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SSC ホーリークレイドル 〜消滅エンドに抗う者達〜   作者: Prasis
フロラシオンデイズ 第三章~ナンバーズウォー~
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3-23 待ち伏せ

「やぁやぁ、ちゃんと皆(そろ)ってるね?」


「来ないものだと思いましたよ。会長」


「いやいや、さすがの僕も今回ばかりは自ら動くとも。もっとも、僕は戦闘が得意なわけじゃないからね。過度(かど)な期待はしないで欲しいな」


 集合時間は九時半だったはずだが、現在の時刻は九時四十五分だ。

 遅れてやって来ておいてのこの態度(たいど)にはさすがとでも言えばいいのだろうか?


「確かに、会長が戦ってるところなんて想像出来ませんね」


「ははは、そういう気持ちも分かるぜ。だが、会長はちゃんと強いぞ。今回の敵と戦うのはさすがに危険だけどな」


 隼人は笑っているが、あの話が本当なら会長は上司で家主(やぬし)なはずだが、こんな軽い調子で良いんだろうか?


 ……よくよく考えたら会長自身があんななのだ。

 気にするわけもないのか。


「まぁ僕は光葉を押さえ込む(やく)を買ってでるよ。彼女が(あや)しまれないようにしないといけないからね」


「天音さんの力って確か光ですよね? 生徒会長はそれを押さえられるんですか?」


「そういえば僕の力はあんまり知られていないんだったかな? 隠しているわけじゃないんだけどね」


「何もしないからですよ」


 これまで何回も生徒会の仕事を()け負ってきたが、会長がちゃんと働いているのを見た事がない。ただの一度もだ。

 能力の測定だって、一体どこでやっているのやら。


「雷人君は手厳しいね。僕の力は大まかに言うと波を制御する力なんだ。光だって波はあるからね。干渉(かんしょう)するくらいは出来るんだよ」


「へぇ、つまりとりあえずは、俺と空と唯と隼人で残り四人を捕まえればいいんですね?」


「そういうことだね」


「あの」


 ここで唯が手を上げる。

 なんだろうかと思ったが、そろそろ黙った方が良いという事だろうかとふと思う。

 見ると予定時刻まであと十分くらいだ。


「何かな? 唯君」


「天衣さんは瞬間移動の能力を持っていると聞いたのですが、それだとここを通らずにそのまま研究所へ向かってしまうのでは?」


「なるほど、その疑問はもっともだね。でも、そこは気にしなくていいよ。彼女の能力の制限は分かっているんだ。把握している場所と場所を繋ぐ。それが彼女の能力だ。つまり、最低でも行ったことがあるか、今見ている場所でないと移動出来ないはずだよ」


「っていう事は、夜で暗い中だと遠くまでは見えないから、長距離の移動は出来ないってこと?」


「ご名答だ、空君。適当に()んでしまうとその先が危険かもしれないからね。なんにしても、このルートを使用することは光葉からの情報で間違いない。後は捕らえるだけ……おっと、どうやら来たみたいだね」


 会長の声に視線を闇の奥に向けると五人の女生徒がこちらに向かって歩いて来た。


 研究所への道は一本道だ。

 会長の話では(わき)にある森の中は警報装置(けいほうそうち)が張り巡らされていて、引っ掛かればすぐに特殊治安部隊(スキルナイト)がやってくる。


 つまり、この道さえ(ふさ)いでいれば彼女達は研究所には侵入(しんにゅう)出来ないのだ。


「わわわ、誰かいますよ! 光葉ちゃん!」


「あれは……まさか会長!?」


「何? バレてたの?」


「そのようですわね。……生徒会長、ただの道化(どうけ)かと思っていましたのに、やりますわね」


「……どうする?」


 五人はこちらに気付くとその場で立ち止まった。

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