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双生のインプロア  作者: クロレキシスト
一章:梟の秘めたる事の顛末
17/34

EP17:女番長と後悔と六色セットの機関銃


          《1》


 物部千尋は《焚書図書館リコール》の前に、《異類(いるい)隔離区(かくりく)オースト》と呼ばれる場所に在籍していた。

 その場所は《妖魔世界》と呼ばれる、《冥界》と《基礎世界》の間にある世界にある。そこでは《サイダーズ》の第五座、『異族殺しの九尾狐』こと《エソノサイド・ナインテイルス》、通称「クミホ」による統治が敷かれていた。

 ここでは《天界》にも《冥界》にも行けなかった死者の魂や付喪神、さらには特殊な体質や《ツインズ》のせいで《基礎世界》での生活が肩身の狭いものとなってしまった人間が暮らしている。それは《基礎世界》で怪異騒ぎが起きないためであり、そういう意味では《焚書図書館》と似た目的を持って活動している組織だった。

 当然、付喪神のチヒロもその一人だったのだが、ある事件によって、彼女は《異類隔離区》を追われることとなった。

 この区域においては、人間やそれに準ずる存在は《傾奇衆(かぶきしゅう)》、動物の霊をルーツに持つ者は《獣者衆(けものしゅう)》、元々の姿が生物でなかった霊や物怪は《付喪衆(つくもしゅう)》という名前で区別される。

 その《付喪衆》の中で最も強いとされていた付喪神が、《異類隔離区》に反旗を翻したのである。

 その付喪神の名は、「エマ=スタフティ」。その身に『模倣』の啓示を持つ《ツインズ》、《メモリー・イミテーション》を宿し、様々な人間の容姿を借りて生きてきた、呪いの西洋人形だった。

 ゴシックロリィタ調の服装と、腰まである銀髪。そして、まるで血液を固めた宝石のような真っ赤な瞳が特徴的だった彼女は、《異類隔離区》のあり方に疑問を抱き、《付喪衆》数人を手にかけ、さらには主人であるクミホにすら武器を向けた。

「今の《異類隔離区》は間違っています。私たちが真に叶えるべきなのは、人間と異類が手を取り合う世界なのではないのですか!?」

 それが、エマ=スタフティの持つ思想だった。だが彼女の叛逆はクミホによって鎮圧され、エマは《異類隔離区》を追放された。


 ……もう気づいている人もいるかもしれないが、この事件で「殺害された」という《付喪衆》の一人が、物部千尋である。

 エマによって殺害されたかに見えたチヒロら数人は、実際には人間の外観から付喪神としての核を抜き取られた状態だったのだ。

 この「人間の外観」というのは、チヒロの言うところの「特殊な手術」によって授かるものだ。《焚書図書館》に保存されている「存在を抹消された人間」の情報もとに人間のボディを作り、そこに「付喪神と化した物品」、チヒロを例にするならカラーペンの部分をその肉に埋め込む。そして、人間そっくりの《付喪衆》が完成するのだ。

 この「付喪神と化した物品」が核に当たるわけで、要するにチヒロら数人は、こういった肉に埋め込まれた人工物をほじくり返された状態で見つかった。

 再び核を肉に埋め込み、一命を取り留めたチヒロ。だが彼女を死んだと思っている友人はあまりにも多く、このまますぐに姿を現すような真似をすれば、皆を驚かせてしまうかもしれなかった。

 そこでクミホは、チヒロの身柄を《焚書図書館》へと送り、しばらくそこで息を潜めてから表に出てくるようにと言った。

 しかしここで予想外のことが起きる。チヒロが《焚書図書館》で働きたいと言い出したのだ。どうやら『勉学』の《ツインズ》を宿す者として、世界の秘密が詰まった図書館は魅力的だったらしい。

 かくしてチヒロの生存は《異類隔離区》に告げられつつも、彼女そのものは《焚書図書館》に残り、その一員として日々《基礎世界》の平穏のために働くこととなったのだ。

 そんな彼女はたった今——


       《2》


「おっほ……今の打撃は危なかったでありますよ……!」

 ——籠目市最強と名高い女番長との、真っ向勝負に臨んでいた。

「お前……話し方キメェんだよ、真面目に殺り合いやがれ!」

「ワガハイは至って真面目でありますよ、こ・の・よ・う・にッ!」

 身も蓋もない罵倒とまっすぐ振り下ろされる日本刀をのらりくらりとかわした後、スケバン——キョウカに向かって手を突き出す。

「《ステーショナリー・ストリート》、ボールペンであります!」

 彼女の呼び声に応えるようにして、彼女の周りを浮遊する筒形の筆箱の一つのチャックが、独りでに開く。その中の無数のボールペンが、まるでミサイルのように勢いよく射出される。

 空気を切り裂き、「ドウッ!」と衝撃音を発しながら、十本以上のボールペンがキョウカへと襲いかかる。

「——ッ!」

 キョウカは慌てて後ろに飛び退く。「ズガガガガ!」とアスファルトに突き刺さるボールペンたち。着弾した直後、プラスチックの外装に大きなヒビが入り、中身のインクが飛び散っているところから、その威力を感じ取ることができる。

(——おや……おやおやおや?)

 ここでチヒロは違和感に気づく。キョウカが飛び退いた時の挙動が不自然なのだ。彼女が地面を蹴る力はそこまで強く無いように見えた。にも関わらず、彼女の体は後ろに五メートル強、縦には一メートル強ほど跳躍していたようなのだ。

(——あの《ツインズ》は……跳躍力を強化しているのでありますか? いや、あれが《異形系》だとしたならば、あのふわりとした挙動は一体、どうやっているのでありますか……?)

「どこ見てんだ、あァ!?」

 怒声のためにチヒロの思考は寸断される。はっと我に帰って前を見れば、彼女がボールペンに負けじと、人間大砲のような体勢で突っ込んできていたのだ。

「ゔぇえ!?」

「ブッ殺す、オラァッ!」

 日本刀の切先がチヒロを襲う。「バギィン!」と、金属音が彼女の胸元十センチほどの場所でけたたましく鳴り響いた。彼女は咄嗟に三角定規を取り出し、それを組み合わせてシールドを形成していたのだ。だが所詮は文房具、強化されていても耐久性には限界がある。

(——ぬおおっ!? 重い、重いのであります……! なんでありますかこれ、明らかに推進力だけの重みじゃないのでありますッ!)

 彼女はすぐさま防壁の組み方を変え、力を横に逃がすようにして刀をやり過ごした。キョウカは剣先の狙いがチヒロから外れたことを認識したその瞬間に、まるでカートゥーンアニメのように空中で急ブレーキをかけたように停止し、その場に着地した。

「……お前、なかなかやるじゃねぇか」

「ぐぬぬぅ……!」

「でもよォ……アタシがこうしちまったら」

 キョウカはそう言い終わる前に、ぐわんと倒れ込むようにしてチヒロに飛びかかった。改めて三角定規の防壁を展開したチヒロだったが、キョウカはその下を通り抜けるようにして、チヒロの足首を軽く触れ、そのまま背後へ抜けた。

「わぎゃっ!? ワガハイの足を触れて……!?」

「……この戦いはこっちのモンなんだよ」

 キョウカは通り抜けた先でまた不自然な挙動とともに地面に立ち直し、日本刀を肩に担ぐ。そして刀を持つのと反対の手の人差し指で、クイッ、と上を指差した。

「アタシの持つ能力の名前は《リグレット・オブ・イエローチューリップ》……もう一つの呼び名は、『引力』の《ツインズ》だ」

「はえ? だからな……んぎゃっ!?」

 次の瞬間、チヒロの体が引っ張られるようにして宙に浮いた。

(——わわわっ!? わわ、ワガハイまさか空を飛んでるのでありますか!? いや、だとしたら何かがおかしいのであります、この引っ張られるような感覚は一体……というか、なんで上昇がとまらないのでありますかっ!?)

「《リグレット・オブ・イエローチューリップ》の能力は、『触れた物体にかかる重力の向きを指定する』こと! つ まりよぉ、今のお前は飛んでるんじゃない、上向きに落ちてるだけなんだよ。だからァ、アタシがこうやって指示し直せばァァァ」

 キョウカは左の人差し指を、ブン! と下向きにした。するとチヒロの上昇は止まったが、今度は正常になった重力によって、彼女の体は真っ逆さまに落下し始めた。

「うぎゃーっ!?」

「そうやって『上に落ちる』んだよなァァァァァ!」

 地面に激突するチヒロ。だが彼女は誰に習ったのか、咄嗟に五点接地によって体の各部位にかかる衝撃を分散させて着地する。ダメージを完全に防げたわけではないが、重傷はまのがれたようだ。

 だが息つく間も無く、彼女の体はまたしても上に落ちる。しかし今度はそこまでの高度には上がらずに、重力はすぐに下方向に戻った。だがそこからは間髪入れずにまた上向き、下向き、上向き、下向きと、彼女を何度も何度も地面に叩きつける。

「おらッ! おらァッ!」

「がはっ!? ごぶっ、ほぎゃっ……!?」

 チヒロの悲鳴がいちいちギャグテイストなので伝わりづらいが、あまりにも上下の切り替え間隔が狭いため、彼女はお得意の受け身すら取れず、ただ苦しむ他に、選択肢を与えられていないのだ。

(——ぐぶっ……たった一度、たった一度の接触を許してしまったばっかりに……ワガハイ、一生の不覚でありますッ)

「あっハハハハハ! ハハハハ……あーあ、もう飽きたわ」

 随分と楽しそうに笑っていたキョウカだったが、突然真顔になり、口に反して叩きつけを続けながらチヒロに近づく。

「ほーら、ブッ飛べ……!」

 キョウカはまるでバットのように刀を振るう。ちょうど上下運動の頂点に来たチヒロの体の中心を、ドストライクで鎖を巻かれた日本刀が殴りつける。同時に、チヒロにかかる重力が横向きになった。

 殴りつけられたことによるエネルギーに横向きの重力が加わったことで、チヒロの体は急激に加速。そのまま近くの家の塀を崩しながら、その家の壁に激突した。

「ばぎゃァァァァ——ッ!?」

 もうもうと立ち昇る砂煙。キョウカはそれを《リグレット・オブ・イエローチューリップ》の一閃で切り裂き、チヒロの無様な姿をその目に収めた。

「アハハハハッ! アタシはこれがやりたかったんだよ、これが!」

 重力の向きを元に戻し、地面に這いつくばるチヒロの背を踏みつける。絞り出された声が、足元の地味そうな少女から聞こえて来た。

 少女は立ちあがろうと四肢を動かすが、上から押さえつけられる力には抵抗できない。ギリギリと肺の空気が締め出されていく。

「アハハハハ! ヒー、ヒー!」

「……ワガハイは」

「あ?」

 チヒロが口を開いた。

「ワガハイは……あらゆる性癖を網羅しているとはいえ……こういうプレイを好むような趣味は持っていないのであります……むしろワガハイはサディスト寄り……圧倒的な勝利にこそ、快感を求めるのであります……」

「……お前、何言ってんだ?」

「確か……あなたはキョウカというのでありましたよね?」

「気安くアタシの名前を呼ぶんじゃねぇよ……!」

「キョウカどの……ワガハイはキョウカどのの《ツインズ》の特性を見破れず、こういう状態になってしまっているのであります……しかし、キョウカどのの方は、ワガハイの《ツインズ》能力の本質を、完全に見切れているのでありますか?」

「は? それどういう意味だ……ッ!?」

 キョウカははっとして後ろを見る。そこにはチヒロが操作する筆箱が、まるで狙いを定めるように浮遊していた。

「ワガハイの能力は……ただ文具を操るというだけではないのでありますよ……《ステーショナリー・ストリート》の本質は……」

 筆箱はガトリングの砲身のように、地面と並行する向きを保ったまま円形に回転している。そしてそのうちの一門が開いた。その中に詰まっているのは、まだ角がある新品の消しゴムだった。

「その本質は……!」

 バシュゥッ! と、消しゴムが飛び出す。それはさながら、大砲が火を吹き、黒光りの砲弾を発射したようであった。

「『文房具の使役』に加えて、『文房具の本来の用途・役割を拡大解釈した現象を引き起こす』ことでありますッ——!」

 消しゴムの本来の用途は、文字を「消す」こと。それを拡大解釈した現象。つまりは。


        《3》


「つっ、着いた……なんだったんだあの女ヤンキー……大声で私の名前を呼んだりするなんて……大胆にも程があるだろう……!?」

 ルリは倒れ込むようにして《烏丸珈琲店》に入った。ヒナギものその背を追うようにして入り、すぐにボックス席のソファに横になる。

「うぇっ、二人ともおかえり……その様子だと、無事じゃないみたいだね……大丈夫だった?」

「大丈夫なわけないだろうヒッテ……おかげでこちらはへとへとだし、スイコウとチヒロの手を煩わせてしまっているんだよ……」

 ルリは厨房のヒッテに向けて、貴重な体力を無駄に使わせていることをアピールしながらも、ここまでの道中で襲いかかってきた《ツインズ》能力者のこと、彼女らから守ってくれた友人、もとい《焚書図書館》のエージェントたちのことを話した。

「……スイコウは知ってたけど……まさかあの物部さんまで能力者だったなんて……しかも《焚書図書館》って……何なんだよ……」

 ヒッテは頭を抱えた。最初はルリの暴走と、『不殺人鬼』との邂逅で始まったこのいざこざが、いつしか人の生死を決めかねない大事に発展しているという事実。それはいささか受け入れ難いものだった。加えて、こういう形で友人(または友人の友人)たちの秘められたるべき顔を知ってしまったという罪悪感もついて回った。

 そんなヒッテを、私たちも同じ気持ちだよという目で見るルリとヒナギ。疲れと混乱で目を回している彼彼女らだったが、ふと、ルリがあることに気づいた。店の中にいるべき人が、足りていないことに。

「……そういえば、メア姉とアクトはどこにいるんだい? 二人はここにいるはずだろうに」

「あー……メア姉ちゃんなら、ついさっき僕の《ツインズミラー》ぶん取って出て行ったよ。なんでも、《冥界》のお偉いさんにこの件を相談するつもりだそうな……」

「それは信用に値する連中なのかい?」

「僕もそう思ってメア姉ちゃんに聞いてみたんだけど、なんでも『あそこの腐ってる部分は人だけ、組織自体は問題なく回ってるし責務も果たせてるから、頼む人さえ間違えなければうまくいくはず』ってことらしくってさぁ」

「……『はず』かぁ……んで、アクトは?」

「アクトくんのことは僕も知らないなぁ。ていうか、別にアクトくんはいつもいる人じゃないよね?」

「でも私の身を案じて、ここにいてくれると話してくれていたんだよ。それなのにどうしたものか……」

 通信機器を持っているメアはまだしも、文明の力に頼らない暮らしをしてきたアクトに関しては、本人の口から今の場所を教えてもらうのは困難だ。

「しょうがない、《バタフライ・テキスト》で探知するか……?」

「早まらないでルリ、相手に能力が割れてたら、飛ばした蝶からここがバレるかもしれないでしょ!?」

「うっ、それもそうか……だとしたら本当にどうすればいいんだ……肝心な時に行方不明のパターンはもううんざりだぞ……?」

 三者ともども頭を抱える。だがそう時間が経たないうちに、ヒッテが「ああッ!」と顔をあげ、何か思いついたようだった。

「……急に大声出すのやめてくれない?」

「それ、ヒナギに言われるの納得できないんだけど」

「ヒッテ、それどういう意味で言ってるの? アタシにゆっくり聞かせてくれない?」

「二人とも、こんな場面で喧嘩はやめてくれよ……で、ヒッテは何を思いついたんだ?」

「いや、助けられる側に立つんだったら、とことん助けてもらった方が特になるよなって思って」

「?」

 ヒッテは疑問符を浮かべる二人を傍目に厨房を抜け、カウンターの端のところに置いてある、黒電話の受話器を手に取った。ルリもこの前使ったその黒電話は、そのローテクな見た目に反し、《ツインズミラー》と同等の通信機能を有している……つまりは、電波の届かない別次元にも通話を繋げることができるのだ。

 なぜそんなものがただの喫茶店に置いてあるのか、不在の正規マスターを問い詰めたいところだったが、今はひとまず目先のことに集中しよう。ヒッテはジィー、ジィーとダイヤルを回す。ルリたちはその番号に見覚えがなかった。

「……それ、どこに繋げるつもりだい?」

「この前スイコウの《ツインズミラー》から送ってもらった番号なんだよ。確かこれで……よぉし」

 ヒッテは受話器を押し当て、その名を口にした。

「もしもし……そちらは、氷渡凍路さんでよろしいでしょうか」

『……誰だお前。どうして《焚書図書館》の番号を知ってる』

 冷たい声音が、受話器から聞こえてきた。


       《4》


 ドゴン! と、おおよそ人体からも、塩化ビニール樹脂の塊からも鳴らないはずの、鳴ってはいけないはずの音が響いた。

 紫隈杏華には、文字通りに「土手っ腹に風穴が空いていた」。彼女はかはっ、と血を吐きふらついて、踏みつけていたチヒロの体から離れることとなった。

「ややっ……さすが、我ながら恐ろしい威力であります」

 チヒロもまた、口の端から小さく血を流していた。だがその口角はわずかに上がっていた。彼女は、この勝負の結末が近づいていることを感じていたのだ。

 彼女の《ステーショナリー・ストリート》の能力は、「一般に『文房具』と区分される道具の使役」、及び「使役する文房具に、その用途と対応した異常特性を付与する」というものである。

 例を挙げると、彼女が真っ先に使役した「筆箱」には、文房具を「しまう」という用途がある。故に、「筆箱内部の空間の拡張」という異常特性を宿らせ、どれだけ乱れ撃ちしても尽きない文具の数を確保している。あれだけの数の文房具を使役している理由は、単に複数の文具をごちゃ混ぜにして詰めておくのが気に食わないという、彼女のこだわりだった。

 他にも紙を切る「ハサミ」なら「物体の硬度を無視した切断」、円を描くための「コンパス」ならば「円形のバリアを展開する」などと、その本来の用途に対応した超常の力が働くのだ。

 そして彼女が今放った「消しゴム」。文字を消すためのこれを拡大解釈した結果、それには「接触した物体の存在を消滅させる」という特性が発現するに至った。

「キョウカどのの腹は、ワガハイの射出した消しゴムによって貫かれたのであります。対人戦では、十分すぎる威力でありましょう?」

 キョウカは震えながら自分の後ろを振り向いた。民家の壁にも、自分の腹と同じ大きさの穴が空いていたのだ。

(——消しゴムが、アタシの腹を、貫通した)

 断面から、見たこともない勢いで血が溢れる。

「あ、ああ」

 キョウカの専門は、どちらかと言えばステゴロの喧嘩だ。体験してきた怪我も打撲がほとんどで、今のように大量の出血を伴うものは、一切とは言わないがほとんど経験したことがない。

「もしかして、恐れているのでありますか?」

 チヒロは笑った。

「『死』を」


 ——ダァン!


 またしても筆箱の一つから消しゴムが発射される。キョウカはおぼつかない足取りながらも回避行動をとった。消しゴムは、彼女の風に靡いた上品な色の髪を貫いた。ばさりと地面に落ちる彼女の髪。

「キョウカどの。《焚書図書館》という、多くの《ツインズ》能力者と関わらざるをえない組織に身を置くワガハイから、一つアドバイスがあるのであります」

 チヒロは立ち上がり、その両手に力を込めた。

「姿を現すのであります、《ステーショナリー・ストリート》」

 その呼びかけに答えるように、彼女の体から激しい光を放つ粒子が発される。それが彼女の両手の先から、まるで見えない入れ物に注がれるようにして溜まり、実体を形成していく。

 そして彼女は、実体化した自らの《ツインズ》の重みを感じた。その姿は、おおよそ華奢な少女が扱うのを考えられていないであろう大きさの、手持ちガトリング砲そのものだった。

 六つの砲身はそれぞれ赤、橙、ピンク、水色、黄緑、黄色に塗り分けられ、それが輪ゴムのような色合いのリングパーツでひとまとめにされている。ガトリング全体で、輪ゴムで止められた六色カラーペンを模しているような見た目だった。

「超常の力には、超常の代償が存在する、それは多くの場合、命の危機として現れるのであります」

 ガトリングの砲身が、グォングォンというけたたましい駆動音と共に回転を始める。

「死にたくないなら、抗ってみせるのでありますッ! ファイア!」


 ——ズダダダダダダ!


 少女の持つ機関銃が火を吹く。そこから射出されるのは弾丸、いわゆる鉛玉ではなく、それぞれの砲身の色に対応した光の弾。

「はっ、はっ——ッ!?」

 キョウカは叫ぶことも忘れて、泥のように重い体を引きずるようにしてガトリングの掃射から逃れる。すぐ後ろにあったコンクリートブロックの塀が、まるで紙のようにひしゃげて穴が開く。

(——ヤバい、殺される、殺されるッッッ!?)

 彼女は、今まで自分がしていた喧嘩が、いかに甘ったれた世界だったかを思い知った。死ぬことはないから全力を出して潰しに行く、それが喧嘩。だがこの戦いでは、全力を出さなければ死ぬ。

「《リグレット・オブ・イエローチューリップ》、上だ、アタシを上に落とせ、はや、く——ッ!」

 彼女は全身の力を抜いた。そして彼女の体は見えない鎖に引っ張られるようにして、上に「落ちる」。さらに重力のベクトルを巧みに操作して、前、右、左と精密に体を制御する。その動きは弾丸に負けず劣らずの速さで、まるで自由に飛んでいるように見えた。

「なんなんだ、あい、つ、こフッ——」

 腹から血を流したまま、彼女は飛ぶ。その顔には強い恐怖の色が見えた。本物の戦場を見た恐怖が。

「きいて、ない、こんなの、なにも、」

 マシンガンの射程から外れようとしていた、その時。


 ——ガクン。


 彼女の体が地上の方に傾いた。

「まって、アタシ、おち——」

 風が頬を引っ掻く。腹の中身が浮く。さっきまで自分に味方していた重力が、今度は突如として牙を剥いた。

「《リグレット・オブ・イエローチューリップ》、《リグレット・オブ・イエロチューリップ》! クソッ、『シグマ』どうしたんだ、動け、アタシを横に落とせ、『シグマ』っ——!」

(——)

 彼女の呼びかけも虚しく、キョウカはそのまま落下していく。落ち行く中で、内側から囁く声があった。

(——もう止めにしようよ、『アタシ』)

「……ッ!? シグマテメェ、一体何考えてッッ!?」

(——これ以上八つ当たりはやめようよって言ってるの)

「何言ってんだ、テメェもろともアタシが死んじまうぞ!?」

(——もうそれでも構わない……この後悔がこれ以上続いて、八つ当たりし続けて、その醜い姿を晒し続ける方が、死ぬことの何倍も惨めだって、私は思うから、だから)

 地面が目と鼻の先に迫る。衝突する。死ぬ。

(——あの子の言うとおり、私たちは安い覚悟できてはいけない所に来ちゃったんだよ……真面目に戦ってないのは、こっちだったの)

「——!」

 キョウカは目をぎゅうと瞑った。己の頭蓋が目の荒いアスファルトによって砕かれて、中身がどろどろ溢れ出すその瞬間から、できるだけ目を背けるために——。


      《5》


「ふふん、今のセリフ、一度言ってみたかったのでありま……あっ——!?」

——だが、それを良しとしないのは、キョウカだけではなかった。

「——あっぶないのでありまあぁぁぁぁあすッ!?」

 横に落ちるキョウカの体がぐらつき、そして地面に引っ張られ始めたのを見たチヒロは、ガトリングをしまい走り出していた。

(——今の一瞬で何が起こったのでありますか!? ハッ、まさか噂に聞く《ツインズ》の裏切りというやつでありますか!?)

 基本的に人間の《ツインズ》能力者が力を行使する場合には、一度自らの意思を《ツインズ》に伝える必要がある。通常ならここで《ツインズ》が能力の使用を認め、宿主の意思に沿って能力を行使する。

 だが《ツインズ》は大抵の場合、悪魔との契約でも、天からの都合の良い奇跡でもない。そのため、《ツインズ》が宿主の意思に反して能力を行使することが可能なのだ。

 つまりキョウカは、自分の《ツインズ》に裏切られ、能力を切られてしまったのかもしれないと、そういう考察ができるのだ。

(——まっ、まさかとは思うのでありますが、ワガハイの脅しが効きすぎて、自ら命を絶とうとしているとかそんな馬鹿げた話かもしれないのでありますか!?)

 当たらずとも遠からずな考察を練り上げた後に顔を青くしながらも、彼女はキョウカの落下する場所へと走る。そしてそれと並行して、浮遊する筆箱の中身を確認していた。

(——落下を止める……「止める」って何を使えばいいのでありますか!? セロハンテープ!? それともホッチキス!? それともそれとも……ハッ!?)

 チヒロの瞳には、気流に波打つピンクシルバーの学ランのシルエットが、地面のすぐ近くまで迫っているのが見えた。

「——ッ、ええい、もうなんでもいいから止めるのでありますッッ!」

 チヒロは両手を突き出す。同時に、彼女の周囲を浮遊していた筆箱の一つから、ドヒュッ! と何か鋭いものが飛び出した。

 それは「画鋲」。ダーツのようなシルエットが飛び道具らしいとともに、奇しくも彼女が探していた「止める」ための、正確には「留める」ための文房具であった。

 画鋲はまっすぐ飛んでいき、彼女の長ランの裾に突き刺さる。と同時に、「ビィィィン!」という奇妙な音が鳴り響き、落下するキョウカの体を、落下中の地点で停止させた。

 キョウカは慣性の法則に従ってぐん、と強く脇や肩が引きつけられる感覚を覚えたが、見た目より頑丈に作ってあった長ランは破れず、彼女を宙吊りの状態に留めた。

「——セーフ……であります……いやー、危なかった……」

 キョウカに駆け寄るも、彼女に手を伸ばす前にその場にへたり込むチヒロ。対するキョウカは、目を疑っている様子だった。

「テメェ……なんでアタシを助けた……? あのマシンガンで、アタシを撃ち殺すつもりじゃなかったのかよ……」

「はぁ……はぁ……キョウカどのには、ちょっと伝わらないかもしれないのでありますが……今の世の中では、どちらかというとバッドエンドで幕を閉じる作品に人気があるのであります……ですがワガハイは——」

 彼女はかけていたメガネを外した。

「ワガハイは、そういう可哀想なのでは助からないオタクなのであります……ただ立場上引き金を引かなければならないというだけで、本当はハッピーエンドが見たいだけなのであります」

 天や親ではなく、《異類隔離区》によって与えられた端正な顔で、彼女は笑って見せた。

「ワガハイは人間ですら無いでありますが……一人のオタクの意見として、キョウカどのという一人の『主人公』には、破滅への道を歩んで欲しく無いのであります」

 その顔はこの世の裏に生きる者のものとは思えない、とても眩しい、それでいて寂しい笑顔だった。

「——っ!?」

 キョウカはその言葉の意味を、一言も理解できなかった。だが、彼女の笑顔が眩しいことは理解できた。その時、彼女の中にあった『キョウカ』と『シグマ』に、何か変なことが起こったようだった。

(——ああ……アタシ、この感覚知ってるわ)

 ドクン、と腹に痛みを覚える。恐怖や焦りで紛らわせていた腹の穴の痛みが、再び戻ってきたようだった。彼女の視界はぼやけ、チヒロの顔すら見えなくなる。

(——最期に、特大の後悔が残っちまったなぁ……)

 チヒロの言葉は明らかに矛盾している。自分で手を上げておいてハッピーエンドを語る、そんなのおかしいに決まっている。でも、その言葉に嘘はないように見えた。

 きっと彼女は、キョウカが自分の手で死を選ぶのを良しとしなかったのだろう。あくまで自分の手で葬ることで、「理不尽な死」であると、キョウカが死を選んだという結果を残させず、彼女の退場を果たさせようとしたのだろう。同時に、彼女の死の責任を、自分や彼女が所属している組織のものとしたかったのだろう。

(——もしあんたと別のとこで会ってたなら……アタシは不良やめてたかもしんねぇのによぉ……)

 視界が暗転する。何も見えなくなる。チヒロは何も言わない。

(——悪ぃ『シグマ』、八つ当たりやめるどころか、何もできなくなっちまいそうだ……あーあ、闇バイトなんかしなきゃよかったわ)

 徐々に聴覚も失われていく。彼女が最後に残した思考。

(——アタシは最後の最期までバカだよな、アタシの敵のあの笑顔、もっと見てぇって思っちまったんだからよ……)

 それはかつての後悔を消すかもしれなかった、光の断片だった。


 チヒロは画鋲を外す。ドサッ、と、キョウカの冷たくなった体が地面に落ちた。少し時間をおけば、彼女は硬くなってしまうだろう。

 どくどくと流れる血は、主人が死してなお彼女が生命として確かに存在していたことを力強く物語っている。薄紫の麗しくも芯のある強さを象徴していた彼女の改造制服も、その生命の印の中に沈んでしまっている。「紫隈」の文字も、半分読めなくなっていた。

「……このまま悲劇の幕を閉じるのが、人間の倫理としては正しいらしいのでありますし、その方が多分、絶対にもう一度暴れたりはしないのでありますが」

 彼女はその血潮が彼女の元を完全に去る前に、懐から小さな瓶を取り出す。目薬の瓶のような、蓋を開けると口がスポイト状になっているものだ。その中身は緋色の液体で満たされていた。

 チヒロが生命力の塊である妖の類だということも手伝ってではあるが、彼女はその緋色の液体から放たれる、ただならぬエネルギーを感じることができている。それはたった一つの肉体から湧き出たものとは信じ難いものだ。不死鳥から採取する以外に、手頃にこれと同等の生命力を採取しようとしたのならば、おそらくは人一人を犠牲にして、丸ごと搾り取らなければならないだろう。

「……ワガハイはもともとそういうの——より大きな『集団』の利益や安寧のために、弱い『個』がその皺寄せを受けること——を嫌う性分であります。故にフェニックスどの……ルリの友達どの。あなたの宿す力を、少し借りるのであります」

 チヒロは瓶の蓋を開ける。そしてその中身を二、三滴、息をしない女番長の腹の穴へと注いだ。緋色の液体はキョウカに落ちてからほとんど時間をおかずに、その潤沢な生命力を彼女の体に巡らせる。

 炎のような外観的イメージを伴ったそれは一瞬にして少女の体を包みこみ、まるで生者を火葬しているかのような悍ましい様相を生み出す。それに反して少女の体はみるみるうちに生き物らしさを取り戻していき、その果てにキョウカは再び現世に呼び戻された。

 全身の力を抜いて、「魘されている」とも「気持ちよさそうに寝ている」とも違う、夢すらも見られないような深い眠りに落ちているその顔は、自らも美少女の肉体をもらったチヒロから見ても、可愛らしさと美しさを兼ね備えた繊細なものだったと振り返ることができるだろう。

「……どうか目が覚めた時には、こんなバカな真似は絶対にしないと誓ってくれるような人間になっていて欲しいのであります。人間からかけ離れた存在であるワガハイが偉そうに物を言うのは、少々変かもしれないでありますがね」

 文房具少女は、遠くの空で夕暮れの橙と闇夜の紺がグラデーション状になり、二つの大きな星が世界を見守る役割を交代する瞬間に向けて、ほとんど無意識に視線を向けていた。


        《6》


 すでに日は傾き切って、月が顔を覗かせ始めた時間帯。多くの人々は食事を摂り、夜中の休息やら残業やらに備え始めるその時間、米粒の一つすらも喉を通らなそうな緊張感に包まれた喫茶店の中で、黒電話がベルを鳴り響かせた。

 青い瞳の少女が目配せすると、厨房に立っていたそばかすが特徴的な少年が慌ててその受話器を取った。

『辻斬必手、聞こえてるか?』

 あちらの方から、ヒッテに向けて電話がかかってきた。

「うん、聞こえてるよ。トウジくん」

 ヒッテの言葉に、「ならよかった」と返すトウジ。ヒッテの素性を知ってからというものの、トウジは凄まじい勢いでアクトの追跡を行ってくれた。日こそ落ちてしまったが、この折り返しの電話が来るまで半日もかかっていないところを考えると、彼が想像できないほど手際が良いと想像できる。

「それで、アクトがどこに向かったのかわかった?」

『実は……一応、市内にいないってことだけは分かったんだが……』

「……その後の動きがわからない、ってこと?」

 そうだ、とトウジは受話器の向こうで頷いた。カチャカチャと何かを弄るような音も聞こえてくるので、どうやらコンピュータを操作しながら連絡しているようだ。

『僕の知り合いに、飛電翼という警察務めのハッカーがいる。タスクさんは行方不明の友人を探すために、市内とその隣接エリアの監視カメラはほぼ全て調べられるんだが……籠目市中のカメラを調べてもらった結果、西側の市の境を出たことまでは分かったんだ』

「西側……?」

『その後の動向は引き続き調査してもらっている最中だ。僕も最善を尽くすけど……タスクさんの情報を待つのが主になると思う』

「うん……西隣の町って、森と山ばっかりじゃなかったっけ……?」

 ヒッテはそう漏らした。東京都の中央から少し西側、どちらかというと田舎かも、という微妙な場所に籠目市は位置している。ここから西に行っても、あるのは「奥多摩エリア」……彼の言う通り、東京都という肩書きはただの飾りと言っていいほど、自然に満ち溢れた場所だ。アクトは何の意図を持って、そちらに行ったのだろうか。

 そんなヒッテ見ていた一人の少女が、不意に立ち上がった。

「ヒッテ、私に代われ」

「え?」

 ヒッテの肩を叩いたのは、ルリだった。その顔には恐怖の色、焦り、さまざまな苦しさがあり、息も詰まりそうに見えた。

 ヒッテは受話器に「ごめん、君と話したい人がいるから、その人と代わるね」と言い、ルリにそれを無言で渡した。

『……もう代わったのか?』

「ああ。私は稲葉瑠璃。君たちの護衛対象だ」

『おっと……初めまして、僕は氷渡凍路……』

「自己紹介は後にしよう、私は今すぐに君に聞きたいことがある」

『は?』

 その圧のある声と口調に押され、トウジは思わず黙った。

「私たちの『不殺人鬼』……ヒロのことを、《焚書図書館》は一体いつになったら返してくれるんだ。こっちはあの滅茶苦茶な能力の豆腐メンタル男がいないと不安で仕方がないんだぞ……主に戦闘力的な意味での話だが」

『あー……それについてなんだけれども……追い追い説明しようと思っていたが、聞かれてしまったからには答えないとな……』

「?」

 何故だか知らないが、トウジの声量が徐々に小さくなっているような気がした。何か後ろめたいことでもあるかのような感じに。

「どうしたんだい、トウジとやら?」

『いや、とても言いにくいんだが……その『不殺人鬼』の動向が、急に掴めなくなってしまってね……ははは……』

「……どういうことだい? ヒロは君たち《焚書図書館》が連れ去ったはずだろう!?」

『いや、そうなんだが……どうにも所属する《ツインズ》能力者の一人が、勝手に彼を連れ出してしまったようなんだ……』

「はぁ!? なら、そいつにヒロを連れ戻すよう……じゃない、私のところに連れてくるよう言えばいいじゃないか!?」

『いや、そうもいかないんだ……何せ、相手が相手だからね……』

 トウジは受話器の前で深呼吸を繰り返した後、「これ言っていいよな……?」と何度か呟いてから、その名前を言った。

『日暮飛路を連れ出したやつの名前は、『狭霧(さぎり)(まこと)』という……彼の二つ名は『梟の止まり木』……あいつは、オウル様の依代なんだ』

 それは、『不殺人鬼』の身柄が、『館長』の独断で解放されたことを意味する言葉だった。

 実はこの後書きは投稿前日の就寝前に書いているので、うつろうつろの意識ポヤポヤ、あんまり深く考えてはいないことをカミングアウトする、睡眠不足のクロレキシストです。あまり作者の自我は濃すぎるといけないと思っているので、今回の後書きも内容少なめ(?)でお送りします。

 今日の話も、なかなか多くの伏線を仕込んだ話になりました。覚えることが多くて大変だったと思いますが、今回のものはその多くの回収がもう半年以上(下手したら一年以上)先になる予定なので、今のうちはそこまで気にせずにご覧ください(見返すのが大変になるかもしれませんが……)。

 さて、今日は少し趣向を変えて、《ツインズ》のお名前の由来についてもお話ししましょうか。今回の主役、物部千尋さんの能力の名前は《ステーショナリー・ストリート》。この由来は某・有名ショッピングモールが手掛ける文具屋から来ています。言ってしまえば「ぶ○ぐのまち」ですね。「文具」→「ステーショナリー」と「街」→「街道」→「ストリート」ってところです。こうやって争いとは無縁(ある意味争いの中にあるとも捉えられますが)なところを元ネタにして能力を考えるのって楽しいんですよね。読者の皆さんも、是非暇があったらそういう遊びをしてみてはどうでしょうか。

 それでは、今日の後書きはここで終わりましょうか。現在時刻、この後書を書いている時点で夜の十一時を少し過ぎた頃。今日はよく眠れるといいですね。では、これを読んでいる読者の皆様の安眠を願いながら失礼させていただきます。また次回、ここでお会いしましょう。

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