幕開 とあるプレイヤーの証言
MMOと言えば何を思い浮かべるだろうか?協力プレイ?レイドボス?PVP?
ならばVRMMOと言えば何を思い浮かべるだろう
数多とある創作の中から共通したものを言うとするならば圧倒的自由、そしてなによりもそれを彩る突出したプレイヤー
もしくは主人公と呼ぶ
「――あぁ、あいつはヤベえって」
「マジでそれ、なんなんだよあの火力」
ただしそれはあくまで創作上の物、たった一人ユニークと表され特別視されるプレイヤーが一人居るとしよう。
そんなゲームを、ましてやMMOを配信して誰が喜ぶ?馬鹿馬鹿しい、と業界の一般人は口を揃えて言うだろう。
絵空事なのだと。
「そこのブラザー!」
「……うん?」
ならばこの世にたった一つとして存在するVRMMO、『パンゲイアオンライン』ともなればどのようにして自由の上に小説も驚きのユニークの存在を成り立たせているのか。
「その話、詳しく聞かせてくれるかい?」
「――チイッ、あんたもアマミ狙いか」
「そう言うなよブラザー!君だって一回は取材してやったろう?古い友人の頼みを聞くと思って、な?」
言ってしまえばこのゲームに突出したプレイヤーは居ても特別なプレイヤーは居ないのだ。
「調子のいいやつだな……しょうがねぇ、教えてやらあ」
全員がユニーク、それがこのゲームの運営が提示した答え。
数えきれないジョブとサブジョブ、更には種族や武器の組み合わせによって実質無限にも近いビルドを生み出した運営は実に狂気的と言える。
「俺も良く研究できなかったが一つ言える事があるさ、あいつは馬鹿げてるってな」
「……どういう風に?」
例えばこのプレイヤーは確かユニークモンスター狩りギルドに所属している筈だ。
ビルドは超遠距離からの狙撃に特化した物、更には隠し球に必ず一発は確定で攻撃を与えられる中堅プレイヤー
超遠距離、といってもただ彼のようなプレイヤーは少ない。なにが起きても攻撃が当たった、と言う事象を引き起こせるのはたった一握りだからだ
小説や漫画ならメイン級の活躍ができるであろう彼であってもこのゲームとなれば数えきれないほど居るプレイヤーの一人でしかない。
「あの系統のビルドは珍しすぎる」
「超火力特化のロマン砲だったか、一見すると普通のビルドに見えるが?」
それでも彼を一般人と呼ぶには些か表現力が足りない、先人の言葉を借りるとすれば
――このゲームを一定水準までプレイしたプレイヤーに一般人は居ない、皆等しくと逸般人なのだ
「あれはな……LUCビルドだ、あのクソ見たいなデメリットを踏み倒してでも上がってきた異常者だ」
「面白い、詳しく聞かせてくれ」
ただどこにも居るものなのだ、才能だとかじゃ説明のつかない異常者と言うものは。
ほぼ全ての攻撃を実質的に無効化するタンク、レイドボスすらもテイムして見せたテイマー、全くもって新しい魔法を開発してしまった廃人。
人の業次第でなんとでもなる、だからこのゲームは楽しい。
「もういいけど、情報料は頂くぜ?あれは確か――――」
「――ありがとう、良い取材になったよ」
「へいへい、精々良い記事にしてくれ」
白いローブに悪魔の角を持つLUCビルドの魔法使い、か。LUCビルド自体注目はされてきたが今一と言う評価だった筈だが、ついにそれすらも凌駕する奴がやって来たか。
今居るのは例の戦争が起きた場所の近くではあるし、運良く本人と会えないか?
そうそう、適当に森に出たら居るなんて
「――『運気解放』」
俺はいつ一級のフラグ建築士になった?
なにか無いかと森に出ただけだというのに、今日は運が良い!
バンッと鳴った爆発音と共に森を焼いた魔法使い、白いローブに悪魔の角。
間違いない、やつだ。
「あーくん、なにやってんのー!」
「ごめん、やりすぎた――あ、やっべそこの人ダメージとかありません?」
全身の毛が逆立つ感覚、ああこれこれ。面白くなってきた!
「全然、まったく問題ないよブラザー……ちょっと、取材をしてもいいかな?」
執筆初心者です、暖かい目で見守ってくれると助かります。誤字報告や改善点などもすごく助かります
Ps.
現在二十話までは書き貯めがありますφ(・ω・*)




