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神を殺す旅に出る

アイザック・フォーチェルは、グラーヴァ・ネフィト・ガートランドという少女から「神を殺すのを手伝ってほしい」という突飛な依頼を受ける。あまりにも無謀な話に戸惑いながらも、彼女の真剣な態度に押され、ひとまず話を聞くことにする。


ネフィイと名乗る彼女は、神へ至る明確な方法までは知らないが、「信者→神官→神の御使い→十一神徒→神」という序列の存在を語る。特に十一神徒は神直属の精鋭で、各地の教会に散らばっているという重要な手がかりだった。また彼女は、神以外には興味がないと断言するほど、神への執念を持っている。


周囲には彼女が気絶させた人々が倒れており、ただし殺してはいないという。その異様さに違和感を覚えつつも、アイザックは最終的に依頼を引き受け、二人は協力関係を結ぶ。


しかしその直後、教会で騎士団に発見され、殺人犯と誤解されて戦闘に突入する。アイザックは拳による戦闘で騎士たちを圧倒し、ネフィイは大鎌で防具ごと斬り裂くなど高い戦闘力を見せ、二人で騎士団を制圧する。


戦いの後、ネフィイは教会の神像を破壊し、それによって神の力を弱められると説明する。確証のない行動に疑問を抱きつつも、アイザックは彼女の目的の一端を理解し始める。


そして互いに「レザ」「ネフィイ」と呼び合うようになった二人は、神を討つという壮大で危険な目的に向かい、長い旅へと踏み出すのだった。

歩いている道中、無性にネフィイが持っている大鎌のことについてずっと疑問を持ち続けていた


「その鎌っていつも持ち歩いているのか?」

そう問いかけると、ネフィイは

「そうですね。いつもと言われてみたらそうかもしれません」

と首を少しかしげながらにそう答えた。


「どうゆうことなんだ?」

ますます疑問を持ったから俺は深堀しようと問いかけた。


「まぁ、見てみればわかるかもしれません」

そう言ってネフィイは口を開けて大鎌の先端をパリッとかみ砕きながら口の中に入れた。


......?え?かみ砕いた

思考が一瞬止まった。


「……は?」


目の前で起きた光景を、脳が理解するのに数秒かかった。いや、理解を拒否していると言ったほうが正しいかもしれない。


ネフィイは、何事もなかったかのようにもぐもぐと口を動かしている。

金属だよな?あれ。どう見ても。鈍く光ってたし、刃だったし。少なくとも食べ物ではない。


「おい、それ……今、食ったよな?」

「はい、食べましたけど」

あっさり肯定された。


いや“けど”じゃない。けど、じゃないんだよ。

「いやいやいや、待て待て待て。なんで食えるんだよそれ!鎌だぞ!?」

「鎌ですね」

「そうだよ鎌だよ!!」


会話が成立しているようでしていない。というか、ズレている。致命的に。

ネフィイは少し考えるように視線を上に向けてから、こくんと飲み込んだ。


「……うん、今日はちょっと硬いですね」

「味の感想いらねぇよ!!」


思わず声が裏返った。

ネフィイはそんな俺を見て、ほんの少しだけ不思議そうな顔をする。

「そんなに驚くことですか?」

「驚くわ!!普通!!」


即答だった。

ネフィイは「そうなんですか」と小さくつぶやくと、今度は自分の手元――さっきまで鎌があった場所を見た。

……が、そこにはもう何もない。


「ほら、なくなりました」

「いやそうだろうな!?食ったんだから!!」

「でも大丈夫ですよ」


そう言うと、ネフィイは自分の喉元に指を当てて、少しだけ集中するように目を閉じた。

次の瞬間――

ぞわり、と空気が震えた気がした。


ぞわり、と空気が震えた気がした。

次の瞬間、彼女の指先から“何か”がせり出す。

——それが鎌だと理解するのに、ほんの一瞬遅れた。

さっきまで噛み砕かれていたはずの、大鎌。

刃も柄も、傷一つなく元通りだ。


「……は?」


またも驚きが出た。

ネフィイはその鎌を軽く持ち上げて、くるりと回してみせる。


「私の血を通しているので、戻せるんです。なので持ち歩いているようで、持ち歩いていないんです」

「いや意味わかんねぇよ……」


頭を抱えたくなる。


「つまり、あれか?食べて収納してるってことか?」

「そんな感じですね」

「そんな感じで済ませるなよ……」


ネフィイは少しだけ嬉しそうに鎌を撫でた。


「便利ですよ?」

「便利さの方向性がおかしいんだよなぁ……」


便利とか、そういう話じゃない。

こいつは、そもそも俺と同じ側の生き物じゃない気がした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


「神を殺す」という物騒な話ですが、まずは二人のズレたやり取りを楽しんでもらえたら嬉しいです。ネフィイのことや世界の仕組みは、これから少しずつ明らかになっていきます。


それでは、次の話で。

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