木枯らしの頃①
ご覧いただきありがとうございます。
本作は、実話をもとに再構成した「叩き上げ公務員」の半生を描くサクセスストーリーです。
学歴もコネもなく、定時制高校からスタートした主人公。
決して順風満帆ではなかった彼が、どのような葛藤や壁を乗り越え、霞ヶ関の本省、そして幹部へと駆け上がっていったのか。
実際の官僚機構や他省庁でのリアルな泥臭さ、そして人生後半での新たな挑戦までを丁寧に描いていきます。
働くすべての人、そして逆境から這い上がりたい人に届く作品になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください!
2学期の期末テストがやってきた。
街はそろそろクリスマスやお正月の準備で賑やかになり始める季節だ。
2年生になると進路によって「文系」「理系」、そして「就職」とコースが分かれる。
浩一は迷わず「文系」へ進む意思を固めていた。希望通りのコースに進むため、そしてその先にある大学推薦の枠を勝ち取るためには、何としてもここで結果を残さなければならない。
定員から溢れて、希望しない理系に回されるわけにはいかなかった。
そうして迎えた期末テスト。
手応えは、中間テストの時よりもずっと良かった。
後日返却された結果は、その感覚を裏切らないものだった。
順位表に記されていた浩一の名前の横には、「クラス3位」という数字が躍っていた。
思わずホッと胸を撫でおろしたものの、上位2名の顔ぶれが気になる。
浩一は桐通の席へ歩み寄り、声をかけた。
「桐通、どうやった?」
桐通は静かに自分の順位表を見せてくれた。そこにはしっかりと「1位」の文字がある。
「1位やんか! 凄すぎるやろ、もっと喜ぶとか自慢するとかしたらどないや?」
「いや、こうやって順位表に載ってるだけで十分やろ」
「相変わらずクールやなぁ……よし、廊下に貼り出されてる学年順位も見に行こうぜ!」
廊下の掲示板に張り出された学年順位表を確かめると、桐通は学年5位、そして浩一は学年14位にまで一気に躍進していた。
「お前ほんま凄いわ! 学年5位やで!? なんでそんな涼しい顔してられるん?」
「そりゃ、嬉しいのは嬉しいで?」
「全然顔に出てへんけどな! でも、俺も一気に順位上がっててめっちゃ嬉しいわ」
「川野はわかりやすいな。全部顔に出てる」
「素直って言ってくれや」
「……まあ、そういうことにしておくわ」
桐通はふっと表情を緩めると、順位表から視線を外して浩一を見た。
「成績もやけどさ、俺もお前も、これまで1日も学校休んでないよな」
「あ、そういえばそうやな。最近気になって見てたんやけど、クラスで無欠席なのって数人しかおらんねん」
「ここまできたら、お互い1年間の『皆勤賞』狙わへんか?」
「それええな! 絶対狙おう!」
勉強も順調、友情も深まり、まさに自分たちの背中に追い風が吹いている——。
浩一はそう確信していた。
しかし、そんな爽やかな季節の裏で、暗い影がそっと近づいていたのだった……。
ご覧いただきありがとうございました!
2年生への進路選択、期末テスト、そして「皆勤賞」への挑戦!
自分の目標に向かって一歩一歩進んでいる浩一と、それを当たり前のように高め合える桐通の友情が実に眩しい回となりました。
自分の努力が結果となって表れる嬉しさを噛み締める浩一ですが、人生そう簡単にはいかないようで……。
追い風のあとに待ち受ける「木枯らし」とは何なのか。
次回もぜひ温かく見守っていただけますと幸いです!




