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Ex.1 シヴの手記I
この世界に初めての異世界人が来た。
どうやら、この世界の危機が認識されてしまったようだ。
全次元全界統治協会クェーサーが、この世界に向けても矯正活動を開始した。
この世界の持つ魔法波とは異なる魔法波をもつ存在が、侵入してくるのを感じた。
魔眼ブリゲイドを飛ばしたのだが、その眼が映し出したのは、十歳前後と思われる少年だった。
魔力量も大したことはない。少し捻くれているが、短気を起こすような人間ではないようだ。戦闘経験もなし。
今は、辺境の町のある一家に居候している。当面は脅威になりはしない。
若いうちに英雄の芽は摘んでおくべきなのだろうが、まだ私が出るには早過ぎる。
来る時、場が整ってからでも、遅くない。
さて、そんな異世界人の侵入ごときの些細な変化はどうでもいい。
クェーサーが動き始めたことの方が大問題だ。
早く、最後の宿主候補を見つけなければ。
あの呪いが解かれる前にーー
ちょっと短いですが、たまにこのくらいの量の文章が出ると思います。
受験頑張ります。