桜舞う季節に
花が散ってもその木は桜。
何となく、思っただけ。
どうぞ、お楽しみ下さい。
私の記憶の中にあるその男は、いつも”桜の花びら“が入った小ビンを大切そうに持っていた。
ただし、そのビンを間近で目にする事は稀であり、常に懐に仕舞われていた。
季節関係なく羽織っていた黒のジャケットの内ポケット。
小ビン自体は雑貨屋で売られているような全くもって珍しくない、ありふれたもの。
男は一人になるといつも“桜の花びら“を見つめていた。
塾講師として、教え子の合格を願っていたのだろうか。
男が何故そんなにも大切そうにその小ビンを持っていたのか。
男と私が比較的親密だった当時、その男が考えていた事は理解できなかった。
その男との出会いは、私が小学五年生の頃。
男は私が通う塾の講師だった。
中学受験を考えて通い始めた塾で、私はその男に国語を教わっていた。
授業は面白く、タメになる。魅力的な人物で、生徒と親の両方からの人気と評価は高かった。
当時、国語に苦手意識を持っていた私は、同学年の他の生徒達よりその男にお世話になった。
と、同時に私の人生に大きな影響を与えたのだと思う。
第一志望校に見事合格してからは、すっかり文系科目が得意科目となった。
中学受験から十年経った今。私は大学四年生となり、大学では国文学を専攻している。
国文学専攻といったら文系の中の文系であろう。
その男のおかげでその道に進んだとまでは言わないが、男と出会わなければ文系科目が得意にならなかったかもしれないし、そもそも中学受験に失敗して大学に行かなかった、行けなかったかもしれない。
現在に至る上で、人生の中に不要な出会い、出来事は存在せず、全ての上に成り立っているのが現在だと私は考えている。
その必要な出会い、出来事の中でも、男との出会いは、やはり私にとって大切なものであった。
ある日、突然。その男から手紙が届いた。
『君にわたしを描いてほしい』
初めての連絡。獄中からの一通だった。
わたしは何百人という子どもと今まで出会ってきた。
子どもはひどく面白い生き物。
大抵の奴らは無知で煩く、関わるのが面倒なはずなのに関わらずにはいられない。
それは一部に、ごく一部に輝くモノがいるから。
その輝きと出会い、見つける感覚がたまらなく好きだから。
わたしは昔から子どもが嫌いだった。
それこそ、わたし自身が子供だった頃から。
子どもなんて滅びれば良いと子どもながらに思っていた。
だが、不快極まるもの達とも、棲み分けさえできていれば共に生きて行ける。
自らも子どもだった頃には、クラスの中のグループとして。必要以上の関わりを絶ち、孤立することによっての共存。
わたし自身が成長してからは、物理的な棲み分けが可能になって、さらに楽になった。
しかしながら、避けられぬ関わりは存在する。
高校二年生当時、暮らしていた家に居候が突然現れた。
小学六年生の女の子。
少女は、わたしの親戚の一人で、彼女の両親が仕事の関係で海外生活をすることとなり、その間の一年間だけ預かる事になったと説明された。
それが嘘である事は、私の両親の態度や口調からなんとなく察しがついた。
少し調べてみればすぐに分かった。
少女がうちに来たのと同時期に、少女の両親は犯罪者として逮捕されていた。
親族が犯罪者という事実を大人は子どもに隠したかったのだろうが、全く。
虫唾が走る。
だが、わざわざその怒りを両親にぶつける必要もなければ、真実を彼女に伝える必要もない。
彼女の件に、わたしは不干渉を決めた。
しかしながら、避けられぬ関わりは存在する。
両親はわたしに彼女の日常面の面倒をみるようにいいつけた。
子供同士の方が気が楽などといった、大人の勝手な憶測。
逆らうことも当然できるが、それは無駄な体力の消費。素直に従う体で、わたしと少女の関係は始まった。
幸い、少女は自身の立場をよく理解していたし、賢い子どもだった。
面倒をみるといっても必要最低限の会話で済んだ。
他人より知人寄りの関係が続いていたある日。彼女は唐突に口を開いた。
「お兄さんは、私のこと嫌いですか」
自らの立場を理解し、賢くとも、当然不安はあるのだろう。
ここ数日のわたしの態度を振り返ってみれば、この言葉は至極真っ当なもの。
わたしは誠実に答えてあげようと思った。
「いいや。特別、君が嫌いなわけじゃない。君が、というより子どもが嫌い」
「そう……なんですか」
偽りなき言葉だが、彼女を傷つけるものではない。
だが、彼女にとって理想的な回答でもなかっただろう。
わたしの回答に対する答えは沈黙。それ以外の答えはない。そう思った。
だからなのだろうか。
「憧れているんですね……。子どもに」
予想外の返答。
且つ不思議と彼女の言葉は、わたしの心の深くに突き刺さった。
そして。わたしは、彼女を魅力的に感じた。
結局。わたしと少女の関係は、当初伝えられていた一年間よりも短かった。
たった数ヶ月。
その少女との出逢いは、わたしにとって大切なものであった。
私は一通の手紙を手に、拘置所へ向かった。
送り主であるその男に会いに行く為に。
罫線だけの質素な便箋一枚。書いてあったのは綺麗な文字でたった一言。
無視することも出来た。
否。普通ならば無視するだろう。
そもそも、送り主の名を見た段階で開封すらしないかもしれない。
好奇心に負けて開封してしまっても、中身を見るだけ。読まないかもしれない。読むだけかもしれない。
どうであれ、最良とされる行動は、送られてきた手紙は捨て、記憶から消し去り、何事もなかったかのように今まで通りの日常を送る。
それが普通であろう。
しかし、私にその選択肢はなかった。
会うことしか考えなかった。会いにきてしまった。
それは、私の中の男と世間で言われている男の像が大きくかけ離れていたからかもしれない。
そして、その乖離を「正したい」と心の奥で思っているのかもしれない。
案内された薄暗い部屋で、軋むパイプ椅子に座ってその人を待つ。
しばらくして、高い音と共に目の前にそびえる重たい扉が開く。
「やぁ。久しぶりだね」
男は私と向かい合うように置かれたパイプ椅子に腰掛ける。
軽い口調で話しかけてきたその男。
かつて私に教授し、そして二十六人の少年少女殺害、遺体損壊、遺棄の罪で逮捕された死刑囚。
「はい」
目が合った。その瞳に一切の光はなく、真っ黒や漆黒なんて表現は適さない。
その瞳は、純黒。そして私を吸い込むように惹き寄せる。
「来てくれてありがとう。嬉しいよ」
最後に会ったのが第一志望の中学校に合格した報告の時。およそ十年ぶりの再会。
かつては教科書を挟んで向かい合っていた二人が、今は透明なガラスを挟んで向かい合っている。
その男は最後に会った時からほとんど変わっていないように見えた。
その瞳を除いて。
「はい」
私は、何を話したら良いのか分からずにいた。
話したい事はたくさんある。聞きたい事はもっとたくさんある。
でも、言葉にする事ができなかった。
「大きくなったね。順調に進学して、この春に大学四年生になったのかな」
「はい」
「そうか。就職は、決まったか」
「はい」
「そうか。うん、それは良かったね」
終始、男が話して、私は返事をするだけで会話は進んでいった。
「それで。手紙に書いた件だけど。その事で話が聞きたくて来てくれたんだよね」
「……はい」
私がその男に会いに来た理由は手紙に書いてあったことの意味を聞くためである。
だが、それは会いにきた理由の一つであり、あくまでもきっかけに過ぎない。
私がここに来た真の理由は別にある。
「確かこう書いたと記憶している。『君にわたしを描いてほしい』と。まぁ、意味を聞かれても書いたまま、と答えるしかないさ」
男はゆっくりと目を閉じて、改めて私と目を合わせる。
「わたしについて。小説でも伝記でもエッセイでも。形式は問わない。君なりに私を描いて欲しい」
私には男の真意が計れなかった。
単純に考えれば、自らの死を覚悟してこの世に生きた証を残したくなった。それをかつての教え子に託したい、といったところか。
だが、それならば自伝を書けば良いではないか。
男は元国語の講師である。そして、死刑囚である。
一介の文学部生が書くものよりも、前代未聞の残虐な死刑囚が書き記したものの方が社会的影響力は間違いなく大きい。
「わたしは自らの功績をひけらかしたい訳じゃない。わたしの功績はどちらかというと恥ずべきだ。自慢できるものではない。それでも。そんなわたしを、わたしは君に描いて欲しい。ただそれだけなんだ」
真意は分からない。そもそも分かりたくもないのかもしれない。
だが、言わんとしていることは理解した。
「……はい」
「そうか。ありがとう。本当にありがとう。形式や進め方は君に任せる。だけど、わたしは明日があるか分からない人間。ゆっくり進めようとは思わないでおくれ」
「はい」
久々の再会。ずっと微笑んでいた男がそのとき初めて少し笑った気がした。
「わたしから伝えたい事は以上だが。君は先ほどから色々と抱えているんじゃないか。全てとは言わないから、ここで少し下ろしていったらどうだ。ここにしか下せないものだろ」
純黒の瞳はお見通しだった訳だ。
それが恩師だからなのか、元国語の講師だからなのか、それとも死刑囚だからなのか。
分からない。
私の心の中は、その男の犯行が明るみになってからずっと抱えているものがある。
「先生は。私を殺したいと思っていましたか」
その男が逮捕されたのは、私が無事に中学校に入学して、進級した二年生、十四歳の頃だった。
私が知っている男は、そんな残虐なことをする人には思えなかったので、報道番組で男の名前と写真を見てもすぐには信じられなかった。
だが、ワイドショーで報じられた小ビンの話を聞いた瞬間、私の中で全てが真実のように思えた。
不思議な話である。小ビンの中には”桜の花びら“が入っていただけだというのに。
そして、私は怖くなった。もしかしたら、私は男に殺されていたかもしれないという思いに至ったから。
私とその男が親密な関係であったのは小学五年生の頃の一年間だけだった。一応、大変お世話になったということで合格の報告はしたが、六年生の頃は一度も教わったことがない。
幸か不幸か。
報道の中で、男の犯行の対象にはルールがあったと推測されていた。
対象とするは、十二歳の小学六年生か中学一年生、十五歳の中学三年生か高校一年生、もしくは十八歳の高校三年生。このいずれか。
付き合いが三年未満。性別は問わず。身長が150cm以上160cm以下、体重が40kg以上60kg以下。
全被害者に共通する特徴から推測されたものである。
当時は、男の塾講師という立場上、対象にしやすい人物が限られたといった説も存在したが、のちに男自身が「秩序の元、犯行に及んでいた」と供述しており、犯行に明確なルールがあったことが明らかになった。
私と男の関係は三年未満の付き合いで、当時の身長、体重とも対象と推測される人物像に一致していた。
唯一、年齢が異なっていた為、被害に遭わずに済んだ。だが、年齢的に対象となった時に親密であったならば。
これが、私がずっと抱え続けた恐怖である。
「先生は。私を殺したいと思っていましたか」
微笑んでいた男は、私の言葉でもその微笑を崩す事はなかった。
「そうか。疑問に思っていたわけだ。自分は対象だったのではないか、と」
「まずは認識の誤りを正そうか。わたしは、一度たりとも誰かを殺したいと思った事はない。行為の先にあった結果が死であっただけの事だよ」
「その上で。君は対象ではなかった。安心して良い……って言い方が適切か分からないけれど、わたしが定めたルールにおいて、当時の君は対象になり得なかった」
私は呼吸を忘れていた。対象ではなかったと告げられて、はじめて息苦しさを感じて呼吸することを思い出した。
「わたしが定めた犯行におけるルール。君は知っているかな。報道番組とかで流れたのかな」
「はい」
男の事件が連日報道されていた時に繰り返し流されていた、推測されたルールを順に伝えた。
「それと……頭が良いこと」
最後の一つ。それは、私自身が事件を調べて存在すると考えたルールであった。
被害者と男は塾で直接出会うか塾の生徒伝に出会っている。
その全員の志望校もしくは通っていた学校は一流、超一流。
受験を志したものなら絶対に名前を知らないことがないほどの名門校ばかり。
このことに関して、報道やネット記事などでは全く触れられていなかった。
世の中には塾に通っている・いた=名門校に通っているのが当然などといった認識があったのだろうか。
つまり、私が知る限り、それがルールとして存在していると主張した人はいない。
「へぇ。『頭が良いこと』ねぇ。それも報道で言っていたのかな」
「いえ。自分で調べて、ルールに存在しているのではないか、と」
「そうか。それね……正解。わたし自身が定めたルールでの正確な言葉でいうと『賢い』。それが条件。定量的で明確なルールの中にそんな曖昧な条件が存在すると、どうやって導き出したのか分からないけれどね。残念ながら、君はこの条件が存在したことによって対象になり得なかった。けど、それはわたしの判断ミスだったかな。今の君は賢いよ」
男の言葉は私に重くのしかかってきた。長年抱えてきた恐怖と疑問という名の重荷を下ろすつもりで尋ねたはずが、真実はよほど重たい。
知は無知よりもずっと。
帰り道は覚えていない。
意識がはっきりとしてきた時、私は閉館直前の図書館の一席で男の事件に関する様々を読み漁っていた。
当時の新聞、雑誌、事件について書かれた書籍やその他関連書籍。
呆然としていた中でも読んだ内容は頭の中に入っていたらしく、私は事件についてほとんど理解していなかったと感じた。
それは凶悪犯と知人だった事を良く思わなかった保護者によるものか、それとも恐ろしく感じた自らの意志によるものか。
事件当時、私は無意識のうちに事件と距離を置いていたのだ。
男が逮捕された原因すら知らなかったのだから。
逮捕される数日前。
男が犯行現場として使っていた山小屋付近をたまたま通りかかった非番の警察官が、山小屋にいた男を不審に思って話しを聞いた。
その時は怪しい点は皆無。何も問題がなかったが、その警察官はどうしても男のことが気になって、報告した上司の命令に背いて単独で男を見張った。
一人の警察官が見守る中、男は山小屋近くの用水路にずっとずっと大切に持っていた小ビンに入った”桜の花びら“を撒くように捨てた。
舞い散るように用水路へと落ちていったそれが決定的な証拠となって男は逮捕された。
男は刑事の勘という非科学的なものがきっかけとなって、いわば偶然の被害者として逮捕されたといえる。
なぜ男は決定的な証拠をわざわざ捨てるようなことをしたのか。
供述によると「誰かに縛られたくなかった」とのことだった。
非番の警察に話しを聞かれ、その後から一人の警察官に見張られていたことは気がついていた。
しばらく犯行を行わなければ見張っている警察官はいずれ諦め、再び犯行を行うことができるかもしれない。
しかし、それがいつになるか分からない。
今は一人の警察官だけの疑いだが、彼の考えに同調するマイノリティーが現れるかもしれない。
そうなれば、さらに犯行が行えない時間が先延ばしされる。
男は、そんな他人の都合で自らの犯行を制限されることが耐えられなかった。
この段階で男は警察に逮捕されることを望んだ。
犯行を行えるのに行えない。そんな生殺し状態よりも、絶対に犯行を行えない、不可能な状況下になる事を望んだ。
ただし、男は逮捕される方法もこだわりたかった。
自首はダメだ。面白みがない。第一、男は犯罪になり得る事をした認識はあるが「いけない事」をした認識はない。
犯罪は明るみに出て初めて犯罪。警察に自ら名乗り出るような事をした認識が男にはなかった。
そして、偶然とはいえど自らの元に辿り着いた一人の警察官に一輪でも華を持たせたいという想いもあった。
ならば。犯行途中に逮捕されるのはさらにダメだ。それは男が嫌う「他人の都合で自らの犯行を制限されること」の最たる例だ。
始めたなら最後まで。途中で止められるなんて度し難い。
結果、男が行き着いたのが、犯行の象徴を公にすること。
これは逮捕のきっかけを作ると同時にケジメとしても悪くないと男は考えた。
穏やかに流れる用水路の上に立ち、小ビンの中身を手に取って、思いきりばら撒いた。
空を舞って、落ちて、水面に浮かび、そして下流へと流れていく。
「さよなら、愛しき者たちよ」
微笑んでいた男は。
司書に肩を揺すられて目を覚ました。
いつの間にか、ほんの少しの間眠ってしまっていたらしい。
迫っていた閉館時間を迎えていた。
この短い時間に悪い夢を見ていた気がする。
「大学生さん、ですかね。調べ物ですか」
「はい」
一人ではとても短時間で片付けられない量の書物を司書と共に片付ける。
異様に頭が冴えていた。
「司書さん、この事件覚えていますか」
「えぇ。この辺じゃ、というよりこの国じゃここまで衝撃的な事件は滅多に起こらないからね。はっきり覚えていますよ」
「そう……ですよね」
「でも、少し前まではこの事件のおかげで警戒する大人も多かったけど。すっかり風化しちゃってね。最近は子どもが夜道を一人で歩いているのを多く見かけるから心配ね」
「教育熱心なご家庭も増えて。受験のために夜遅くまで塾に通っている子も増えたでしょ。本当、心配ね。まぁ、大丈夫だと思うけど。あなたも気をつけて帰りなさい」
片付け終わると、私は追い出されるように図書館を後にした。
周りはすっかり真っ暗。
大通りから数本入った夜道。人の姿はほとんどない。
ほとんど、ない。
冴切った頭は一つの衝動に駆られていた。
目の前には大きなカバンを背負った子どもが歩いている。重たそうに背負いながら。
私は一つの衝動に駆られていた。
そして、頭の片隅にわずかに残る私が呟いている気がする。
「分かってしまった。分かってしまった」
そんな声は聞こえていないかのように。
わたしは一つの衝動に駆られていた。
「君、大丈夫?」
その男は、いつも”桜の花びら“が入った小ビンを大切に持っていた。
よく見ると、小ビンに詰まった”桜の花びら“には、ほのかに赤黒い何かが付いている。
男は小ビンの中身を手に出した。
”桜の花びら“たちが擦れ合って、ガリガリと不快な音を立てる。
そして。男は思いきりばら撒いた。
空を舞って、落ちて、水面に浮かび、そして下流へと流れていく。
それらは。大小様々の爪。
人間の爪。
子どもの爪。
桜の花びら。
「さよなら、愛しき者たちよ。見事に咲き誇り、桜舞う季節に散った者たちよ」
終
8月も半ば。
季節外れも良いところのタイトルですが、作中に桜なんて出してない気がするので大丈夫でしょう。
今日に合わせて二日、時間にして計6時間ほどで急いで書き下ろしたものなので、後書きを書いている今まさに書き直したい気分になっている本作ですが、同時に、今の私に書ける精一杯であると思ってます。
いつか、もっと書けるようになったら加筆修正をしたい。
それまではこの駄文を入り口に皆さんの脳内にそれぞれの「桜舞う季節」を創造して欲しいと思います。
さて。
後書きですから解説じみた事をしようかと考えましたが、止めます。
上記してしまいましたから。
前に書いたような、書いてないようなことなので申し上げますと。
作品は何度も何度も校正しながら書く事がありますが、前書きや後書きは誤字脱字の修正以外は全く行わないことにしています。下手したら誤字脱字すら直さない。
その時の気分を勢いそのままに書くことを大切にして。
そして、いま書きたい気分になっている事は一つ。
15歳、18歳、そして数は少ないかもしれないが12歳。
私たちはかつて、もしくはこれから先。
紛れもなく「桜」だったんです。
あー、意味分かんない。
数秒前の自分、意味が分からない。
でも、浅読みでも深読みでも、もちろん読み流しでも。
していただければなって。
こんな後書きを最後まで読んでくださりありがとうございました!
以上、作者のNEKOに代わって御宝候 ねむ がお送りしました。