表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

九話『前世の記憶』

 「リリー、応援を」

 「分かったわ。」

 聞き覚えのない男の声と女の声が聞こえた。

 状況は分からないが、木が破壊された音や、誰かが叫んだりして、とにかく緊迫した状況だということは聞いていてわかった。

 まず、ここはどこだろうか。

 ふと、目を覚ますと、そこには人間ではない生物が目の前にいた。

 俺は自分の体を見てみると、わき腹から血を流していた。

 それを見た瞬間猛烈な痛みが襲ってきた。

 でも、女の人が一生懸命俺のわき腹に手をかざして、呪文のようなのを言っていた。その瞬間痛みが急に消えた。

 「ルリー。大丈夫か。」 

 「あぁ。リリーの治癒魔術のお蔭でなんとか」

 なぜか分からないが、元々仲が良かったかのような口調で俺は答えていた。

 知らない人たちなのに、なぜか懐かしさをを感じてしまう。

 「バンブー。今の状況は」

 「今、ヤサカが魔王と戦っているが、ほかの連中たちはケガをしている人たちに救護に行ってて、ヤサカが一人で魔王と戦っている。」

 「さすがに、『龍剣』が一人でなんて、無理だろ。」

 なんだよ、『龍剣』って。なぜ、俺はヤサカという人をそんなふうに呼んでいるのだろうか。

 「俺、行ってくるよ。」 

 「無茶だ。いくらお前が世界最強だとしても、魔王にはかなわねぇ。なんだったら、魔王に致命傷を負わされたばっかだろうがよ。」

 「リリーが、治癒魔術をかけてくれたおかげで、今なら魔王を倒せそうなんだ。」

 「それでも行くなって言ってもお前はどうせ行くんだろう。じゃぁ、精々ヤサカの足手まといにだけはなるなよ。いや、それは心配ないか。」

 「おぅ。俺は今この世界で最強の騎士。足手まといになるなんてことは絶対にねぇ。」

 そんなことを言って、俺は....否、ルリーは魔王と戦っているであろう場所へと走って行った。

 俺は、この世界では世界最強らしい。だが、それよりもこの異国の地には覚えがあった。

 「やぁ、魔王さんよぉ。俺と一緒に遊ばねぇか。」

 「ルリー、ここは危険だから早く逃げるんだ。」

 「何を言ってるんだヤサカ。俺は、お前を助けに来た。なんだって、世界最強だからな。」

 「そう言って、さっきはやられてたじゃないか。」

 「うるせぇ。でも、リリーのお蔭でさっきより十倍力が漲った気がしたんだ。」

 「そ、ん、なこと....」

 急に、ヤサカが黙った。見てみると、ヤサカが魔王にやられてしまった。

 魔王がヤサカの方に向かって息の根を止めようと近づいていくのが見えた。

 俺は、魔王にむかって、近くに置いてあった石を投げ飛ばした。

 すると、魔王がこちらに振り返り、近づいてくる。

 「魔王さんよぉ、お前を今からこの俺が倒す。」

 「は、は、は。笑わせてくれるわ。この俺様を倒せるのは誰一人として現れなかった。だが、今回も前の勇者同様、お前もこの俺様に負けて、死ぬんだよ。」

 こんな、死ぬのがわかっている戦いなんてやりたくない。だが、この世界の俺はなぜか戦う意思を見せていた。

 「俺には、愛している人がいるんだ。その人を幸せにしたい。だから、お前を倒して、幸せな人生を手にする。」

 今、ルリーは愛する人がいると言っていた。それを聞いた瞬間、脳裏に電撃が走った。

 これは、俺の前世の記憶。

 俺は、日本で生まれる前は、異世界で暮らしていた。


 ・俺が異世界にいた頃の話

 ルビーは遠い山奥で育った。

 両親ともに騎士でだった。

 それから、俺は物心ついた時からは、騎士になりたいと段々とそう思ってきた。

 とある日、俺いつ通りに稽古をしていた時に、女の子が俺に話しかけてきた。

 「ねぇ。なんで、剣なんて振ってるの?」

 「えーと。騎士になりたいから」

 「なんで、騎士になりたいの?」

 「お父さんや、お母さんみたいに人をたくさん救いたいから」

 「じゃぁ、私の事も守ってくれる?」

 「それは...君の事まだ知らないし、絶対に守ってやるとまでは言えないかな」

 「じゃぁさ、私のことをいっぱい知ったら守ってくれるの?」

 「うん。」 

 そして、その女の子は微笑みながら、

 「私を君のお嫁さんにしてください」

 彼女は赤く染まった夕日みたいに否、彼女は顔を赤く染めていた。ルリーはこの初対面の女の子に恋をしてしまった。

 それから、ティーラはルリーの稽古をずっと見ていた。

 彼女に、「お嫁さんにしてください」と言われたときは、驚いて友達からでお願いしますって言ってしまったのずっと後悔していた。

 もし、あの告白をOKしていたら、ルリーはティーラの旦那さんになれたかもしれない。

 それをずっと後悔していた。

 

 それから、二年経った日のこと、魔王が現れたと周りの人が叫んでいた。

 そして、ルリーは、魔王の所に向かう最中に、騎士同士の仲間である、リリーとバンブーに遭遇した。

 彼女らも、魔王ところ向かっていると言っていた。

 「ルリーも魔王の所に向かうの?」

 「あぁ。俺がこの世界で最強になってしまった以上、この手が俺が魔王を討伐しないといけねぇ。」

 「じゃぁ、私たちはルリーのサポートをするね」

 「よろしく頼む」 

 ルリーは魔王の所につき、魔王と戦っていたが、相手に一歩先を読まれルリーはわき腹にダメージを負った。

 出血が止まらなく、ルリーはその場で倒れていた。

 そして、現在に至る。

 

 ルリーは魔王の弱点をあまりよく知らない。

 そこで、自ら犠牲になってもいい覚悟で、最強の技を放つことにした。

 死ぬか生きるかで言えば、当然死ぬ確率の方が高い。

 しかし、ルリーは誰かが死ぬくらいなら、自分が死んでこの世界の英雄として名を遺せればよいと考えていた。

 大切な人を守りたい。

 ティーラは俺が死んだら泣いてしまうかもしれない。一生憎まれてししまうかもしれない。

 それでも、大切な人が自分一人の犠牲で生きてられるならそっちの方がいいとルリーは思った。

 「魔女。こで終わりだ。self-destruction」

 瞬間ルリーが持っていた剣から、青い光が輝き、周囲二十メートルにあった木などを、軽々と吹き飛ばした。

 

 そして俺は、目覚めた。

 遠い遥か昔の夢を見ていた。

 あの、ティーラという女の子は、なんだか少し菜月に似ている気がした。

 声も、体も、目もなんだか菜月そっくりだったように思える。

 なぜ、前世の記憶を夢で見ていたのかは分からない。

 だけど、昔も今も俺は大切な人を幸せにしたいし、守りたいところは変わらないんだんと思ってしまった。

 「浩人、おはよう。ごはんできたわよ。」

 「あぁ。菜月おはよう。今日は、遊園地に行くんだっけ?」

 「うん。だから、早くご飯食べて、支度して」

 「分かった」

 俺は、リビングに向かい食卓に並べてあった、ごはん、味噌汁、目玉焼きを食べた。

 まず、目玉焼きは、中の黄身がちょうどいい具合にとろけていて、味噌汁の具材はネギとわかめしか入ってなかったが、味噌と、ネギの甘みが絶妙にいいバランスでとてもおいしかった。

 それから、俺はご飯を食べ終えて、身支度をして、菜月と一緒に遊園地へと行くのだが、その遊園地で俺たちにとって、特別なイベントが開催されることは、この時の俺たちはまだ何も知らなかった。

「幼馴染と結婚することになった」を読んでくださって、ありがとうございます。

 今回、浩人の前世のことについて触れてみました。「なんで、前世が異世界なのか」という疑問を持った人がたくさんいると思います。ですので説明いたします。

 まずルリーが異世界から転生してきた理由は、ルリーが違う世界に行きたいと強く一度だけ願ったことが事の発端です。

 そして、死んだあと真っ暗な部屋で、女の神様が、ルリーに「前世の記憶を持ったまままた同じ世界で生きるか、前世の記憶がないまま転生して生きるか」で、ルリーは、前世の記憶がないまま生きることを選択したんでですが、浩人の周りが色々と起きすぎて、何かの拍子に前世の記憶が蘇ったのではにのかと、ここの作者が言ってました。

 じゃぁ、最初の事の発端関係ないじゃんと思ったそこのあなた。その通りです。関係ないです。すみません。

 ですが、次回はもっと面白いものをかけるように頑張ります。あらかじめ言っときます。次の話が更新されるのは下手したら一カ月先になるかもしれません。というのも、最近自分自身多忙でかける時間があまりないことが更新が遅れる原因です。

 ですので、どんな特別なイベントが行われるか予想してみてください。当てた方には、すごいねと褒めたたえてあげます。需要ないと思いますが。

 まぁ、暇な人は予想とかしといてください。

 最後に、ここまで読んでくださった方々本当にありがとうございます。

 引き続き、「幼馴染と結婚することになった」を読んで頂けますと幸いです。以上坂口あーすでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ