとしていた。
駅で約二時間くらい足止めを食らっていた。
振替輸送を使ったが、道が混んでいて、到着時刻が大幅に遅れていた。
あまり、慣れないことで、とても疲れて、そのまま寝たいが、流石に汗臭いまま寝るのはどうかと思うので、重たい体を起こして、風呂へと向かった。
今日、浩人とのデートは楽しかったけど、あまり慣れないことが起きて、今日はとても疲れた。
私は、早く寝たかったので、今日はいつもより早めに風呂に入ることにした。
服や下着を洗濯機に入れて、風呂の扉を開けた。
すると、浩人が先に入っていたのだ。
でも、浩人は浴槽で寝ていた。このまま寝かしていると、死んでしまうかもしれないので、起こすことにした。
「浩人、起きて。」
「・・・ん・・・あ、菜月、なんで全裸・・・」
浩人は、顔を真っ赤にしていた。
でも、すぐにその状況を受け入れた。
急に菜月が風呂に入ってきて、びっくりしたが、別にもう夫婦だし一緒に入っても何ら問題はない。
それから、俺たちはお互い素早く洗って、風呂から上がった。
髪の毛を乾かして、一通り寝る準備を終えて、ベットに入った。
俺は、菜月が来るまで起きてようとしていたが、強烈な睡魔に襲われてそのまま眠りについていた。
浩人が先に風呂から上がり、私はその5分後に風呂から上がった。
髪の毛を乾かし、スキンケアをしてから寝室へと向かった。
もう、浩人は寝ていた。
浩人の横顔を眺めていると、不意にキスしたくなってきた。
「しても、大丈夫・・・だよね・・・」
私は、浩人の頬にキスをした。
起きている時にやりたかったけど、今日はまだキスしてなかったから、いいよね。
そこから、私は布団に入り、気付いたらそのまま寝ていた。
今日は、たくさんのことが起きたけど、浩人がいれば、どんなことが起きようと大丈夫なような、そんな気がした。
先週上げられなくてすみませんでした。
実は、書いていたデータが飛んでしまい、少し時間が掛かってまいました。ごめんなさい。
次回は、多分最終話です。残りわずかですが、楽しんでいただけるように、書いていきます!
次回の更新は多分二週間先になるか、それとも・・・
そうならないように、頑張って書いていきますので、待っていてください!
ここまで読んでかだらりありがとうございました!
最終話までお付き合い頂けると嬉しいです!!