第8章 地下農園ドタバタお手伝い!
「はいこれっ! 華ちゃんはこっちの畑でトマトの収穫!
まどかちゃんは奥のビニールハウスでハーブ摘み!
柚葉ちゃんは……もう言わなくてもわかるね?」
農園のおばちゃんは、まるでベテラン店長のように、テキパキと指示を出す。
「わ〜! なんか修学旅行みたいだねっ!」
柚葉は既に両手にバケツを抱え、畑のイチゴを次々に摘みつつ、その場で味見している。
「それはお手伝いじゃなくて食べ放題だろ!!」
まどかが遠くからツッコむが、すぐに自分もハーブの香りに癒されて笑みがこぼれてしまう。
華サイド
「よーし……トマト……トマト……」
言われた通りに赤く熟したトマトを一つずつ摘んでいく華。
しかし――
「……ぷにっ。」
指の間から熟しすぎたトマトが潰れ、真っ赤な果汁が勢いよく飛び散る。
「きゃああああっ!? スカートがぁぁぁ!!」
近くにいたまどかに果汁が直撃。
「ちょっと華!! どこにトマト飛ばしてんのよ!!」
まどかサイド
ハーブ摘みも一筋縄ではいかない。
「……どの葉が食用でどの葉がダメなのか分からん……全部似てる……」
うっかり摘んだ謎の葉っぱを鼻に近づけ――
「うっ……くさっ!!」
「まどか〜! それミントじゃなくて、肥料用の臭草だから〜!」
おばちゃんの声が遠くから飛んでくる。
「先に言ってよぉぉぉ!!」
柚葉サイド
「へへ……イチゴ……イチゴ……あっちも赤い……」
夢中で食べながら摘みながら、気がつくと農園の一番奥に来てしまっていた。
ふと見ると、木陰にひっそりと小さな扉が立てかけてある。
「……あれ? 扉……?」
一方、畑の中心ではおばちゃんが高笑いしている。
「いや〜助かるわぁ〜! 若い子は働きが違うねぇ!」
だが、華とまどかはすでに泥だらけ&果汁まみれ。
「ぜぇ……ぜぇ……わたし……都会の女子高生なのに……」
「うん……ここどこ……地上どこ……」
その頃、柚葉は――
「……扉の向こう、なんか涼しい風が……出口かな……?」
扉の前でスプーンを握りしめたまま、そっとノブに手をかけた――。




