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SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
フロラシオンデイズ 第五章~クレイドルガーディアンズ~
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5-10 尻尾取り訓練開始!

 この尻尾取りのルールとして、さすがに危ないので能力の使用が制限されている。


 身体強化はあり、相手を大怪我(おおけが)させるような使い方、武器としての使用は禁止。移動や動きの妨害(ぼうがい)に使用するのは()といった具合(ぐあい)だ。


 そんな中で尻尾取りが始まったのだが……。


「動きが甘いよ。ほらそこ!」


「ぐぇ! くそ、シルフェ! そっちに行ったぞ!」


「まっかせてー! それっ! ……あり? うきゃ!」


 訓練を開始するとテンションが上がったのか普通に話せるようになったルイルイさん。


 その尻尾目掛けて俺とシルフェは()びかかるが、どうも軽々と(かわ)されてしまう。

 そのうえ、ルイルイさんが出現させる透明な足場に衝突(しょうとつ)してスピードを完全に殺されていた。


 (すで)に一時間くらいはやっているのだが、尻尾を取れそうな気配(けはい)は一切ない。

 ルイルイさんの動きが速いというのもあるが、その体捌(からださば)きもなかなかのもので、行けると思ってもひらりと(かわ)されてしまうのだ。


「シルフェ、やっぱりただ追い掛けるだけじゃ二人掛かりでも無理だ。何か作戦を立てないとな」


「作戦かぁ。どうするの?」


「そうだな……やっぱり動きの妨害(ぼうがい)が必要だろ。罠を設置してルイルイさんを追い込むとか、だから、ごにょごにょ……」


「なるほどぉ。じゃあ試してみよう!」


 そう言うと同時、ぼわっとシルフェの髪が伸びては切れて伸びては切れてを繰り返し、四方八方(しほうはっぽう)へ広がっていく。

 これにはルイルイさんもポカーンと口を開けていた。


 まぁそうだよな。俺も能力だからと知ってても、(となり)でひっきりなしに髪が伸びている(さま)は見ていてぞわっとする。


 どうして髪が伸びるのって怖いんだろうな?

 ホラーな人形を想起(そうき)するからか?


「これだけ用意すれば大丈夫かな? それじゃあ、雷人はルーちゃんを追い掛けて。私がサポートするから!」


「了解だ。さぁ、行くぞ!」


 空中に悠然(ゆうぜん)と立つルイルイさんに向けて全力で()ける。

 そして、空中に足場を作るとスーパーボールが跳ね回るかの様に立体的に動き回り、ルイルイさんを追い掛ける。


「何か作戦を考えたみたいだね。それでも、君達はまだまだ遅いよ」


 所々でルイルイさんの動きが(にぶ)る。

 恐らく、シルフェの髪がルイルイさんの体に(から)みついて動きを妨害(ぼうがい)しているのだ。


 しかし、それでも(なお)ルイルイさんは俺よりも速い!


「くそ! なんて速さだ! これで……どうだ!」


「む、壁? でも、視線は正直だね」


「外された!?」


 カナムで出来た壁はほぼ透明に近い。あると思って見なければ気付かないはずだ。

 それに気付くなんて、一体どれだけ周囲に集中しているんだ!


「私の限界はまだまだ先だよ。どうする?」


 くそ、()ね回りながらもどんどんシルフェから離れて行っている。

 シルフェもこっちに向かって来てはいるが、シルフェの動きは髪の操作に集中していることもあり俺達よりも遅い。


 このまま離れ続ければ、シルフェが俺達を見失ってしまう。

 そうなってしまえばシルフェと合流するまで一対一になる。

 俺一人だけではさすがに無理だ。それなら、これで!


「む、(あみ)を張った? 広範囲に広げて(かこ)()むってこと? 悪くないね」


 広く、(あみ)の様に展開したカナムにルイルイさんが引っ掛かる。

 そのあまりの膂力(りょりょく)に一瞬で引き千切(ちぎ)られてしまうが、それでも確実に一瞬、その動きが止まった。


「止まったな? シルフェ!」


「はーい! いっくよー!」


 その言葉とともに空高く巨大な光る矢が放たれた。

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