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(旧:幻惑のアレース)10年間森の中でじっちゃんに稽古をつけられたあと、友達を作ってこいと能力者の学園に入学させられた  作者: MRプロジェクト
<< 1章 2節 >>【炎天無比】

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#18【炎天無比】<< 無意識の呪縛 >>

前話、#17【龍虎相博】<< 玄武体 >>

にて一部内容を変更しました。

大変ご迷惑をおかけします。


以下、変更点となります。


【変更内容】

○翡翠剣の重量感を明記

・握って持ってみれば、異様にずっしりとした重みを感じた。少し高いところから落とせば、簡単に床が抜けてしまうのではないかと思える重さ。と表記。


○赫糸による、腹が爛れた強烈な攻撃を受け止める際に使用した肉体強化度合い

・6式での耐久→5式での耐久


○簡単な事の準備として発動させた肉体強化。

・7式で発動→6式で発動

囚われがちな空間の隔壁による移動の制限。



それは俺も例外ではなかった。



ーーどの程度の力を発揮すれば避け切れるか。何歩で動くべきか。赫糸を攻撃は出来ないのだろうか。翡翠鍾をうまく使えないのか。避けた次の最適な行動は何か。赫糸の次の動きは何か。赫糸の動きの目的はなんなのかーー


さっきまでずっと無限を思考し、悩みに茹だっていた。


それも、構成されていく状況はあくまであの通路上で完結していたものだ。


赫糸によって行動の制限をかけられていることもあり、発想に自由性がなかった。


そんな中思い出す、空間の認識について。


自身が真っ先に辿り着いていた考え方なのに、それに気づけたのが切羽詰まった危険な状態。


発想というのは、あくまで一時的なひらめきでしかなかった。常に意識をしていなければ、行動は無意識の条理に縛られたままになってしまう。



無意識。



つまりは経験値の集合体。


それも【この判断が結果として良いものである】と体が覚えた、ある意味無駄のない良質な経験の塊。


培った知識であり、学んできた集大成。


逆を言えば、過去に囚われ、新しいものを取り入れられない、思考柔軟性のない古い部分。



いや……そう評するのは、甘えか。



単純に、俺の素体能力である「思考の柔軟性」や、戦いにおける「次の為に考えを保持する意識」が欠けているだけの話。



要は、俺はまだ、何かが甘い。



ドバンッと、床に深い亀裂を作り上げ降り立つ、一つ下の階層。


すぐさま見上げる天井。


穴の隙間から赫糸の姿は伺えないが、移動する音が聞こえなかった


(この上あたりにまだいる)


睨む天井。

力ませる体。

軋み、爆ぜた床の木の板。

剥き出しになる、崩れ落ちていきそうなまでに砕けた石材。



同時。



跳躍。



手に届いた天井。



天井は全体を照らすシーリングライトだった。



それすらも躊躇いなく殴りあげる。



「ぬ"ぁ"ああ!!!」



激しく点滅し、シャットアウトしていく光の道筋。


爆裂した空模様は開放的な様相へと一変する。


激しく散り飛ぶ天井と、上の階の床を成していた瓦礫の大粒の豪雨。



一瞬捉えた、体勢を崩した赫糸の姿。



しかし、見えてすぐに赫糸は穴の際を掴んで上階層にとどまった。


(……まぁいいや)


それを追うように素早く穴の縁を蹴り、階層を上がる。


巻き上がる煙幕と、パラパラという軽やかな音の雨。


それを耳に聞かせながら目を開く。


歩幅にして大人の大股10歩分。


対峙するは赫糸凛夏。


静止し、張り詰める緊張感に睨みをきかせ合う空間。

そこに水を差したのは、赫糸だった。


「あんたのその姿、なんかキモイ」


口を開いたかと思えば、そんな事を言う。


「酷い物言いだな」

「あとなんか声も野太くない? 虫唾が走るわ」

「……そんなことを言われてもな」

「普段の声と細いイメージのせいでしょうけど……。まぁなんであれ、細い方がいいわよ」

「……それはこの形態が強いからやめてって意味と捉えていいのか?」

「いい訳ないわよ! その程度でふざけないで!! ただあんたがキモくなったのが嫌なだけ!!」


そう声を張り上げると、赫糸は剣に氷の刃を纏わせて駆け出した。


その刀身は氷の刃によって長さが引き上げられ、腕2本と半本分に伸びていた。


この廊下の中央に立ってギリギリ横に振り回せる長さである。



強烈な勢いで振り下ろされる氷結の円弧。



それを剣の腹で受け流す中でガラ空きの腹に隙を見出し、グンっと力一杯に膝蹴りを打ち込む。


その膝と接触する瞬間、赫糸があの変な動きで視点を固定したまま後方へと逃げた。


「ふ"ん"っ"」


でも、逃がさない。


更に1段階強化された肉体と、玄武体という一挙手一投足に長けた性質。


瞬間的な速度と火力は、どの形態よりも速くて強い。


「ぅ"ぐっ…」


ズドンっと赫糸の全身に走った、激しい波の様な衝撃。


そして赫糸に起きた一瞬の、ほんの一瞬の硬直。



そこを俺は見逃さない。



頭部を鷲掴み、壁面目掛けてドンッと力一杯に押し付けてすぐ、剣を両手で握り振り上げるーーその瞬間、ミキサーの刃のように激しく回転し、赫糸はその場から離脱した。


「危ないな、腕切れるところだったんだけど」

「死ね!!!」

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