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ラスボスたちの隠し仔 ~魔王城に転生した元社畜プログラマーは自由気ままに『魔導言語《マジックコード》』を開発する~  作者: 熊乃げん骨
第5章 悪友と宝石都市

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第15話 フェーズ2

 クソ勇者どもと戦ったことはある俺だが、思えばこういった集団戦は初めてだ。


 無機物も含んでいいならたくさんのゴーレムとは戦った経験はあるけど、やはり生身の相手とは迫力が違う。


「コロす、殺してやるぞッ!」


 俺の視線の先にいる亜人『バグベア』たちの顔は恐ろしい。俺のことを見るその顔には殺気がこれでもかと溢れている。子どもが見たら寝れなくなってしまうだろう。


「でも逃げるわけにはいかないんだよ」


 心を奮い立たせ、敵の群れの中に突っ込んで行く。ここで負けるようならどの道クソ女神ババアには勝てない。思い切りやってやろうじゃねえか!


「いくぞグラム! 合わせろ!」

「……ったく、魔剣使いの荒いご主人様だぜ」


 魔剣グラムナイフを右手で握り、その刀身に左手の指を添える。

 そしてその黒く光る刀身に術式を打ち込む。


「術式纏刃、魔力の刀身(ルーンソード)!」


 グラムナイフ周りに巨大な青い刀身が出現する。

 この刀身に特殊な魔法効果はない。ただ攻撃範囲が広くなり、切れ味が増しただけだ。


 それだけにシンプルで無駄がなく――――強い。


「そ……らよっ!」


 横なぎに剣を振るうと、目の前にいた三体のバグベアが崩れ落ちる。

 魔力の刀身(ルーンソード)に重量はない。いつものグラムナイフを振る感じで扱えるのは助かる。


「カコめ! 囲んで袋叩きにしろッ!」


 続々と俺の周りに集まるバグベアたち。適度に魔法を放ち、逃げ道を確保しつつ魔力の刀身(ルーンソード)で数を減らしていく。


「はは! キリがねえなこりゃ!」

「笑ってる場合かよアルデウス! どーすんだよこれ!」


 手の中でグラムが叫ぶ。お喋り(うるさい)剣だ。


「怒る暇があるなら手伝ってくれよ。負けてあいつらに使われるよりはマシだろ?」

「ぐ……確かにあいつらに使われたら包丁にでもされそうだな。……しょうがねえ、こうなったらやってやらあ! 天舞う光刃(スカイソード)!」


 やる気になったグラムは魔法の剣を五本出し、俺の背後に回ろうとしていたバグベアを切り裂く。

 こりゃあ楽でいい。


「さて、俺も……ってあいつらも来たか。この調子なら守りきれそうだな」


 俺が戦っている間に、宝石騎士団ジェムナイトたちも合流してきた。

 その中にはゴーレムも混じっている。バグベアたちも消耗してるし、この分なら負けることはないだろう。


 しかし安心したのも束の間、敵は奥の手を出してきた。


「おい! なんだあれは!?」


 宝石騎士団ジェムナイトの一人が一ヶ所を指差して大きな声を出す。

 そっちに目を移すと、バグベアたちが出てきた穴から巨大な亜人が姿を現した。


「……なんだあいつは」


 バグベアによく似ているが、明らかに全長サイズが違う。

 遠くて正確な大きさは分からないけど五メートルはありそうだ。筋肉もムキムキだし明らかに強そうだ。


 そのクソデカバグベア(仮称)は、近くにいたバグベアを大きな手で掴む。

 いったい何をする気なんだ? と思っていると、なんと仲間のはずのソレを思い切り投げつけた!


「おいおいマジかよ!?」


 野球の投球のようなフォームで投げられたバグベアはものすごい速さで飛んできて、都市の中に着弾する。


 バゴン! と大きな音を立てて着地(着弾?)したバグベアは粉塵舞う中立ち上がると、都市の中で暴れ始める。


「嘘だろ? なんてアナログな真似しやがる!」


 こうしてる間にも次々とバグベアたちは投げられ、都市の中に入りこんでしまっている。

 非戦闘員は隠れているとはいえマズい。王宮には王女様やラビィもいるんだぞ!


「ここは任せた! 俺は一旦戻る!」

「は、はい! 王女陛下をお願い致します!」


 戦場の指揮を騎士団長に任せ、俺は急いで都市に戻るのだった。

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