第6章 地下のさらに地下へ! 滑り台の罠
「こちらが……特別試食室です……」
怪しい店員に案内されて、三人はアイス屋のカウンター裏のドアをくぐった。
そこは――意外にも、ピカピカの白い部屋だった。
床はつるつるのタイル張り、壁には謎の大きな冷蔵庫が並び、奥にはお洒落な椅子とテーブルが三つだけぽつんと置いてある。
「……あれ? 意外とちゃんとしてる?」
華が首をかしげる。
「な、なんか無機質すぎて逆に怖いんだけど……」
まどかが小声でつぶやいたその瞬間――
「お嬢さんたち……こちらへお座りください……」
怪しい店員は背後で鍵を カチャリ と閉め、にたりと笑った。
三人が渋々テーブルに腰を下ろすと、店員は壁の冷蔵庫を開け、真っ白なカップを三つ並べた。
「こちらが……裏メニューの……
『極寒ジェラート・ディープダウンスペシャル』 です……」
「なにその中二病みたいな名前……」
まどかが即座にツッコミを入れたが、柚葉はワクワクが止まらない。
「やった〜〜!! どれどれ……!!」
スプーンを突っ込もうとしたその瞬間――
ゴゴゴゴゴ……!!
床が震えた。
椅子ごとテーブルごと、床のタイルがズルリとスライドし、
三人の座っていた足元が、ぽっかりと大穴を開ける。
「ちょっ――ちょっと待って!? ええええええ!!!??」
ズサァァァァァァ――――!!!
三人は悲鳴を上げながら、床下の巨大な滑り台を猛スピードで滑り落ちていった!
「わああああああああ!!!!!」
「なんで滑り台なのぉぉぉぉ!!!」
「柚葉ぁ! スプーンは離せぇぇぇぇ!!!」
視界を流れる謎の光、カラフルなパイプ、風を切る音――
滑り台はどこまでも曲がりくねり、まるで地下迷宮の血管のようだった。
そして――
ドッシャーン!!
気がつけば、三人はドサッと柔らかいマットの上に投げ出されていた。
見上げると、そこはうっすら水蒸気の立ち込める、まるで巨大な地下温室のような場所だった。
「……ここ……どこ……?」
頭から崩れ落ちた華が、目をぱちぱちさせる。
柚葉はまだスプーンを握りしめたまま、無事を確認。
まどかは――マジ泣きしていた。
「……お願い……もう……地上に……帰りたい……」




