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SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
フロラシオンデイズ 第一章~デーモンフォール~
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1-15 壁ドンおねだり

 ロナルドさんと意気投合し話は盛り上がったが、なんとか区切りをつけて最初の控え室に戻って来るともう時刻は午後九時を回っていた。

 

 結局雷人は一時的に仮入社という形をとって依頼への介入を承諾(しょうだく)され、その時にロナルドさんの勧めで戦闘用の服を渡された。


 それは和服だったのだが、自分が着るとなるとやはりどことなくコスプレ感があるな。

 こう感じるのは周りに和服を着ている人がいないせいもあるとは思うが、やっぱり普段着感が無いんだよなぁ。


 それに、白と青の淡い色彩をメインにした何とも綺麗な服だけど、動きやすそうには見えない。

 うーん、本当にこれは戦闘用なのか? 社長の趣味のコスプレ衣装を渡されただけなのでは? と疑ってしまいたくなる。


 しかし、実際に試着してみると何も着ていないと錯覚(さっかく)する程に軽く、ストレッチな素材なのか動きも全然阻害されなかった。まさかこんなに動きやすいとは、未だに信じがたいが事実は事実、言っても仕方ないのでそれはとりあえず置いておこう。


 その他にも腕時計のような見た目の端末を貰った。

 これによってシンシアさんとの通信、テレポートの要請や戦闘服の即時着用などが可能になるのだという。


 また、なんとなく疑問には思っていたがスルーしていた言語の問題なのだが、彼らが邦桜の言葉を話せるというわけではないらしい。

 なんでも翻訳機を身に着けていてそれが言語を同時翻訳しているそうで、それの首飾り型の物も貰った。


 これで翻訳機を持たない宇宙人に遭遇したとしても、意思の疎通(そつう)が可能になるんだとか。

 こんなものがあるだなんて、何とも便利な話だ。


 他にも色々と手続きを行っていたらもうこんな時間になってしまった。

 半ば強制的に連れて来られたし、帰れるのに帰らなかったって言ったら空のやつ怒るだろうな。


 さて、今部屋の中にはシンシアさんとフィアしかいない。

 フォレオやマリエルさんにも挨拶したかったが、いないなら仕方ない。

 とりあえず、二人にだけ挨拶をして今日のところは帰ることにしよう。


「えっと、フィア、シンシアさん。今日はありがとうございました。とりあえず今日はもう遅いので帰ってまた明日来ます。普段は学校がありますけど、明日は休みなので朝から来たいと思ってるんですが大丈夫ですか?」


「えぇ分かりました。いつでも来て下さい」


 笑顔で歓迎(かんげい)を示してくれたシンシアさんに頭を下げ、そのまま帰ろうかと思ったところで声が掛かった。


「ちょっと待って」


「ん、何だ?」


 なぜだろうか、なんとなく嫌な予感がする。

 俺の予感の的中率は……まぁ、さほどでもないのだが、それでも自然と身構えてしまう。

 果たして、その予感は的中したのだった。


「私もあなたの家に行くわ」


「……何でそんな話になる?」


「私もパパが熱中している邦桜に興味があるのよ。いいでしょ?」


「いや、それなら別にうちに来る必要ないだろ。休みが合った時にでも声を掛けてくれれば案内くらいはするけど」


 なぜかフィアがにじり寄って来るので、後退(あとずさ)りしながら答える。

 何だ。どうしてプレッシャーを掛けられているんだ?


「それじゃ駄目なのよ。フロラシオンみたいな保護対象の星では宇宙人は特例を除いて家を持つ事が出来ないの。なのに、その星に住んでいない人は自由に出歩いたり、買い物したりといった行為も禁止されてるわ。そういうのが出来るのは許可されている範囲だけなのよ」


「そ、そうなんだな。それじゃあ案内は難しそうだな。残念だけど……」


「でもね。宇宙警察(ポリヴエル)(かか)げる保護法には穴があるの」


「あ、はい」


 遂に壁際まで追い詰められてしまった。両側に手を突いて俺を逃がさないようにしている。

 ま、まさか女子に壁ドンされる日が来ようとは、近くに顔がある緊張感で鼓動が激しくなってきた。これが胸キュン?


「実はね。その星の人に許可を貰って同居してる場合の禁止事項の記載が一切無いのよ!」


 目をキラキラと輝かせて言うフィアを見て俺はふと思い出した。

 そういえばロナルドさんと話していた時、普通の人なら引きそうなテンションでアニメについて話していたのに普通に話を聞いていたような……。


「……もしかして、フィアもアニメ好きだったりする?」


「……少しね?」


 雷人が尋ねるとフィアはパッと離れ、顔を赤くして恥ずかしそうにはにかんだ。うん、間違いなく少しじゃないな。


 あの親にしてこの子ありなんだなーと雷人は思ったのだった。

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