第1話 癌
初めて書いたのでうまくかけてないですけど暇でしたら読んでみてください。
私は都内に住む45歳のサラリーマンです。私は3年前に妻をガンでなくしました。私は妻と20年前に結婚しました。周りの人達が恋愛結婚するなか私たちはお見合い結婚をしました。周りからの反対はありましましたが、私は彼女との結婚を決めました。結婚してから彼女は毎日お弁当を作ってくれました。そして会社から帰ってくる私を毎日笑顔でむかえてくれ、夕ご飯も食べずに待っててくれました。私はそんな彼女を心から愛していました。サラリーマンには付き合いがありますが、私はその付き合いを全て断りました。会社では付き合いが悪いとかの反感をかいましたが私にはそんな事関係ありませんでした。彼女のそばにいるのがなによりも幸せでした。子供二人に恵まれ私達はとても幸せでした。そんな彼女に病気が発覚したのは5年前のことでした。風邪だとおもい病院にいくと検査入院といわれ彼女は入院することになりました。数日後私は病院に呼ばれました。診察室にはいると、
「奥さんの容態なんですけど…」 「‥はい‥」
室内に沈黙が流れ、医師が口を開きました。
「大変申し上げにくいんですが奥さんの胃に癌細胞が発見されました。」
「…」
私は目の前が真っ暗になりました。
「…妻は助かるのでしょうか?」
「正直にいいます。奥さんの余命は一年だと思っていてください」
「お願いします!なんとか妻を助けてください。おねがいします!」
「落ち着いてください。旦那さん。私達も全力をつくします」
「妻は病気の事は…」
「まだ知りません。旦那さんにまかせます。どうしますか?奥さんに告知しますか?」
「…いいえ。私の方から伝えますんで…」
「そうですか。わかりました」
診察室をでて、妻のいる部屋に向かいました。
「貴方、きてくれたんですね。迷惑かけてすいませんね」
「そんな事気にしなくていいよ」
「お医者さんはなんていってたの?」
「少し疲れがたまっただけだからしっかり体をやすめな」
私は癌のことを言うことが出来ず、嘘をついてしまいました。
「じゃあおれは帰るからゆっくりしてるんだぞ」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさていただきます」妻はニコッと笑顔うかべていた。そんな嬉しそうな顔をみて私の目から涙が止めどなくながれた。家に帰ると息子たちが「お父さん、お母さんは大丈夫なの?」
「そのことなんだけど、お前たちにいわなければいけないことがある。とりあえず座りなさい」
息子たちを座らせ、気持ちを落ち着かせ私は口を開いた。
「お母さんなんだけど胃に癌が見つかり、余命が一年らしい…」
娘はすでに泣いていて、息子は体を震わせていた。涙をこらえながら私は話をつづけた。
「お母さんはまだ病気の事を知らないからお前達もだまっておいてほしい。お父さんから伝えるから。これから大変やけどお前達の支えが必要だから協力してほしい」
「…」
息子たちは首を縦に振るのが精一杯の様子だった。
私は妻の荷物をまとめるため自分の部屋に向かいました。
一階から息子たちの泣く声が聞こえ、こらえきれず私も泣き崩れました。何分たったのわかりませんが部屋のドアをコンコンと叩く音が聞こえ、ドアをあけると息子たちが泣きながら
「お父さん、私達に出来ることがあったら何でもいってね。お母さんに負担をかけないようにしようね」
ここから私達と癌の戦いははじまりました。翌日私は会社に事情を話、長期休暇を取ることにしました。会社をでて病院に向かうと娘と妻が話してる声が聞こえてきました。
「お母さんはなんでお父さんと結婚したの?」
「お母さんとお父さんはお見合いなの。お母さんはお父さんのことをいい人だなっておもっていたんだけど、お父さんは周りに反対されててね。でもその時お父さんが俺にはあいつが必要だし、あいつ以外は結婚しないっていってくれたの。その誠実なところで結婚を決めたのよ」「へぇ〜あのお父さんがね〜。なんか信じられない」
「お父さんは恥かしがりだからそんな素振りみせないのよ。貴方たちのこともちゃんと考えてるのよ」
「ねぇしおり、お母さんにもしもの事があったらお父さんの事頼むね」
「お母さんなにいってるの。お母さんはなおるんだからそんなこといわないの」「そうね…」
その時私は妻の顔の異変に気付いた。
妻は病気に気付いてるような感じがした。私は今来たかのように病室に入った。「なんだしおりきてたのか?」
「うん!あれ、お父さん仕事は?」
「ちょっと外回りで近くまできたから。着替えも届けかったし」
「ありがとうございます。しおり喉乾いちゃった。飲み物買ってきてくれない?」
「うん!わかった!お母さん麦茶でいい?」
「いいわよ。ごめんね。しおり」
しおりは飲み物買うため病室を出て行った。
「春子着替えここに置いとくから」
「はい。貴方、私の病気はなんなの?」私はドキッとした。「この前いったけど疲れがたまってるだけだって…」
「私は検査入院っていわれたのよ。しっかりした結果もきいてないし、いつまでも入院するの?ねぇ貴方本当のこといって、今まで隠し事なんてしたことなかったじゃない!」
妻は私の体をつかんで泣いていた。
「お母さん、麦茶かってきたよ…」
「ありがとう。そこにおいといて」
妻は泣き顔をけして娘にはみせなかった。
「俺そろそろ仕事にもどらなきゃいけないからいくぞ」
「うん!あたしもそろそろ帰るね。お母さん」
「うん!しおりありがとね」
妻は娘だけに声をかけた。
「お父さんお母さんとなんかあった?」「しおりお母さんに病気のこと伝えようと思う。明日3人でお母さんに話そう」「うん…」
その夜息子のはるきにその事を伝え、翌日3人で病院へ向かった。
「あら?みんなしてどうしたの?」
「はるき、心配かけてごめんね」
「いいよ!そんなこときにしなくて、体はどう?」
「うん。大丈夫だよ」
「春子今から大事な話をするからしっかりきいてほしい」
「…はい」
「春子の病気の事なんだけど…胃に癌あるらしい…」
「…」
妻はうつむいたまま動かなかった。
「…お母さん」
娘が声をかけた。でも妻は動かなかった。病室内に沈黙が流れた。そして妻は口を開いた。
「貴方、私は助かるの?」
「余命は1年らしい」
「…」
「ごめん。私がよぶまで一人にして…」私達は病室の外でまってる事にしました。病室内からは妻のすすり泣く声がきこてきました。病室の外に出てから1時間くらいたってから妻から
「貴方ちょっと来て下さい」
「どうした?大丈夫か?」
「はい…大丈夫です。正直にいってくれてありがとう。貴方も大変だったでしょ?はるきたちは大丈夫?」
「俺達のことはいいから春子は自分の体の事だけ考えて」
「はい…貴方も無理はしないでね」
私は会社も休暇をとったことも全てを妻に話しました。妻は複雑な表情をしていましたが、ニコッと笑ってくれました。そして私は週3回は病院に泊まることにしました。
「貴方、なんか二人きりなんて久しぶりだね」
「あぁ、そうだな」
「はるきたちは大丈夫かしら?」
「あの子達は俺達が思ってる以上に大人だから」
「そうですね。立派に育ってくれましたね」
「うん。春子のおかげだ。眠くはないか?」
「あなたの支えがあったからですよ。眠くないですよ。なんか久しぶりに二人きりだから嬉しくて」私は妻の手をギュッと握りしめました。
「あなたの手はいつでもあったかいですね」
「そうか」
「春子、絶対幸せにするっていったのにごめんな」
「…スゥ〜…スゥ〜」
「ねちゃったか…」知らない間に私も寝ていました。
病室に泊まるようになってから妻の顔はどんどん良くなってる気がした。たわいもない話しを夜遅くまで話、いつも笑いがたえなかった。そして余命宣告から一年がたとうとしたとき、私は医者によばれました。
「喜んでください。癌細胞が小さくなってきています。これは奇跡的なことです。この大きさなら手術すれば完治するでしょう」
「本当ですか?ありがとうございます」
「いえいえ私たちは何もしていません。旦那さんや娘さんたちが奥さんに負担をかけなかったからですよ」
私は急いで妻待つ病室へ向かいました。
「春子、手術すれば治るって」
しかし妻は思いもよらないことを口しました。
「私、手術は嫌…」
「…えっ!?…」
私は驚愕した。
「何を言ってるんだ?治るんだぞ。また前みたいにみんなで暮らせるんだぞ」
「でも嫌なの…怖いの…」
妻は手術をすることを拒否し続けた。
翌日息子達が妻の説得にいってくれた。
「お母さん手術うけようよ。私たちがいるから大丈夫だよ」
「……」
「お母さんは病気を治したくないの?」
「……」
妻は口を閉ざしたままだった。
「もう勝手しろ!」
はるきは病室から出て行った。
「お兄ちゃん…お母さんなんで黙ってるの?みんなお母さんのこと心配してるんだよ」
しおりははるきを追いかけて出て行った。
「春子さんはいい家族をもってますね」
「えっ!?でも手術のことで言い争いになっちゃって」
「なんで手術を拒否してるんですか?」
「……」
「すいません。こんなこときいちゃって」
「いいのよ。看護婦さん」
妻は看護婦さんに理由を話し始めた。
「私が入院してから、あの人仕事を休んで私の看病をずっとしてくれてるの。入院費だって結構な額になってると思うし、さらに手術費まで払う事になったらみんなに負担がかかっちゃうから」「そんなに気にしなくていいと思いますよ。皆さん春子さんが治ることが一番なんですよ。お金ならなんとかなるじゃないですか?でも旦那さんにとって奥さんは春子さんだけなんですよ」
「看護婦さん…ありがとう」
その日妻から電話が掛かってきました。「貴方、私間違っていました。みんなが言うとおり手術を受けます」
「そうか。わかってくれたか。じゃあ手術の手続きをしなきゃな」
手術は一週間後にきまりました。
そして手術当日
「お母さんがんばってね」
「うん。貴方いってきます」
「がんばれよ」
妻の手をギュッと握り、妻は手術室に入っていきました。
「お母さん、大丈夫かな」
「何言ってるんだ!俺たちが信じてあげなくてどうする」
「そうだよね」
そして6時間後手術は終わりました。
「先生、春子は大丈夫ですか?」
「手術は無事に終了しました」
「本当ですか?本当に本当にありがとうございます」
「お父さんやったね。これでみんな暮らせるね」
妻の病気も治り、普通の生活に戻りました。病気を乗り越え家族の絆がより深まった気がしました。
続きはまた書くのでまっていてください。