第15章 蠅野レイの正体が徐々にバレる!?
「……こちらです、お嬢さん方。」
蠅野レイの低く艶のある声が、白い迷宮に心地よく響く。
三人はフラフラになりながらも、彼の背中を追いかけていた。
「……すごい……何百本も道があるのに、迷わないなんて……!」
華が感心していると、
「……蠅野さんって……普段は何してるんですか……?」
柚葉がうっとりと聞いた。
蠅野は後ろを振り返り、魅惑の微笑みを浮かべる。
「私は、迷える者を出口へ導く存在です。
いつもこうして……誰かを導いています。」
「……あのさ。」
まどかがそっと華に耳打ちした。
「気のせいかもしれないんだけど……あの人、時々『ブーン』って鳴ってない?」
「え……言われてみれば……」
二人がじっと蠅野の背中を見ると、
彼の襟元から何やら小さな翅のようなものがピロリ……と覗いていた。
「……あの……蠅野さん……背中のそれ……」
華が勇気を出して指を差した。
「おや……これは失礼。」
蠅野はスッと襟を整え、翅を隠す。
「少々、羽織りが乱れてしまって……気にしないでください。」
「……羽織り……?」
しばらく歩くと、迷宮の壁に沿って
小さな液体が点々と落ちているのに気付いた。
「……これ……」
まどかが指でそっと触って匂いを嗅ぐ。
「……くさっ!?」
華も鼻を近づけて青ざめる。
「えっ……これって……ハエが止まったときに……」
「……蠅野さん。」
まどかが睨みつけた。
「あなた……ハエじゃないの?」
蠅野は一瞬だけ固まったが――
すぐにキラリと笑った。
「お嬢さん……細かいことは気にしない方が……
人生、楽しいものですよ?」
「ごまかした!!!」
しかし柚葉だけは、鼻を真っ赤にして怒鳴った。
「違うもん!!
蠅野さんは蠅野さんだもん!!
ハエでもイケメンはイケメンだもん!!」
案内人の正体が露呈しつつある中――
三人と一匹(?)は、ついに迷宮の最後の扉へと辿り着こうとしていた――!




