第10章 蠅野レイの地上大冒険 〜地下限定スイーツをかけておバカ試食バトル編〜
奇妙すぎる地下ショップ街を
無邪気に駆け回る
まどか・華・柚葉、そして蠅野レイ(イケメンVer.)。
その中で――
ひときわギラギラ光る看板を発見。
【地下スイーツ王決定戦】
〜味覚と胃袋の限界に挑め!〜
「……スイーツ……王……?」
蠅野の複眼(イケメンVer.)が
一瞬でギラギラと輝いた。
「……参加するしか……ない……!」
「ちょっと待って蠅野さん!?
あんたが出るの!?」
「当然です!
地上でも地下でも、
甘味を制する者こそが――
真のハエ!!」
何を言ってるかは理解不能だが、
3人は面白そうなのでOKした。
【会場】
屋台が立ち並ぶ特設会場。
観客は謎の地下住人や、
通りすがりのスライム、
果てはマッサージスライム店のマスターまで。
テーブルの上には――
伝説の地下限定スイーツ
『幻のミルフィーユタワー』
『溶岩プリンボム』
『影のアイスケーキ』
などなど、見るからに胃もたれしそうなスイーツの山!
ルールはシンプル。
制限時間5分以内に、
より多くのスイーツを完食した者が優勝。
「優勝者には――
伝説の地下スイーツ『永遠のモンブラン』が贈呈される!!」
司会のカラス人間が高らかに宣言した。
蠅野の背中の翅がブォンと鳴る。
「……全てはこの時のために……!!」
「よーし! あたしも参戦する!!」
柚葉が先に手を挙げる。
「……私も……見てるだけじゃつまんないし……!」
華も覚悟を決めた。
「えぇぇぇ……胃薬持ってないのに……」
まどかも流れで参戦。
こうして――
人間女子高生3人 VS イケメン蠅野(中身ハエ)
前代未聞のおバカ試食バトルが幕を開けた!!
スタート!
「うおおおおお!!!」
蠅野がミルフィーユを手刀でカットし、
一瞬で丸呑み!
「負けないっ!!」
柚葉はプリンボムをスプーンですくい、
華はアイスケーキをナイフで切り分けながら
ハイペースで胃袋に放り込む!
「……うっ……甘すぎ……」
まどかはすでに意識が朦朧。
しかし蠅野だけは――
「甘い! もっとだ!
さらに甘味を私に!!!」
背中の翅をブンブン鳴らして
物理的にスイーツを攪拌しながら
超速度で完食していく!
残り30秒
「……ぐ……お腹が……」
柚葉の手が止まる。
華も顔が真っ青。
まどかはテーブルに伏して寝た。
「勝った……勝ったぞ……
これで……私こそが真のスイーツ王……!!」
蠅野の腹(というか体全体)が
ぷくぷくと膨らんでいく……。
しかし――
「……うっ……うわぁぁぁぁぁぁ……!!」
一気に食べすぎた蠅野、
背中の翅が完全に機能停止し、
ぷるぷると倒れ込んだ!!
結果発表
優勝者――
まさかの残った一人、寝落ちしたまどか
「……え、えっ……私……勝ったの……?」
寝起きでモンブランを受け取るまどかと、
倒れた蠅野の哀れな寝言が
地下ショップ街に響いた――。




