4-6 レセフィラ・フォシュラ1
こんにちは! Prasisです!
しばらく新キャラだらけで誰が喋ってるか分からなくなりそうなので、レセフィラ・フォシュラメンバーのセリフには誰が喋ってるか名前を付けようと思います。
読みにくくて申し訳ない!
セリフだけで誰が喋ってるか分かるのが理想なのですが、難しいなぁー……。
ライブ開始の二十分程前、フィトはすっかり恒例となったライブ前のお出迎えを終え、ライブの開始を待つレセフィラ・フォシュラの楽屋の扉を勢いよく開いた。
ライア「いっ! つぅぅ……」
すると扉の前に誰かがいたらしく、開いた扉が中途半端に開いた状態で止まる。
中に入ってドアを閉めるとドアの近くに一人の少年が顔を手で押さえてうずくまっていた。
フィト「あ、ごめんねお兄ちゃん。ちょっと急いでて」
声を掛けると私のお兄ちゃん、ライアのおでこが少し赤くなっていて、涙目で私を睨んできていた。
ライア「お、お前なぁ! ドアを開ける時は向こうに誰かいるかもしれないんだから気をつけろよ。ライブ前なのに顔に傷が付いたらまずいだろ!」
フィト「あぅ、しょ、しょうがないじゃん。急いでたんだからさぁ」
ラフェリア「あはは、ライ君ちょっとおでこが赤くなっちゃってるよ。メイクし直した方が良いんじゃないの?」
私が言い訳をすると椅子に座っていたラフェリアが笑いながら茶化す。どうやらライアも落ち着いたようで顔をぶんぶんと横に振った。
ライア「はぁ……まぁいいや。それで? 急ぐって程の時間でもないだろ。なんかあったのか?」
私はその言葉を聞いてどうして急いでいたのかを思い出した。
フィト「あ、お兄ちゃんの所為で忘れてた! 皆聞いて! いつもみたいにお出迎えをしてた時に、お客さんの中にそれらしい二人組を見つけたよ!」
セレナ「そうなの?」
レイラ「本当ですか?」
ラフェリア「えー、また見間違いじゃないのって、わっ! 痛いっ!」
フィトの言葉に全員が視線を向けるが、その視線はどことなく懐疑的だった。
気にした様子もなく、椅子を揺らしていたラフェリアがバランスを崩し、盛大に後ろにひっくり返る。
フィト「ちょっ、皆信じてないじゃん! 今度こそ本当だって、人ごみの中だったけど多分間違いないって。寒くもないのにマフラーも巻いてたし」
私はそう言いながら自身も首に着けているマフラーを触る。
しかし、それでも皆は半信半疑という様子だった。
ライア「いや、仕方ないだろ。……フィト、お前の見つけた宣言これで何回目だ?」
ライアがそんな事を聞いてきた。
確かにこれまでにも見間違いで見つけたと言った事はあるけど、そんなに疑わなくてもいいのに。
フィト「え、何回目って、えーと……四回目?」
シュカ「何言ってんの、もう七回目でしょ。最初の時はその宣言で盛り上がれたけどさぁ。流石に間違えすぎてもう難しいよね」
フィト「もー! シュカはそういうところ細かいなぁ!」
シュカが呆れたようにそんな事を言う。
反射的に不満を口にしちゃったけど、そんなに言ってたっけ?
そりゃ確かに信じられないのもしょうがないね。
でも、今回ばかりは私も本気だよ!
フィト「まぁ? 確かに何回も見間違いしたのは悪かったけど、今回はほんとのほんとなんだって!」
シュカ「それ前も聞いた気がするけどね」
……前も言ってたっけ?
もぉ! どうしたら信じてくれるの! このアンポンタンは!
セレナ「まぁまぁ、シュカもそのくらいにしてあげなよ。今度は本当かもしれないし、現状何も手掛かりがないんだからさ、ダメ元と思えばいいんじゃない?」
レイラ「そうですよ、お兄様。最初から決めつけてしまうのは良くないと思います。僅かでも可能性があるのなら確認するべきですよ」
フォビス「えぇ、セレナとレイラの言う通りです。我々は藁にも縋るべき状況ですから、フィトの言葉を信じましょう」
フィト「セレナ、レイラ、フォビス、三人とも……!」
全然信じてなさそうなお兄ちゃんとラフェリアとシュカに対し、三人が擁護に回ってくれたことでちょっと涙が出そうになった。
危ない危ない、仮にもこの後はライブだからね。泣いてメイクを台無しにするわけにはいかないよ。気を付けないと。
ライア「はぁ、じゃあ信じるとして、今回もお客さんはめっちゃたくさんいるからな。ここから探すってなるとなかなか骨だぞ。たった二人を探し出せるのか?」
セレナ「確かに難しいけど、もし二人来てたなら他にもいるかもしれないでしょ。黒や茶色以外の髪色の人はそんなに多くないし、いたら見つけやすいんじゃない?」
フィト「確かに! セレナ頭いいね!」
レイラ「わぁ、素晴らしいです。セレナは天才ですね!」
セレナ「いやいや、フィトやライアはポピュラーな黒髪だから気にならないだろうけど、うちらはマイノリティだからね。普段から気になってんの。ってか、レイラは何で感心してんの。あんたも銀髪なんだからこっち側でしょ」
私とレイラが褒めるとセレナはそんな事を言った。
そうだったの? まったく気にしたことなかったよ。




