3-40 VSフォレオ8
俺は自身に喝を入れると、そのまま高速で動き回りつつ属性刀での切り付けと別方向からのカナムによる攻撃を並行して行う。
依然としてフォレオは二丁拳銃で器用に捌きつつ銃撃で反撃もしてきているが、俺が速度を上げていくと段々と顔色が険しくなっていく。
「はは、やっぱり対応出来るだけで得意ってわけではなさそうだな!」
「そう、ですね。それじゃあ、これならどうです? ハイドロウィップ!」
その言葉ともにフォレオの両手の拳銃に水が集まり、鞭の形を作る。
そしてフォレオはそれを乱雑に振り回し始めた。
「くぅっ!」
どうにか躱そうとするが、攻撃範囲が広くうねうねと動く鞭を躱しきる事が出来ずに被弾、そのまま弾き飛ばされてしまった。
制御に集中する余裕がなかったのか、俺を弾き飛ばしたと同時に水の鞭は飛散した。だが、現状ではそれでも十分過ぎた。
「間合いが!」
「距離さえ取れれば、いくら機動力があっても見逃しませんよ」
フォレオの目が細められると同時にさっきよりも安定した様子の水の鞭が再度展開される。
それも拳銃からだけじゃない。さっきとは違って背中から十本以上は生えている。
「思ったよりは強かったですよ。うちとしたことがちょっと焦っちゃいました。褒めてあげます。でも、これで終わりです!」
空中に雷盾を展開して体をぶつけ、何とかフォレオから離れまいとする。
しかし、十メートルは弾き飛ばされてしまった。
前方からは二丁の拳銃による弾幕、側面からは無造作に振われる十数本の鞭。見る限り、人が通れるような隙間はない。
ここで後ろに引いても逃げ切れないだろう。仕切り直すのは無理だ。
くそ、こうして考えている間にも攻撃は迫っている。
考えろ! 考えろ!
この状況を打開する方法は?
今出来なければ本番でも出来ないぞ!
……くそ、ダメだ。何も思いつかない!
「……なら、一か八か、だよな」
この戦いで試そうと思っていたこと。
それは危険で、とても実戦で使えるレベルのものではない。
だが、どうせやられるのならば試す価値はある。
雷盾に足をしっかりと付け、膝を曲げて溜めを作る。
足場としている雷盾の形を力が十全に伝えられるように調整する。
そして、フォレオを見据えた。
すると、何かを感じ取ったのかフォレオが目を見開き。
拳銃を捨てて異空間から薙刀を取り出した。
まだ、何か手を隠していたのか。
だけど、そんなのは関係ない。
今更俺は行動を変えられないし、変える気もない。
「いくぞ」
その言葉と同時、前方にまるでレールのように二列に並ぶ無数の雷輪が現れた。
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