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今日から学校と仕事、始まります。②莞

日暮れの自意識

作者: 孤独

色々なお住まいがある。

その中の一つに、”集合住宅”と呼ばれる。色々な方がお住まいになられるものがある。

お話の都合上、物凄く簡単に言えば、1つの建物に多くの方がいるわけだ。


「最近、日暮れるの早すぎ」


矢木は自前のライトをつけて、ここの荷物をしっかりと確認し、持ち出す。

建物によっては灯りがついているところがあれば、この暗い時間帯でも灯りのない集合住宅がある。主に後者は2,3階建て、エレベーター無しの賃貸タイプの集合住宅。

この手の集合住宅は、あれだ、凄く部屋番号が乱立している事が多く。配達する人間にとっては、誤配達になりやすく、表札付けるところもないみたいなので、正直言うと嫌だ。ついでのように、隣にも似たような名前をつけたアパートがある事も多いため、どっちか分かんねぇって事になりやすい。ホントに性質悪い。



トットットッ



灯りもまだつかないので、ここいらからは慎重に。

急がずに丁寧に取り扱うのも配送の基本。

幸いにも部屋番号だけはしっかりと表示してあるため、ここのチェックは怠らない。場所によっては部屋番号もないし、アパート名もないとかあるし……だ。


トットットッ


前を歩く帰宅帰りの中年男性の後ろを歩くように、ゆっくりと乱立している部屋番号を確認して進む矢木……。たぶん、これ。一番奥の部屋だと思う。自信はないから見ているわけだが……。

奥まで進めばこの自信も確かになるわけだが、無駄に横に広いのも。この手の集合住宅でイライラする。


「オラアアァァッ」

「!?」


すると、急に前を歩く帰宅帰りの中年男性がドアの前で振り向き、いきなり矢木に怒声をあげる。


「なに後ろからついてくるんじゃああぁっ!!」


こっちがビックリするわ。


「気配殺してついてくんじゃねぇ!!俺に何の用だよ!?」

「え?101号室の方ですか?」

「あ、違う。隣、一番奥」

「そう」


急に落ち着くなよ……。

とまぁ、こんな偶然もあるのがお仕事というものである。夜間帯に近いほど、帰宅時の方とエレベーター内で会ったりすることも珍しくはない。

もっともそう感じるのは、長いこと働いていると感じる事ではあるが……。




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