〜上島、ホームページ完成の知らせを聞く編〜
約2週間後、彼からホームページが出来たという連絡が入り、彼の家へ再び向かう。
ちょっとずつだが、夢が形になっている過程を体感している故に最近はとても気分が軽い。ちなみに彼の家に行くまでの足取りも軽い。
彼の家に着き、玄関前でインターホンを押す。
そして残りも、1回目に来た時とほぼ一緒のやり取りをこなし、彼の部屋へ入る。
部屋に入るとパソコンは既に起動されており、ホームページ画面が映っていた。
ホームページを入念にチェックする。
「これはザ・癒し系って感じだね」
特に
「ザ・」が付こうが付くまいがどうでもいいのだが、付いた方が発言に華が出ると思いあえて付けた。
「作るのかなり苦労したんだよ・・」
彼の発言からも苦労をしたという重みが伝わってくる。このホームページの雰囲気を例えたら、アニメ・ムーミンの世界観のような感じに似ている。
「自分、天才だよ!」
凄い出来栄えに、あまり人を褒める事が好きでは無い俺が人を褒めてしまった。
「・・苦労したからね」
天才という言葉を受け取ったのには違いないが、
「うん」とか
「まぁね」などの言葉を使わなかった彼に、謙虚さを覚えた。
「ホームページが出来た訳だし、このホームページを皆さんに見てもらう為には上島さんならどうします?」
いきなり質問された。こっちにも心の準備があるだろ!さっき、謙虚と思った事実は脳内で撤回した。
「・・口コミ?」
俺は真っ先に思いついた方法を言った。
「上島さんが1人1人にコレ面白いよ。って口コミして回るって事ですか?」
彼の口調はキツい
「ダメ?」
俺の口調はナヨい
「ダメじゃ無いですけど、無駄な動きですね」
ハッキリとダメ出しされた。
「じゃあ、どうするの?」
俺は聞く。
「ネットを利用するんですよ。上島さんが最初に仕事仲間を集める為に書き込んだ宣伝掲示板と同じ要領で」
彼はハッキリ答える。
「同じ宣伝掲示板に書き込むって事かな?」
俺は答え聞きをした。
「いや、あそこはアクセス人数が少な過ぎます。確か1日に平均200いくか、いかないかくらいでしょ?それに、そこにホームページのURLを載せても、200人全てがアクセスしてくれるって訳では無いですからね」
確かに言ってる事は最だ。
「じゃあ、どうすんの?」
俺は問いかけた。