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(旧:幻惑のアレース)10年間森の中でじっちゃんに稽古をつけられたあと、友達を作ってこいと能力者の学園に入学させられた  作者: MRプロジェクト
<< 1章 2節 >>【炎天無比】

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#4【能力社会の歴史と2大事件】

ノートの書写しも佳境に入った。

残すところあと少し、踏ん張りどころである。



【能力者の発生年代について】


能力の歴史は昨今始まったばかり。

過去に前例はなく「2025年4月1日」に能力者の発生を確認。これを歴史上初とし「第一能力者観測日」とした。


2025年4月1日を皮切りに、能力者は増加していく。



「ワンポイント」

初めて能力が発見された場所は人口の多いインド。

能力を行使したのは生まれたばかりの赤ちゃんで、能力は栄養価の高い綺麗なミルクを生み出す能力だった。


一説には、その人がその時に望んだものの中で最も近い能力が発現するというものがある。



【能力者発生年代表】

○2025年4月1日 「第一能力者観測日」

○2025〜2026年3月31日

「能力は産まれてくる子に多く発現した」

「後発的発現は少なかった」

○2026年4月1日〜2033年4月1日

「世界人口の28%が能力者になる」

○2033年4月1日〜2040年

「世界人口の53%が能力者になる」


*能力者数の増減は今後も横ばい

*能力は先天性のものと後天性のものがある。



【能力者犯罪について】

能力者による能力を用いた犯罪行為、または、能力者を教唆、利用した非能力者による犯罪行為。


歴史的に能力が観測されてからすぐは能力の登記義務がなく、国によって管理されていなかった。


この登記義務のなかった期間は、能力に関連して発生した問題に対処する公的サービスなどがなかったこともあり、赤子や子供を中心とした能力の事故や事件が多発していた。



また、今ほど能力の管理体制が整っていなかった頃に発生した歴史的事件が2つある。


1つ。渋谷駅周辺全焼爆破能力者事件。

2つ。大阪都心水没湖能力者事件。



○渋谷駅周辺全焼爆破能力者テロ事件


発生日時 : 2026年12月24日 午前7時30分

・計14名によるテロ事件

・死者約26万人

*対能力者抑制組織(Anti-ability suppression organization)、通称ALNO結成後

能力発現から翌年、2026年12月24日に無能力者である木通孝宏(あけび たかひろ)が首謀した計画的な犯行。


【詳しい状況】

電車や車が入り乱れる人通りの多い時間に停電を起こし、移動や通信機能を一時的に破壊してから渋谷駅を爆破。次いで周囲の建物を爆破し崩落させた。


更に広範囲に渡って炎の能力を行使。

風の能力で火の勢いと範囲を急速に拡大させ、ものの30分で渋谷区を焼け野原にした凄惨な事件。


対能力者抑制組織(Anti-ability suppression organization)、通称ALNOが緊急出動。

現場を鎮圧し、消化に至った。


首謀者含め14名には死刑が言い渡された。



○大阪都心水没湖能力者事件

発生日時 : 2025年8月31日 午後14時52分

・首謀者不明

・死者約128万人

*対能力者抑制組織(Anti-ability suppression organization)、通称ALNO結成前


【詳しい状況】

発生時刻は午後14時52分。大阪府庁を中心に地盤の陥没が始まり、周辺25kmが縦20kmほど窪んだ。


そして、それを覆う大きさの水の球体が出現。

直後落下し、都市を水没させる。


窪みから勢いよく溢れた水は8m程の津波として周辺へ勢いよく広がり、住宅地を破壊。津波による死傷者も出ることとなった。


現在も事件の痕跡は残されており、三大都市とされていた大阪はその名を潜めることとなった。



「ワンポイント」

○「ALNO」は大阪都心水没湖能力者事件後の9月15日に、前身であった「能力者警察部隊」を組織化し、結成したもの。


○これを期に能力発動時に発生する特有の粒子の歪みを観測する装置を、都市や区に用いれるようにする為大型化に着手。世界の研究チームと共同開発し、2029年に試験運用の開始。2031年に都市部を中心に順次設置した。



【能力について】

能力行使に際して、一般に使用される用語は5つ。

【効果】【位相】【疲労】【出力】【能力限界】


○効果

・能力の行使に際して発生する現象の事細かな情報を指す。一般に、能力の統計を取り、複合的な判断の元明確にする。


○位相

・類似性の高い能力を同条件下で行使しても、効果を比較した時に差異が生じていること。

・効果の唯一性とも言う。


○疲労

・能力の行使によって肉体的・精神的体力を消費する事。出力が高いほど肉体的、精神的体力の消費量が増加する。

・疲労の蓄積に応じて能力の効果や出力に変化が生じる。


○出力

・行使する能力は可変的であるとし、その変化における強弱を出力とする。


○能力限界

・能力には疲労が蓄積される性質があり、これが限界まで蓄積されると一時的に能力が行使できなくなる。この状態を能力限界としている。

・能力の使用回数や出力に応じて蓄積される疲労の度合いは変化する。



【能力所有数】

「%は能力者の世界人口をもとに算出されている」


○1つ ー 70%

○2つ ー 25%

○3つ ー 5%

○4つ以上 ー 未確認


*後発的な能力の発現の場合、低い確率で同時に2つ目を獲得する機会がある。



そこでノートは終わっていた。

それはつまり、勉強の終わりを意味していた。


「あぁ……つかれたぁ……」


疲労困憊、脱力必至の体を机に引っ付けて、俺は実は液体なんだと言い聞かせる。


そんな折り。


「おーい、お疲れのところ悪いんだけどもう19時だから教室閉めさせてー」


橋田先生がやってきた。


ホログラマーを見てみれば確かに19時を指している。


(そうか。ほぼ2時間もぶっ続けで勉強してたのか)


とはいえ、ノートを書き写していただけ。

複写する量が多いからあまり覚えようとしなかったこともあり、疲れながらもなんとか続けられたのだろう。


それでもやり遂げた自分を褒めてやりたい気持ちは変わらない。


重たい体を持ち上げて机を直し、みんなと一緒にゾロゾロと教室の外へ足を踏み出していく。


「おつかれハッシー」


そんな中で、古賀くんがそんなことを言いながら橋田先生の隣を通った。


「古賀くん……それいいねっ」

「え、まさかの受け入れてくれるパターン」


それから各々先生に感謝と別れの挨拶をして帰路に立つ。外に出れば空はもう真っ暗だ。

街灯がそこら中で光を発してくれているお陰で学園自体は暗くないが。


「よーし! 私は蘇我さんのリムジンを拝みにいくぞー!! 絶対にぃー! 絶対にだー!!」


意気揚々と声を上げる青峯さん。

子供のようにはしゃぐ様子は、昨日の灰田さんのようだった。

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