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「新宿迷宮女子高生」   作者: 南蛇井


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16/35

第16章 さらなる迷宮の深みに そして正体バレる

蠅野レイ――

黒スーツの完璧な立ち居振る舞いで、三人を迷宮の奥へと導いていた……はずだった。


しかし――


「……おかしい。」

まどかが眉間にシワを寄せる。


「ずっと同じ場所ぐるぐるしてない……?」


壁には、先ほど自分たちが落書きで残した

『華参上♡』の文字が、うっすらと光っている。


「……あれ? 出口って……?」


華が不安そうに蠅野を見る。


蠅野は汗をかいた額をハンカチでぬぐった。


「……だ、大丈夫です。

すぐに……すぐに出られますので……」


「いや、汗の量おかしいだろ。」

まどかが冷たい視線を送る。


「それに……ずっと聞こえる『ブーン』って音……」


柚葉が小声で言った。


蠅野は、スッと指で自分の襟元を押さえたが――

ついに――


「バサッ!!」


スーツの背中が破け、そこから――

透明の翅が二枚、ブブブブッと震えながら露わになった!!


「……あ、ああああああ!!!

羽だ!! ハエだ!! こいつハエだ!!!」


蠅野は観念したように、涼しい顔で微笑んだ。


「……申し遅れました。

実は私は――

『人化の術』で人間に擬態していた蠅でございます。」


「やっぱりハエかぁぁぁぁぁ!!!!」


柚葉はショックを受けつつも、

蠅野の翅を掴んでぶんぶん振り回す。


「嘘つきー!! でも好きー!! でも嘘つきー!!!」


まどかと華は絶句していた。


その時、迷宮の壁が突然崩れ――

巨大な空間が現れた。


そこには、無数の光る道が蜘蛛の巣のように絡まり合っている。


「……まさか……」


蠅野は青ざめた顔――いや、青ざめた複眼で呟いた。


「ここは……『迷宮の最深域』……

私も入ったことのない……最も危険な層です……」


まどかが頭を抱える。


「お前が間違えて連れてきたんだろがーー!!」


華が泣きそうな声を上げる。


「わたしたち……帰れないの……?」


柚葉だけは、蠅野の翅をぎゅっと握りしめ、

ちょっとキラキラした目で叫んだ。


「蠅野さん! ハエでも好きだから!

責任取って絶対に出口まで連れてって!!」


「……お嬢様……!」


人間ハエと女子高生たちの、

果てなき迷宮最終脱出劇が――


今、幕を開ける――!!!

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