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プロローグ2

本日2話目。あと1話投稿して、本日はここまで。ストックがある限り、できるだけ連続して投稿したいと思います。

ストックが切れた後は、不定期になると思いますが、長い目で見てお楽しみください。

‥‥‥最近、割と下火かもしれない異世界転生とか異世界転移。


 トラックに轢かれて転生とかをしたところで、轢いた人の部分が出ていない。


 チート?使い道によっては最悪な扱いをされるかもしれないし、なかったらそれはそれで何か問題が起きるかもしれない。


 異世界だからこそ常識とかそう言うのも変わるだろうし、食文化を改善しようと思っても、受け入れられるとも限らない。





 まぁ、そもそもの話として、そんなことが実際に起こり得るはずがないと、数分前の僕ならそう考え、とはいえ面白いのであればそれはそれでいいなぁと思っていたのだが…‥‥




『…‥‥実際に無いと思っていても、それはあくまでも体験していないが故の感想だろう?今、こうやって転生前の話し合いをさせられている気分としては、どうかな?』

「まず、自分の死因に物凄く納得がいかないんだけど」


 現在、その考えをひっくり返されたことよりも、自分の死因に関して納得できなかった。


 それもそうだろう。目の前にいるのが神とかそう言う存在であり、何か不祥事があったがゆえに転生させてくれるとかは良い。


 けれども、流石にその転生前に起きた自身の死因に関しては、ツッコミどころが多すぎる。





「……隕石が降って来て、頭に直撃するって言うのは百歩譲ってまだ良いよ。確率が奇跡的過ぎるけど、起こり得ないっって訳でもないからね。でも‥‥‥その後のそれは流石に無いよね?』

『残念ながら、起こってしまったことだ。その時点ではまだ辛うじて息があった君ではあったが‥‥』


‥‥‥奇跡的なその光景を見ていた馬鹿がいたようで、その馬鹿が死にかけた僕の頭から隕石を抜きとり、上に放り投げて自身に当てて、当たりどころが悪く死亡。


 そしてその死亡した馬鹿の体が倒れ込み、その重量で圧死確定とか…‥‥本当に何をどうしたらそうなるんだと言いたい。



「というか、何でその馬鹿はそんな行為をしたんだよ」

『隕石に当たって死にかけるという、奇跡的な光景を見たからねぇ。どうも彼はその世界では生きにくかったようで、奇跡的なその光景を目にしたことで、もしや利用して自身も死亡すれば、ラノベとかであるようなチート転生が出来ると思ってやったようだね』


 そんなふざけた動機のせいで、まだ助かる見込みのあった僕は死亡したらしい。


 いや、隕石の頭への直撃でまだ生きていたらしい自身の生命力には正直驚いたが‥‥‥殺害された形になったのは、非常に納得できないだろう。



『まぁ、そんな馬鹿は転生できないけどね。そもそもあの隕石自体はこちらの不始末だったので、君の方に転生権があるのだが…‥‥圧死させた奴は、むしろ地獄逝きになったよ』


 それならそれで、納得できるかもしれない。


 というか、ふざけた動機で地獄へ逝かされるとは、自業自得である。







 とにもかくにも、目の前の神様いわく、あの隕石に関しては神々の方で不手際があったようで、本来死ぬ予定が無かった僕が死亡したのは不味かったようだ。


 とはいえ、元居た世界に戻そうにもできなくなっているようで、だからこそ他の世界に転生させる処置がとられるらしい。


 まぁ、元の世界に未練があるとかそう言う事もないからなぁ…‥‥あ、でも出来れば彼女とか欲しかった。転生先で出来ると嬉しいのだが‥‥‥どうなのだろうか?





『それと、魂の処理の関係上、記憶を保持してもらう転生になるのだが…‥‥問題があって、普通にできん』

「問題というと?」

『記憶保持で転生する例はあるのだが、過去にその記憶を利用して世界そのものを異常に発達させた輩がおってな…‥その世界にはその世界なりの流れがあるのに、無視をされると困るのだ。だからこそ、記憶を持っていると言っても、最初のうちは封印状態。思い出すのは、記憶があってもその世界の事をそれなりに理解して、制御出来る状態となってからなのだが‥‥‥それでもいいか?』


 つまり、異世界転生でありがちな生まれてすぐに言葉を話せたりするなどの天才児な俺つぇぇぇ!!みたいなことにはせずに、ある程度分別が付いて、冷静な判断ができる時まで、この記憶は呼び起こされないらしい。



 まぁ、あったところでたかが一般人が持つ記憶の重要性なんぞ知れたところではあるが…‥‥その程度ならば、別に問題もない。


「ついでに聞いておきたいんですが、チートとかそう言うのはあるのでしょうか?」

『あると言えばあるぞ?希望すれば与えはするが…‥‥選択で1つまでしか選べんぞ』


 というのも、これはこれで過去にあったようで、大量に詰め込み過ぎた結果、その場で爆散したり、産まれてすぐに化け物扱いされて死亡させられた例があったようだ。


 ゆえに、与えるとしてもほどほどな類を1つだけという事のようである。


 ラノベのチート目的で、僕にとどめを刺して地獄逝きになったやつがやりたかったことだろうが‥‥‥それがこっちに回って来るとは、何とも皮肉な事である。



 


 せっかくなので、どの様な物が選べるのかを聞き…‥‥僕は一つ選ばせてもらった。


「なら、その中の一つの…‥‥そうですね、薬を生み出せる魔法薬師のチートが欲しいです」

『ふむ、ほどほどゆえに欠損の治療薬は生み出せても、不老不死の妙薬は作り出せぬものだが…‥‥これを選ぶ理由はなんだ?』

「単純に、健康第一に過ごしたいというのがあります」


 普通に食生活や日ごろの運動などで健康管理が可能でも、それらをこなせないような環境になる可能性はある。


 それに、聞いた話では転生先にはモンスターなどがいるそうで、万が一に備えて治療できるようになっておけば、生き延びやすいと考えたのだ。


 魅了とかそう言うのもあるが、それだと愛無き感じがして嫌だし、魔力膨大で魔法が使えるような類だとしても、それはそれで人に利用されかねないからね。


 あと、薬が生み出せるのであれば気配を消して透明になるようなものも出して、ひっそり逃亡もできると考えたのだ。




『ならば、これを付けて転生させよう。記憶も封印されるが、それは将来的に外れることになる…‥‥それでいいな?』

「はい」


 ついでに言うのであれば、記憶の封印もちょっとありがたい。


 流石に生まれたての赤ん坊に記憶がある状態だったら、精神的にきつい物もあるだろうからな…‥‥それらをやり過ごせるのであれば問題はない。



 頷けば、神が手をかざし、その場から僕自身が消えていくのであった…








『…‥‥ふむ、今どき珍しい、透き通るような魂の若者であったな。生きていれば大勢の人の役に立っていただろうに…なぜこうも惜しいものが亡くなるのか』


‥‥‥彼が消えた後、神はそうつぶやいた。


 今どきの魂は穢れている者が多く、中々お目にかかれない上質な魂。


 生きてさえいれば、それこそ多くの人々の心のよりどころになっていたような者に対して惜しい思いがしていた。


 穢れある魂ばかりがはびこっていくのに、清い魂が減っていく。


 そのことに惜しい気持ちを抱きつつ、新しい世界で出来れば清い心を活かして、人々の役に立ってくれればいいか…‥っと、そう思っていたところで、ふと神の元にとある連絡が来た。


『む?最近加わった機械神からの連絡か…‥‥ふむ、それはそれでいいのかもしれないな』


 




‥‥‥神とは言え、生きている者にはそう簡単に干渉は出来ない。


 けれども、ちょっとだけなら運命をつなげることができ、めぐり合わせることが可能となる。


『これが吉と出るか凶と出るかはわからぬが…‥‥まぁ、問題はないだろう』


 そうつぶやきながら、連絡の内容にできるだけ沿うようにした。


 これが、良い選択であったかどうかは定かではないが…‥‥転生後の未来に送るオマケとしては、良かったのかもしれない…‥‥


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