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SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
マキナウォルンデイズ 第七章~マキリスエスケープ~
411/445

7-23 イルミの提案1

「マザーを倒す!?」


「ちょっと、それが出来たら苦労(くろう)しないって話じゃないの?」


「……いや、マザーを倒すまではいかなくとも直談判(じかだんぱん)交渉(こうしょう)するのは悪い案ではない。あくまで出来るのならだがな。だが、それは無理だ」


「まぁ、そうでしょうね。相手はこの星全てと同じ存在なのですから。しかし、悪い案ではないとも言いましたね? 一応、無理だと考えている理由を聞いても良いですか?」


 フォレオがカミンさんに(たず)ねると、カミンさんは自分の持っている(たて)に簡易的な絵を表示させながら話を始めた。便利(べんり)な物だな。


「まず前提(ぜんてい)として、我々機人族(マキリス)はネットワークを(かい)するとマザーに意識を(いじ)られる可能性がある。だから普通はそもそも交渉(こうしょう)自体が成立しないが、ネットワークを切って直接会うのならば交渉(こうしょう)自体は可能なはずだ」


「つまり、今のあなた達なら直接会えば交渉が出来るという事よね」


「そうだ。交渉(こうしょう)するうえで重要なマザーが私を追っている理由についてだが、マザーは人との接触をよく思っていない(ふし)がある。恐らくそれが理由だろう」


「なるほど。それで、人との接触を嫌っている理由は分かるのですか?」


「あぁ、あくまで憶測に過ぎないがな。マザーはネットワークを(かい)して我々から情報を収集(しゅうしゅう)している。それ(ゆえ)に私達が人に影響(えいきょう)されれば、マザーも少なからず影響を受けるのだと思う。だから必要以上に人と接触してその影響を受けるのを(きら)っているのではないかと思う」


「つまり、それを解決出来ればもう追われないで済むかもしれないって事か」


「あぁ、ネットワークにはもう(つな)がないと絶縁(ぜつえん)(もう)し出て、その上で星を出るのならばマザーが了承(りょうしょう)する可能性はあると思っている。勿論(もちろん)、すんなりとはいかないだろうがな」


「ふーん、それならいけそうな気がするね! ……あれ? でも無理なんだよね?」


「そうだ。この案には重大な問題がある。それは、そもそも直接マザーに会う事が出来ないということだ。マザーの居住塔(きょじゅうとう)はマキナウォルン内に複数存在しているからどこにいるか分からないし、常に近衛(このえ)機人族(マキリス)八重桜(やえざくら)が付いている。(やつ)らは私達と違って戦闘(せんとう)モデルだ。あれを()(くぐ)って直接会うのはなかなかに無謀(むぼう)に思えるな」


 なるほどな。場所がそもそも分からないし、例え分かったとしても強力な護衛(ごえい)が付いていると。


 それがどの程度強力なのかは分からないが、一星の(あるじ)近衛(このえ)ともなればそりゃ強いよな。果たして俺達で勝てるのか?


 俺達がマザーとの交渉の難易度を考えて消極的になっていると、イルミがニヤニヤしながら口を(はさ)んだ。


「ふっふっふー、無理って言うのはまだ早いんじゃないかなー?」


「やけに自信がありそうだな。何か心当たりでもあるというのか?」


「そのとーり! イルミの調(しら)べによるとねー、マザーはしばらく近くの居住塔(きょじゅうとう)に引きこもってるんだ! 今を(のが)すと今度はどこに行っちゃうか分からないし、居場所が分かってる今がチャンスだと思うんだよねー!」


「本当か? (ちな)みにその場所はどこなんだよ」


「えっとねー、カミン、この辺の地図を出して!」


「少し待て。……よし、出したぞ」


 カミンさんが地面に置いた機械からホログラム映像が空中に投影(とうえい)される。

 3Dで表示される周辺(しゅうへん)のマップには地下も再現(さいげん)されていてなかなかに詳細(しょうさい)だ。


 流石(さすが)は機械の星だな。技術レベルが高い。


「おぉー! ちゃんと旧区画の地下情報も入ってて(えら)(えら)い! さてさて、えっとー。ここが現在地でー、こ、こ、がー、マザーの居住塔(きょじゅうとう)だよ!」


 マップ内に存在するいくつかの一際(ひときわ)大きな(とう)

 その中の一つにイルミがマーカーを付けた。それを見てカミンさんが驚愕(きょうがく)の声を上げた。

複数の居住塔に近衛付き。

星の主となればこのくらいの用心は必要ですよね。

果たしてイルミは信用できるのかな?

ではまた次回、お楽しみに!

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