表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
マキナウォルンデイズ 第七章~マキリスエスケープ~
413/445

7-25 ベースキャンプは宝の山

 俺達は今、イルミの反抗者(レジスタンス)仲間と合流するために移動していた。

 どうやら連絡は送っているようなので、向こうも俺達を受け入れるのは問題ないみたいだ。


 周囲は相変わらず廃墟(はいきょ)ばかりで綺麗(きれい)な景色という感じではない。

 結構古そうだし、崩落(ほうらく)とかしないかが心配だな。

 大丈夫だとは思うが敵がいないか気を張る必要もあるし、ちょっと疲れる。


 そんな事を考えていると フィアがふと疑問を口にした。


「そういえば、イルミの名前ってイルミ・アフェットって言うのよね?」


「うん、そうだよー」


「確かカミンもカミン・アフェットって名前じゃなかったかしら? 同じファミリーネームだけど、親戚(しんせき)か何かなの? それとも偶然(ぐうぜん)なのかしら?」


「言われてみればそうだな。機人族(マキリス)親戚(しんせき)とかってあるのか疑問だけど」


「あぁ、それなら簡単だ。機人族(マキリス)は全員が同じファミリーネームを名乗っているんだ。君達に照らし合わせれば親戚(しんせき)と言ってもいいだろうな」


「そうなんですか? 一種族全員が親戚(しんせき)とはまた壮大(そうだい)な話ですね」


「イルミ達の()みの親はマザーだからねー。機人族(マキリス)は全員マザーが作ってるんだ。だから、皆マザーのファミリーネームを名乗ってるってわけなんだねー!」


 なるほどな。人も物に対して生みの親と言ったりするし、作った物に愛着があれば自分の子供だという時もある。機人族(マキリス)みたいに意思疎通の出来る相手なら尚更か。


「そういえばそんな話だったな。あれ? でもマザーのファミリーネームってどういうことだ? そのアフェットってのはどこから出て来たんだよ?」


「ん? あぁ、マザーというのは愛称(あいしょう)であって名前ではなくてな。マザーの名前はフィーフィリア・アフェットと言うんだ。もっとも、この名で呼ぶ者は一人もいないのだがな」


「そうなのか? 何か呼ばれたくない理由があるとか?」


「いや、別にマザーの意向というわけではない。人族(ひとぞく)もあまり親を名前で呼んだりはしないのだろう? それと同じだよ」


「あぁ、なるほどな」


 確かに俺も母さんの事を(れい)なんて呼ぶことはないな。そんなものか。


「まぁ、それを(のぞ)いても気軽(きがる)に呼ぶのは躊躇(ためら)われるというのもあるな。どうもその名には何か思い入れがあるらしい」


「思い入れか。大切な名前なんだな」


「そういう事だ」


「あ、見えた見えた! あれが、イルミ達のベースキャンプだよー。ようこそー!」


 イルミに言われて見てみるが何も見えない。いや、ちょっと集中したら遠くに廃棄(はいき)されたらしき機械の山が見えた。


「……ベースキャンプってもしかして、あのゴミの山の事を言ってるのか?」


「にゃっ! ゴミの山とは失礼な! ジャンク品っていうのは適切に使えばまだまだ働ける宝の山なんだからねー!」


「あ、や、悪い。俺達と機人族(マキリス)じゃあ、機械への考えも違うよな。失言だった」


「ふーん、分かればよろしい! それじゃ、あそこまでダッシュしよーう! 行こ行こー!」


「あ、ちょっと待て!」


 イルミは返事も待たずに走り出してしまった。全く、全然落ち着きがないな。


「私はフレイルを(かか)えているからな。ゆっくり行くから先に行ってくれ」


「分かった。それじゃあ先に行ってるぞ」


「はぁ、雷人も走るんですか? どうせ待つことになるのにわざわざ走るなんて、まるで子供みたいですね」


「そうか? まぁ、たまにはこういうのも良いだろ」


 そう言って俺が走り出すと、体を(ひね)ってストレッチをしていたフィアが振り返ってフォレオ達の方を見ていた。


「それじゃあ私達も行きましょうか。せっかくだから競争(きょうそう)しましょ」


「へ? フィアまで乗り気なんですか?」


「よ―いドン!」


「って、いきなり始めるのはズルですよ!」


「あはははは、よーし、そういう事なら私も負けないよ!」


 後ろの方からそんな声が聞こえて来た。

 これ、もしかしなくても競争相手に俺も含まれてそうな気がする。

 うーん……勝手に負けたことにされるのも何か癪だよな。仕方がない、走るか!


 そんなこんなでなぜか徒競走(ときょうそう)が始まり、ゆっくり走るつもりだったのに全力で走る羽目になった。そうして、俺達はベースキャンプへと()()んだのだった。

何かを作ったら自分はそれの生みの親になりますよね。

つまりPrasisも既にホリクレのママになっているわけですね!

どうも、マザーPrasisです! ……なんか違う?


「面白い」「続きが気になる」と感じたら、

 下の ☆☆☆☆☆ から評価を頂きたいです!


 作者のモチベーションが上がるので、応援、ブクマ、感想などもお待ちしています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ