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エピローグ

先日のファエロアの新作発表会はある意味で人々の注目を浴びるものだった。


なにしろ、ラストのマリエを着たのがモデルではなく一條家の令嬢でもある亜紀。そして、その場で堂々と交わされたキスは、翌日以降のワイドショーの格好のネタとなっている。


それらを受けたというわけではないだろうが、亜紀と惟の結婚式が一気に現実味を帯びてきたのも間違いないこと。そんな中、最後まで抵抗していた拓実がついに白旗をあげた。ということで、高校卒業後という約束だった二人の結婚式が執り行われることになったのも当然と言えるものだったろう。


もっとも、さすがに花嫁である亜紀が高校生ということを配慮したのだろう。この日の結婚式は身内だけのごくシンプルなもの。来賓を招待する大掛かりなものは彼女が高校を卒業してからということに変わりはない。だが、亜紀にすればアンジーがデザインしたウェディングドレスに身を包むことで、緊張感も覚えているようだった。




「亜紀、用意はできた?」



「た、惟……ほんとに私でいいの?」




今まで何度も繰り返されてきた問いかけ。亜紀にすれば、今日の日が望んでいた日であることは間違いない。それでも、やはり不安があるのだろう。惟の顔を見たとたん、彼女はいつものように不安を訴えかけることしかできなかった。




「亜紀、何度も同じこと言わせない。僕は亜紀がいいの。亜紀じゃないとダメなの。そのこと、分かってくれないの?」



「分かってるつもりよ。だって、私もそうだもの」



「だったら、心配することない。今からちゃんと誓うけど、返事は『はい』しか認めないよ。分かってる?」




惟のその声に亜紀は一気に顔を赤くすると俯くことしかできない。彼のことを好きだと意識したのはついこの間のはず。それでも、彼がいないとダメなのは間違いない。そして、今日が終われば彼と一生を共にする。そのことが嬉しくて仕方がないのだろう。紅潮させた頬と上目遣いの視線が亜紀の心境を雄弁に物語る。




「惟、この前も言ったわ。惟のお嫁さんにしてください。私はまだ子供だけど、あなたのことが誰よりも好きです。愛しています。だから、お嫁さんにしてください」



「分かってるよ。僕も亜紀のことを愛している。一緒に生きていこう。そして、いつまでも仲良くしよう。今日はその最初の一歩だから。君のこと、絶対に幸せにするからね」




惟のその言葉に亜紀は頷くことしかできない。いつの間にか、こんなにも彼のことを好きになっていたのだ。そのことを思う亜紀の顔は幸せそうな表情を浮かべている。


彼と一緒ならば絶対に幸せになれる。何も心配することはないのだ。そんな全幅の信頼を込めた視線が惟に向けられる。


そんな彼女の腕を取り、ゆっくりと歩き出す惟。そんな二人を祝福しようと集まっているのは互いの家の両親と、亜紀を育ててくれていた里見夫妻。それだけではなく、その場には由紀子とアンジーの姿もある。


二人がここに辿りつくまでの事情を知っている人々の惜しみない祝福。それを全身に感じているのだろう。二人は互いの顔を見合わせると、心からの笑みを浮かべ、誓いのキスを交わしているのだった。




~Fin~


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