4-18 お嬢様方のお帰りです! 2
あけましておめでとうございます!
特に狙ってなかったのですが、新年最初の今日、SSC ホーリークレイドルは200話を迎えました!
1話当たりが短いのでボリュームはそれなりですが、もう連載開始から半年になるんですね。
なかなか頂けないので、そろそろ感想や評価が欲しくなってます。|ω・)チラ
気が向いたら頂けると嬉しいです。
さて、ここまで読んで頂きありがとうございます!
次は300話を目指して頑張りますので、今年も引き続きよろしくお願いします!
三人を席へ案内すると椅子を引き、お嬢様方を席に座らせる。そして、簡素なメニューを手渡した。
「お嬢様、こちらが本日のお食事の目録です。この中からお選び下さい。すぐに心を込めてお作り致します」
「今日のおすすめはパンケーキとアイスコーヒーだよ」
俺達が慣れた手つきでやると、フィアがこちらをじーっと見てきた。
なんか採点でもされてる気分だ。これは執事試験か何かなのか?
「大分様になってるわね。こうして見ると原作よりもカッコいいかも?」
「そ、そういうのはいいからさ。早くメニューから選んでくれよ」
「あ! 崩れてるわよ! こういうのは恥ずかしさを捨てないとダメなんだからね!」
「くぅ、失礼しました。仰る通りでございます。お嬢様」
フィアは手厳しいな……。
アニメ好きだけあって引かれてはいないみたいだが、やはり知り合いに見られているのは恥ずかしい。
早く引っ込みたい。なんだかフォレオもさっきから黙ってこっち見てるし。
……おい、口開いてるぞ。仮にも美少女なんだからしっかりしろ。
「うーん、パンケーキはおいしそうだけど。コーヒーは苦手……」
「しょうがない奴だな。後で僕が砂糖とミルクを入れてあげるよ。それでいいよね?」
「空が入れてくれるの? じゃあ、それにする!」
「私もそれでいいわ。フォレオはどうするの?」
「ふぇ? あ、あぁ、そうですね。えーと、はい、うちもそれで大丈夫です」
ようやく正気を取り戻したらしいフォレオが慌てて返答する。
フォレオって執事とか好きだったのか?
あんまりこういうヲタク文化には興味無いのかと思っていた。ちょっと意外だな。
「畏まりました。それではすぐにお持ち致しますので、少々お待ち下さい」
「少し待ってなよ。ほら、その間はこれでも嘗めてるといいよ」
「わぁ、やったぁ。ありがとう、空!」
そう言って空がシルフェに飴を投げ渡した。
するとシルフェが嬉しそうにそれを受け取って嘗め始めた。
いつの間にかシルフェの扱いが上手く……というか。
シルフェの奴完全に子ども扱いじゃないか……それで良いのか?
少し疲れたので空と一緒に一度裏方に下がる。
おすすめのパンケーキは常に焼いているので、一応はすぐに持って行く事が出来る。
後は、魔法と称してメープルシロップを掛けるだけだ。
「空、シルフェの扱いが上手くなったか?」
「いやぁ、今でも御せるわけじゃないけどね。シルフェはなんだかんだで子供っぽい所があるからさ。少し大人しくしてもらうだけならあれで大丈夫だよ」
「そうか。それにしても、あいつらの前だとやっぱりどっと疲れるな」
「それは……そうだね。でも、フィアさんにもフォレオさんにも人気みたいじゃん。良かったね」
「そうか? フォレオが執事好きなのは俺でも分かったけど、フィアは落ち着いてたし、ただ原作再現に拘ってるだけだろ」
「そう? 僕はそうでもないと思うけど」
そう言って、空がフィア達の方に目線を向けた。
釣られて見ると、フィアが若干顔を赤らめているのが見えた。
ん? 空の言う通りフィアも結構執事が好きだったのか?
それを表に出ないように隠してたのか?
「いやいや、考え過ぎだろ。自意識過剰は良くないぞ」
「まぁ、別にいいけどね。ほら、パンケーキとコーヒー出来たみたいだよ。僕はコーヒーとシロップとか持ってくから、パンケーキはお願いね」
「あぁ、了解っと」
焼けたパンケーキを載せたお盆を受け取ると落とさないように慎重に運ぶ。そして、フィア達の所へ持って行くと、ちょうど唯と話しているところだった。
「お待たせしました。パンケーキが焼けましたよ」
「あ、雷人。ありがとう。そんなことより、ほら! 唯のメイド服姿! 可愛いわよね!」
「ん? あぁ、そうだな。唯はうちのクラスで一番評判が良いくらいだぞ? 学校の中でも相当上位の可愛さだからな」
「はぅ、ら、雷人君、さらっとそんな事言わないで下さい」
俺が事実を告げると唯が恥ずかしそうに顔を赤らめる。
それを見てかフィアがぽつりと言った。
「雷人のその発言、なんだかプレイボーイみたいね」
「人聞きの悪い事言うなよ。彼女の一人もいないってのに」
「……ふーんそっか、いないんだ。安心しなさいよ。私だっていないし」
興味無いとでも言いたげに若干目線を逸らしながらそう言うフィア。
いや、フィアに彼氏がいない事を聞いて何を安心すればいいんだよ。
あれか? 可愛い私にもいないんだから、別にイケメンじゃない俺にいないのは当たり前だということか? 確かにフィアは可愛いが……。
「まぁ、フィアは友達も少なかったくらいだもんな……って痛い!」
「ん?」
さらっと口から出てしまった失言に足をつねられる。
同時にこちらに向けられる笑顔が非常に怖い。ははは、発言には気を付けないとな。




