(41)あとがき
『こちら私設ダンジョンレスキュー事務所』に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本作は如何だったでしょうか。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
さて、ここでは本作の裏話や制作秘話みたいなのを少々話そうかなと思っています。
まず本作のコンセプトですが、
「『現代』x『ダンジョン』=『配信メイン』じゃなくても良いんじゃないか?」
という脳内ご意見から始まり、それなら配信者を裏から支える人の話とかどうだろうって事になりました。
また既にお気付きの方も多いかと思いますが、
石塚真一先生の『岳』からダンジョンでもレスキュー活動ってありじゃないかと思い至りました。
もちろん、本作は『岳』のパロディでもなければ内容をパクっても居ません。
というか『岳』ほど素晴らしい内容に出来る程の文才が私にはないのです。
タイトルに「事務所」とありますが……全然事務所っぽい事が出来なかったですね。
当初の計画ではミスティに行っていた護衛契約をもっと多岐に渡って展開する予定だったんです。
プロットは脳内で幾つか映像化されていたのですが、いざ文章にしようと思うと堅苦しいものになってしまって、これはダメだなと早々に没になりました。
エンディングの構想について
本作のエンディングがいつ決まったのかというと、多くの方が国営レスキューの話が出た頃かなとお思いでしょうが実は違います。
そもそも国営レスキューの話は当初、第10話のタイミング(約1か月前)で執筆していた話で、国営化して即破綻してやっぱり民営で行こうってする予定だったんです。
でも国営化はちょっと話が大きいよなって事でずずいと後の方に回されました。
後に回した時もまだこれがエンディングに向かう話だとは一切思ってなく。
そしてエンディング案だけで言うと
・主人公がダンジョンの最深層にチャレンジする(どこかで聞いた話ですね)
・ダンジョンの最深層から救助要請が主人公の元に届く(やっぱりどこかで聞いた話ですね)
・ダンジョンのモンスターが地上に溢れ出して、それを殲滅する
などがあったんです。
だけど何というかそういう劇的なものは、それこそ他の配信メインの作品に任せてしまえば良いじゃないかと思ってしまった結果。
・日常エンド
これだなと思い至った訳です。
ただこの日常エンドには大きな罠が。
例えるならサザエさんのように何年経っても年取らない作品のように、これが最後っていうタイミングが無いんです。
自分でもこのままどこまで続くんだろうかと不安になったりしました。
そんな中。
第40話を書き始め、1行目を書き終えたところで気付いたんです。
「あ、これ最終話だ」
って。
いやこれ本気なんです。
その1行目を書き始めるまで全然終わらせる気なんて無くて、この先どうしようかな~とか考えてたんですよ。
なのに気付いてしまったらもう他のルートは消滅して、どう最後を飾ろうかの1点張りです。
後から読み返すと国営化からエンディングまで他にどうしようもないだろうって思うんですけど39話を執筆中は全くこれっぽっちも次で終わりにしようとか考えて無かったんです。
お陰でそれとなく埋め込んでおいた伏線は掘り起こされないままになりました。
相変わらずの行き当たりばったり、というよりも天から答えが降ってくる感じです。
まさに天啓。
(これに全部の運を持って行かれてるせいか、くじ運などは悪い私です)
そして次回作についてですが。
まだ未定……改め。
ジャンルは異世界恋愛orヒューマンドラマ(恋愛要素が少ないので)になりました。
タイトルは
『「あなたも早く婚約破棄なさったら?」って大きなお世話よ!』
https://ncode.syosetu.com/n8236io/
田舎出身の少女が貴族学院を起点に楽しく駆け回れるお話になればいいなと考えています。
内容はいつも通り真っ白です。
どんな展開になるか作者も分からないので執筆しながら1読者として楽しむ予定です。
それでは。
また次の作品でお会いしましょう。