表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
フロラシオンデイズ 第六章~アンビションビーティング~
302/445

6-1 降り立つ二つの影法師-1

大変長らくお待たせしました!

一月半くらい? 思っていたよりも確認と修正に時間が掛かってしまいました……申し訳ない。

それではそれでは! 第六章、~アンビションビーティング~開幕です!

 転送された先はいつもお馴染(なじ)みの侵入不可区画。

 そしてやって来て早々(そうそう)、俺達は目の前で起きている事態に目を丸くしていた。


「ちょっと、何よ……あれ」


「一、二、三、四、五、六、七……(いく)つあるんだ? あれ」


「うぅ、せっかくお楽しみ中だったのにぃ……ってうわぁ! 何あれ!? (すご)い数だね!」


「ちょっ、シルフェ!? お楽しみ中って、ウォータースライダーを一緒に滑ってただけだよね!? 誤解される言い方しないで!?」


「誤解なんだぁ。それは残念だなぁ。真実にしちゃってもいいんだよ? そ・ら・君」


「え……? いや、ダメです。ダメですよ。何を言ってるんですか、芽衣」


「……この状況であんなことを言える胆力(たんりょく)。私も見習うべきでしょうか?」


「あれは見習わなくていいですよ……。それよりもあれ、さながら全戦力投入といったところですか? 本当、止めて欲しいったらないですね」


 俺達が見据(みす)えるその先。

 そこには大小様々なゲートが複数開いており、そこから次々とロボット達が投下されていた。


 これまでの百や二百など比べるべくもない。

 千どころか万だっていきそうな大群がそこにはあった。


 遠目で見るだけでも、うじゃうじゃと(うごめ)くそれらは見ていて気持ちの良いものではない。


 これまではやはり様子見だったのだろう。

 これを見てしまえばこれまでの侵攻などお遊びのようなものだ。

 それにしても……。


「やっぱり、来るわよね」


 ゲートから現れた二つの影。

 もちろん相手がロボットだけだとは思っていなかったが、これまでの事を考えるとな。


 この数に加えて二人の異星人ははっきり言ってやばい。

 今回ばかりは本気でダメかもな……。


 さてその影はというと、一つはぱっと見ベールを(かぶ)った聖職者っぽい恰好(かっこう)の少女。

 首元に十字架を下げているあたり何かしらの宗教の関係者なのだろう。


 髪は金色でふわっとした印象のセミロングだ。

 そして、身体的な特徴と言えばやはりその耳だろう。


 凄く長いというわけではないが、少し長めの耳で先が()がっている。

 これまでの経験からいくとエルフに近い感じだろうか?


 どうもイメージ通りの森の(たみ)って感じではないがありそうだな。

 立ち姿はかなり様になっていて、ブレる様子も無く(しん)の通った様なピンとした感じだ。


 これまでの事からいって彼女も傭兵(ようへい)なのだろうか?

 小柄(こがら)だしそうは見えないが、人は見かけによらないものだからなぁ。


 一方、もう一つの影はというとワンピースにコートを羽織(はお)った姿で、腕の下の大きな(まく)と大きな耳が特徴的な獣人らしき女性だ。


 見た目からして恐らく蝙蝠(こうもり)だろうか? まさかモモンガということもないだろう。

 その女性は強気そうな瞳を爛爛(らんらん)と輝かせてこちらを見ながら、にまーっと笑みを浮かべていた。


 こちらはというとエルフらしき少女とは一転、若干の粗雑(そざつ)さを感じさせる(たたず)まいだった。

 だが、どこか洗練されているようで(すき)があるようには見えない。


 どこから仕掛けても即座(そくざ)に対応してきそうな。そんな印象をいだかせた。

 そんな二人を見て、フィアが忌々(いまいま)()(つぶや)いた。


「ほんと、珍しいところを(そろ)い踏みね。悪魔族(デモルタ)天使族(イジェルタ)竜人族(ドラグナイト)ときて、()ては半耳長族(ハーフエルフ)蝙蝠獣人族(ウェスペルティ)ですって? 全く、一向に()きが来ないわね」


「……あれハーフエルフなのか。それに、ウェスペルティ?」


「エルフは確かもう少し耳が長いのよね。私も数人しか見た事ないからあんまり分からないんだけど……。蝙蝠獣人族(ウェスペルティ)っていうのは邦桜的に言うと蝙蝠(こうもり)の特徴を持った獣人族の総称よ。暗いところが好きな種族だからあんまり人前には出ないって話を聞いた事があったんだけど、どうやら例外はいるみたいね」


「珍しいだけなら問題ありませんが、竜人族(ドラグナイト)が敗れた上での侵攻(しんこう)ですからね。苦戦は間違いない……というか。そもそも、あれほどの数のロボットがいるとなるとうち等だけで完璧に防ぐのは不可能に近いと思いますよ。シンシア、誰か手の()いている人を探して声を掛けて下さい。もはや出し()しみを出来る状況ではないですから」


 こんな状況にあっても冷静といった様子のフォレオ。

 確かに、今は体裁(ていさい)を気にしている時ではない。


 これでマリエルさん達でも来てくれれば鬼に金棒。こんな状況でも乗り越えることが出来るだろう。

 そんな風に一瞬気が抜けそうになるのも(つか)の間、シンシアさんからの返答は重たい口調で告げられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ