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閑話 そこはしっかり忘れずに

‥‥‥神の降臨、そして祝福。


 普通であれば胡散臭いような、そう簡単に信じる人はいないだろう。


 直接目に見なければ、人は真実だとしても目を向けることは無い。


 だがしかし、そういう事実があったという証拠は残っているものであり…‥‥




「‥‥‥あ、これ結局回収するの?」

『ハイ。こういう類は残しておくと、後々争いの種になりかねませんからネ。しばらくの間の後任(・・)としては、処分をしておきたのデス』


 争いが合って数日後のある日、僕らはある者の訪問を受け、手続きをしていた。



『しかし、結局前任者の介入のあったせいで、これが使用されなかったのは良いのですが、どこに処分を頼むかが問題なんですよネ』

「そういうものなのか」

『ハイ。神々の方にも、それなりに事情がありますからネ・・・・・』


 はぁっと溜息を吐きながら肩をすくめるのは、あの機械神の後任と名乗る人物。いや、神の後任だから神の類なのだろうが、見た目的にはほぼ似ている者であった。






 何故、彼女がここに来ているのか。それは、以前トゥールから受け取った魔剣の回収のためらしい。


 夢の中で警告して、護身のためなのか渡されていた魔剣ではあったのだが…‥‥結局のところ、機械神が直接介入したせいで日の目を見る事もなく、出番なく終わってしまった剣。


 これはこれでどうしたものかと悩んでいたところだったので回収しに来てくれたのはありがたいのだが、一つ気になるのは後任者の容姿である。


「キュル、髪色以外、ほとんど一緒。双子なの?」

『んー、厳密に言うとちょっと違いますが、まぁ似たようなものデス。第45世代型という点では、ほぼ同じですからネ。とは言え、前任者からありとあらゆるデータを渡されていても、まだまだ新米なもので、ここに次に降臨する予定は100年以上あと‥‥‥特例のようなものできているのもありますけれどネ』


 機械神だけあって、見た目は人に似ているけれども、中身は人に有らず。


 モンスターでもなく、どちらかと言えば前世のロボットだとか、アンドロイだとかに近いのかもしれない。‥‥‥というか、第45世代型ってことは、まだ他にいるのか。


 想像するだけで、神々の事情とやらがどうなっているのかが気になるところではあるのだが、藪蛇なのかもしれないし、他に面倒事があっても困るのでここは質問しないでおく。



「さてと、この書類にサインして、これで魔剣は完全にそっちが持って行ってくれることになるんだよね?」

『ハイ。元々は邪神の類の武器ですから、一般人…‥‥いえ、前任者の祝福者の番という時点で一般からかけ離れていますが、人が持つ様な者ではありませんからネ。これはきちんと適切な処理をしておきマス』


 世界の移動だが何だか知らないが、色々と面倒な権利などが発生するらしく、その箒のための書類の手続きも終え、魔剣を引き渡すとどこかに収納される。


 まぁ、使うことが無かったし、見た目的に持っているだけで問題になりかねないようなおどろおどろしさもあったので、むしろほっとしてしまうだろう。…‥‥何のために渡されたのか、分からなくなるけれどね。深く考えない方が幸せなのだろう。



『それでは、本日の手続きはここで終わりですが、ついでにもう一件片付けておきましょうカ』

「まだあったかな?」

『ああ、貴方ではなく前任者の祝福者への方へ、手続きをお願いしたいのデス』

「私の方に?」

『ハイ。全員の無茶でしばらく眠りにつきますが、祝福は継続状態…‥‥何かがあったらそれこそ放置しておいたら不味いので、今のうちにある程度の引継ぎ作業が必要になるのデス』


 なんというか、会社とかの引き継ぎ作業に追われている新人社員にしか見えなくなってきた。もしや、神々の界隈って企業的な何かなのか?そう考えるとずいぶんスケールダウンしそうな…‥‥いや、でも力の振り方などを思い出すと、流石にちょっと当てはまりにくいかもしれない。


 そう考えているうちに、魔剣の引渡しよりはあっさりと手続きを終えていた。


 世界を移動させるわけでもない分、それだけ処理が簡単になるそうで、案外あっけないものである。


『それでは、後日郵送にて、確認証明書を発行させていただきマス。確認後は、死ぬまで保管をお願いいたしますネ』

「本当に会社とかの事務手続きにしか思えないんだけど…‥‥」



 神々の界隈が企業のようにしか思えないのって、威厳とかそのあたりを考えると大丈夫なのか?


 あ、でも目の前の後任者とやらも前任同様なぜかメイド服だし、物凄く今さらな話しかもしれない。


 なんとなくだが、僕らの届かないところではあれば、もう放置で良いかと悟るのであった‥‥‥‥












『…‥‥ふぅ、なんとか回収したのは良いのですが、本当にこれ、どうしましょうカ?』


‥‥‥アルスたちと離れ、自分のもとの場所に戻った後、後任者はそうつぶやく。


 前任者が無理やりな顕現をしたせいで眠りについてしまい、起きるまでの間とはいえ後任として仕事させられることになったのだが、引き継ぐ中で魔剣の処分は少々考えこんでしまう。


 というのも、引き継いだのはいいけれども、神の座というのはすぐに身に付くものではなく、魔剣の処分一つでも相当手間がかかってしまうのだ。


 でも、放置しておけば後々面倒なことになるのは間違いないし、処分する宛はいくつかあるのがせめてもの幸いであろう…‥‥いや、処分先が多いというのも迷い処が多くなってしまうので、ソレはソレで問題でもあるが。



 とにもかくにも、必要な手続きなども経ており、どう扱おうがしっかり処分できればいい話し。邪神由来の品物であれば、基本的にはしっかり浄化作業を行ってしまえば聖剣などとして他の世界に出してしまう事も可能になるのである。


 特に今回のこの魔剣に関しては、それなりに力があるようで、前任者を恐れていた邪神のようなものではあったのだが、それなりに神としての格はあったのだろう。


『そう考えると、ただ処分するのも少々もったいないデスネ。邪神由来の品はここ最近、産まれる数も増えてますが討伐されたり力が無いものが多いので、貴重品な事には間違いないでしょウ。となると、これを適切に処分してくれそうなところは…‥‥むぅ、それでも10柱以上の処分先が多いのですか…‥‥』



 後始末というのは本当に面倒なものであり、最後の最後まで気が抜けることは無いのであった‥‥‥‥




『魔王の元にしてもいいですし、聖剣に変えて勇者、あるいは力のある方へ引き渡しに、もしくは転生者特典‥‥‥いや、流石に誰が邪神由来の魔剣を欲しがるのでしょうかネ?』




後始末というのならば、最後までしっかりとやらなければいけないだろう。

記念に取っておくのも良かったかもしれないが、後々まで残る事を考えると、渡して正解だったかも。

さてさて、次回辺りは新章予定‥‥‥

次回に続く!!



‥‥‥これを読んで、絶対に存在を忘れ切っていた読者がいたと思う。

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