〜上島、面接相手と本格的な話をする編〜
そして彼がコーヒーを注ぎ終わり、俺もその後でコーヒーを注ぐ。
席に戻ると彼は俺を待たずコーヒーを飲んでいた。緊張をほぐす為か、よほどコーヒーが好きなのか・・
「の、飲むの早いですね・・」
自分はまた相手の取り方次第で失礼に当たる質問をしてしまった。
「好きなんです・・」
相手の取り方によったら告白してるような言葉で彼は返す。
自分も席に座りコーヒーを何口か飲む。
心無しかちょっと落ち着いてきた。コーヒー万歳!と心で軽く思う。
落ち着いた所で俺は彼に本題を聞いてみる。
「・・なんで、この仕事を手伝おうと思ったんですか?」
すると彼はこう返してきた。
「人を元気にする仕事に興味があったんで・・」
どうやら彼は大学を卒業してから介護系の仕事をしていたらしく、その職場のある先輩社員の酷いイビリに耐え兼ねて会社を辞めたばっかりだと言う。
「仕事は好きだけど、人が嫌だって事ですか・・」
なんか俺と境遇が似てて親近感を覚えた。
「でも、ほとんど慈善事業ですよ・・」
俺は相手の取り方によれば断ってる風に聞こえる言葉を投げ掛けてしまった。
「お金は家にあるんで・・」
どうやら彼の家はかなりの金持ちらしい。父親が資産家だそうだ。ここは俺とは違う部分だな・・
「ちなみにどうやったら事業が成功すると思います?」
俺は今後の不安込みの質問を投げ掛けた。
「ひとまずお客さんが来ない事には仕事は成立たないですし、やはり宣伝をするのが第一前提ですね」
緊張しぃの割には的を得た発言をするな。・・俺が言うなってか。
「具体的にどうやって?」
俺は更に聞き返す。
「ホームページを作るのが一番効果的だと思います。闇雲にネットの宣伝掲示板に書き込んでも気味悪がる人が出ると思いますし」
自分がやった行動を遠回しに否定するような発言に聞こえたが、ここはあえて我慢する。
「でも自分、ホームページの作り方なんて分からないですよ」
本当は魔法の○ランドという作成ツールでホームページの作成経験はあった。しかし携帯からの作成だったし、ホームページと呼べるキチンとした代物でも無かった事以上に携帯からとはいえ、あまりの大変な作業に嫌気がさしており、あえて作った事が無いと嘘をついた。
「それなら、お金を出してホームページ制作会社に制作を頼む方法もありますし、なんなら自分が作っても・・」
ん?後半の発言をピックアップ