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SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
フロラシオンデイズ 第六章~アンビションビーティング~
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6-30 氷炎集いて世界は歪む-1

「ふん、これは幻影(げんえい)か? 面倒な能力を持っているな」


「関係ねぇ、関係ねぇ! 俺達が来たなら、もう事件は解決してるんだよ!」


「……新手(あらて)、ですか」 


 フォレオの目の前には(けん)(たずさ)えた二人の男が立っていた。


 一人は赤色を基調とした着物を着崩(きくず)して着ている何とも派手(はで)な男で、真っ赤に()まった頭をして自信満々な表情をしていた。


 一方、もう一人はと言えば青色基調のスーツを着た男で、赤色の男とは対照的(たいしょうてき)にきちっと着ていた。髪の色は黒色に青色でワンポイントを入れた感じの眼鏡をかけたクールな印象の男だった。


 何とも対照的な二人だ、というのが第一印象だ。


「あなた達は一体……?」


「そこの馬鹿(ばか)と俺は特殊治安部隊(スキルナイト)の隊員だ。情報があまり降ろされてないので(くわし)しくは知らないが……宇宙からの脅威(きょうい)を防いでいるという宇宙人はお前で間違いないか?」


「はい。その内の一人ですね」


「はっはっはぁ! 宇宙人なんてのが本当にいたんだな! 見た目は俺達とさほど変わらないみたいだが、なるほど、確かに耳が違うなぁ!」


五月蠅(うるさ)い。頭に響くから声を落とせ。さて、ではそこの小娘(こむすめ)が敵性宇宙人で間違いないな? こいつも耳が違うな。少し長いか? ふん、宇宙人と言っても俺達と大差(たいさ)ないんだな」


「はははっ! 氷室(ひむろ)、さてはお前ビビってやがったな?」


「そんなわけあるか。俺は(いた)って冷静(れいせい)で、勇敢(ゆうかん)特殊治安部隊(スキルナイト)の部隊長だ。馬鹿め!」


「はっ! まぁ、いいさ! 名乗ってやるぜ、そこの女! 俺は炎堂紅葉(えんどうもみじ)! 七剣聖(しちけんせい)が一人の炎堂紅葉(えんどうもみじ)だ、覚えとけ!」


「そこの馬鹿とは一緒にされたくないが、同じく七剣聖(しちけんせい)が一人、冷泉氷室(れいぜんひむろ)だ。お見知(みし)りおき願おう」


「……はぁ、突然出て来て何かと思えば雑兵(ぞうひょう)ですか。覚える必要もありませんね。さっさと殺して……あれ? こいつ()は殺してもいいんでしょうか? あれ?」


「なんだかよく分かりませんが、一応助力(じょりょく)は感謝しますよ」


 上目(うわめ)がちにそう言うと、赤髪の男がこっちを振り向きじろじろと(なが)めて言った。


「あぁ、別に(かま)わねぇよ。これが俺等(おれら)の仕事だ! それにしてもその服装……同類(どうるい)だな!」


 ど、同類(あつか)いはなんだか(しゃく)(さわ)りますね。

 ですがうちは大人ですから、このくらいで言い返したりはしません。


「とりあえず状況の説明をします。敵は目の前の女。判明している能力は拳銃(けんじゅう)段平(だんびら)を作り出す能力。わずかに浮いて(すべ)るように動けるホバーのような能力。そして、この目の前に広がる光景、幻影(げんえい)を作り出す能力なのです。拳銃は弾切れなし、ホバーは全身どこでも可能です。それと、この周囲の映像はもっと緻密(ちみつ)に制御出来る可能性があります。気を付けて下さい」


「はぁ!? 幻覚だけじゃなくて、ホバーに武器の作製(さくせい)まで出来るって? 何だよ、何だよ! 盛りだくさんだなぁ! 宇宙人は皆そうなのか?」


端的(たんてき)な状況説明に感謝しよう。それで、君の能力は?」


「基本的には水の操作で、武器は銃火器全般です」


「ほう、水の操作か。俺の武器はこの剣で能力は氷結だ。自由自在に周囲を凍らせることが出来る。巻き込まれないように注意する事だな」


「俺は炎を出せるぜ! 実にシンプルな能力だろ? もちろん武器は剣だ! よろしくぅ!」


 氷に炎ですか……。

 それだけ聞くと二人合わせてフィア以下ですね。


 さて、手札は増えましたが……一体どうするか。


「協力する……と言いたいところだが、出会ったばかりの君と連携(れんけい)が取れるとは思えない。その上、こうも視界が悪くては尚更(なおさら)だな。後は私達でやっておこう。他にも敵はいるのだろ? 君はどこへなりと加勢(かせい)に向かうと良い」


「は? 何を言っているのです? 今まで戦っていたのはうちなんですよ。それだったらうちの方が慣れている分上手く戦えますよ」


「どうだかな。苦戦(くせん)していたように見えたが?」


「……はぁ、いいです。好きにやるといいです。合わせてあげますから」


「合わせてあげる? 馬鹿か君は。そんなことして誤射(ごしゃ)でもされたらたまらない。言わないと分からないか? 邪魔(じゃま)だと言っているんだ」


 氷室(ひむろ)はそんな事を(あき)れたかのように言った。

 こ、こいつ。言わせておけば……!


「……もういいです。うちが一人でやりますから、あなた達こそ他に加勢(かせい)に行けばいいのですよ」


「俺達に敵に背を向けて逃げろと? 冗談(じょうだん)を言うな。さっさとどこぞへと行け。さもないと、切ってしまっても知らないぞ」


 まるでバチバチと火花(ひばな)でも散らすかのようにお互いを(にら)み付けるフォレオと氷室(ひむろ)


 そんな、間違いなく好機(こうき)な中、首を(ひね)るばかりで動く様子のないナクスィア。そして、ようやく結論(けつろん)を出したようだった。


「考えても分からない事は仕方ありません。保留(ほりゅう)です保留(ほりゅう)。もう少しだけ時間を(かせ)げば後はいいでしょう。さぁ、行きますよ」


 そう言うと、周囲に追加で無数のナクスィアが現れた。

こちらもこちらで新キャラの登場です。

これまでほとんど出て来なかった特殊治安部隊の部隊長が続々と出て来ました。


しかし、シルフェ側と違って協力的ではなさそうで……果たしてどうなる?

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