5話 決戦のとき
「フェルデン殿下・・・! 敵の勢力が強すぎます・・・!」
ゴーディアの歩兵は主に魔力の弱い兵士ばかりで編成され、サンタシの騎士団でも十分に対抗できる兵力であった。
しかし、騎兵の方はある程度の魔力を持ち合わせたエリートで、サンタシの選りすぐりの騎士達もかなり苦戦していた。
『バラバラバラ』
後方で、港を取り囲んでいた石壁の一部が崩壊していく。
崩れ始めた石壁の上から、人形のようにサンタシの兵がともに落下していく。
「ユリウス! あの男を止めろ!」
美しい栗毛の馬に跨るゴーディアの騎士は、一際強力な魔術を駆使し、植物の蔦をまるで生き物のように操り、石壁をばらばらに砕いていく。
湧くように向かってくるゴーディアの歩兵を薙ぎ払う手を止めないまま、フェルデンが部下に下命した。
ユリウスは小柄を最大限活かし、愛馬の手綱を思い切り引き上げる。馬は身体を捩り前足を高く掲げると、群がる歩兵達を蹴散らしながら方向を転換した。
全速力で向かってくる小柄の騎士に気付き、ゴーディアの騎士は咄嗟にユリウスの剣を避ける為に馬の手綱を取る。
ゴーディアの騎士の甲には、はっきりと黒翼の紋章が焼き付けられてある。階級が高ければ高い程、紋章の色が黒く克明になっていくのだ。それは、この男が相当の高い階級の騎士であるということを物語っていた。
「おれはサンタシ騎士団第一隊隊長ユリウス・ゲイラー、フェルデン・フォン・ヴォルティーユ殿下の部下だ。これ以上サンタシの領土に踏み入らせる訳にはいかない! おれがここでお前を倒す! 名を名乗れ!」
モスグリーンの鋭い視線に、ゴーディアの騎士は馬の向きを正面に向き直らせた。
「ああ・・・。君があの珍しい庶民出の騎士か・・・」
遠目から見た鎧姿で分からなかったが、男はすらりとした身長の割にひどく華奢な身体つきをしていた。ユリウスの参入で、すっかり石壁を砕く攻撃は中断されてしまっている。
二人の背後では、まだパラパラと崩れた石壁が砂煙を巻き上げて僅かに崩れていた。石壁の上には投石兵と弓兵が待機していたが、これ以上の長居には限界がきているようだ。あとは下へ降りて、射程内の敵に向けて発射するしかない。
しかし、未だうようよと海岸に敵船が到着を果たしてきている。
“庶民出”という言葉に、ユリウスはむっとして男を睨み返した。
「ぼくはゴーディア国、黒の騎士団副司令官、メフィス・ギュンツブルク」
十七であるユリウスよりはずっと年上であろう彼であったが、その口調は年齢の判別を難しくさせた。
「そうか、メフィス・ギュンツブルク! 悪いがおれたちがここでお前達を止めさせてもらう!」
威勢よく断言した小柄の騎士に、メフィスは戦場には似合わない程の陽気な笑みを浮かべた。
「なるほど、噂通り威勢がいいみたいだね。でも、ぼくは国王の意思に従っているだけだよ。今の指令官には嫌気が差してはいるけどね」
意味深な言葉を残して、メフィスはユリウスに向けて右の手を翳した。
彼の腰には、立派な鞘の剣がさされている。しかし、その剣の刃はまだこの戦場で抜かれた形跡は全く無い。
「ユリウス・ゲイラー、ぼくにまさか剣一本で挑もうってわけじゃないよね? その石は飾りなんかじゃないだろ、それを使いなよ」
剣を構えるユリウスに、メフィスは勲章として贈られる胸の飾りを指さした。
赤黒く光るその石は、メフィスの言うようにただの石などではなかった。この石は、騎士団で功績を挙げた有能な騎士のみに贈られる勲章で、それは選ばれた騎士しか身につけることを許されていない貴重なものだった。
「この石はただの勲章だ。使う気などさらさらない!」
きっと睨み返してくる小柄の騎士に、メフィスはぷっと吹き出して笑った。
「その石がただの勲章だって? それはぼくたち魔族への侮辱として受け取っていいのかな? だって、それはぼくたち魔族の血から作った石だろう?」
メフィスの浮かべる陽気な笑みは、その裏に渦巻く殺気を隠す為のカムフラージュにすぎなかったのだ。浮かべた笑みの下から覗く、サンタシに対する強い敵対心はユリウスをぞっとさせた。
「おれとフェルデン殿下はサンタシの騎士の誇りをかけて、自分の剣の腕のみで闘う。決して、魔族から奪った力などに頼ったりはしない!」
そう言いきるユリウスに、メフィスは、「ふうん」と返した。
「君がそこまで言うんだ、もう無理には勧めないことにするよ。だけど、ぼくは魔術を使わないからって手加減なんかしないよ」
翳した手の指を僅かに動かすと、石壁を壊していた植物の蔦が、めきめきと音を立てて地中を潜り、ユリウス目掛けて動き始めた。
「!!」
ボコリと盛り上がった地面の中から飛び出した蔦は、うねりながら鋭い爪のようにユリウスに襲い掛かってきた。
ヒヒンと驚いき後退する馬の手綱を取り、ユリウスは持っていた剣でその蔦に切りつける。
しかし、表面の硬い蔦をなんとかその剣で受け止めはしたものの、蔦自体はなかなか切断するまでに至らない。うねうねと蛇のように迫りくるそれは、怯むことを知らない。
「知っているかな。人間の血は植物にとって最高の栄養になるって話」
他人事のように話すメフィスに、ユリウスはどうやってこの場を切り抜けようか懸命に頭を働かせていた。
「そういえば、そっちの指令官、アザエルの後に誰が後釜に納まった?」
本当ならばこうして話している余裕すらないにも関わらず、ユリウスは一か八かの賭けに出た。
「あの氷のような男、サンタシの船で護送中に行方不明なんだが、あんた、奴の行方を知らないか? まさか海で死んだ・・・なんてことは無いだろうがな」
メフィスが僅かに苛立ったのがユリウスには感じ取れた。これはひょっとすると当たりかもしれない。
「しかし、アザエルもああ見えてあんまり大したことないのかもな」
そう言った瞬間、メフィスがすっと刀剣を鞘から抜き出していた。
「君、ぼくを怒らせたいの?」
急に露になった殺気に怯むことなく、ユリウスは言葉を続けてた。
「新しい司令官はアザエルよりも利口なんだろうか」
「アザエル閣下をあんな下品な男と比べるな・・・! ぼくはあんな下衆な男の部下になるつもりはない! ぼくが部下として働くのは、アザエル閣下の下だけだ!」
刀身を構え、今尚襲い掛かる植物の蔦の攻撃を避け続けるユリウスに言い放った。
「ぼくはあの下品な男の命に従っている訳じゃない。閣下が、“クロウ国王陛下の命に決して背くな”とぼくに仰ったからだ! 閣下が信じ愛した国王に、ぼくも全面的に従うのみ」
すっかり平静さを失ったメフィスの攻撃には、僅かに隙が生まれていた。
ユリウスは、空いた手で剣の鞘を取り蔦の攻撃を受け止めながら、その一瞬の隙を狙って剣で一撃を放った。
しかし、その攻撃は寸でのところで避けられてしまった。
メフィスの頬をつうと一筋の血が伝うと、メフィスは小柄の騎士をじっと見据えた。
「アザエルはともかく、あの我儘で傲慢な少年王に従うと・・・? あんた、本当にそれでいいのかよ」
ユリウスは剣を強く握り直すと、メフィスの赤茶の瞳を軽蔑に満ちた目で見つめ返した。
「何を勘違いしてるかは知らないけど、ぼくはゴーディアの使い捨ての駒の一つにすぎないんだよ。ぼくに国王の命に背く余地なんてあると思う?」
二人の騎士は互いの腹を探り合っていた。
一人はサンタシ騎士団第一隊の若き長、そして、もう一人はゴーディアの黒の騎士団副司令という肩書きの二人は、立場は違えど実力的には互角とも言えた。
「それでも、おれはあの幼い国王の仕出かしたは、とてもじゃないけど納得できそうにないけどな」
「君も人の上に立つ立場なら分かるだろう、納得するしないの問題じゃない。ただ、ぼくたちは国王や上官の命に従う。それしか道はない」
メフィスの言っていることは正しかった。
「説得を試みるのは無理みたいだな。やっぱりおれとあんたは、ここでどちらかがくたばるまで殺り合うよう定められてるみたいだ」
いつの間にかメフィスの、植物を操る手は止められていた。
「仕方無い。ここは君のレベルに合わせてあげるよ。ほんとは、ぼくは“剣”なんて低属な武器はあんまり好きじゃないんだけど、一応これでも一端の騎士なんでね」
“剣”が嫌いな騎士などあってたまるか、と反発心を抱いたユリウスだったが、この男が再び剣を持ち直した途端、その腕が相当のものであることを肌で感じ取った。
「つまり、魔力を使わず、騎士らしく正々堂々と一騎打ちか」
すっかり朝が明け、いつの間にか日はもう高く昇りかかっている。
未だ周囲の喧騒は止まず、剣が交じり合う音や炎の上がる音、傷を負った兵の呻き声がそこら中で鳴り響いている。
メフィスによって半分は破壊されてしまった石壁の隙間から、攻撃を免れたゴーディア兵が掻い潜っている。これ以上の足止めをするには、大将の首をとることの他に道は残されていない。
「まあね。君も噂通り、なかなか剣の筋は良さそうだし? その若さでサンタシ騎士団の二番手だって?」
メフィスは馬の手綱を引き寄せると、剣をかちゃりと構えた。それはいつでもかかってこいという合図であった。
(こいつを倒せば、あとはフェルデン殿下が大将の首をとってくれる筈・・・! ここは絶対に負けられない・・・!)
ユリウスは小さく息を吸い込むと、ぴしりと馬の手綱を打った。
勢いをつけて滑走を始める愛馬に、小柄な身体をぐっと前方に倒し、ぐっと剣を突き出すような形で構えた。もっともユリウスが得意とする“オクス(突き)”を応用した剣技である。この技は、高速で駆ける馬を片手で操り、そしてそのスピードと勢いを力に変換する、高い技術を要するものだった。
メフィスはユリウスの攻撃を避けようとはせず、真っ向からその勝負を受けて立った。
二頭の馬が擦れ違う瞬間、凄まじい剣音が木霊し、一瞬の静寂が訪れた。
周囲の全ての音が消え去った。
『カシャン』
剣が地面に音を立てて落下していった。
ユリウスの左腕を生暖かい感触がたらりと伝っていく。
「なるほどね・・・。二番手の君じゃなくて、一度君の上官と手合わせしてみたかったよ」
ユリウスは痛みを感じることはなかった。ただ、痺れたように腕が麻痺し、馬の名綱を握っていることはできない。霞む目で、ぱたりと静かに馬の背に身体を預けるようにして気を失ってしまった。
「ユリウス!!」
二人の一騎打ちを目にしたフェルデンが、他の兵を押し退けるようにして駆けつけたが、小柄の騎士は愛馬の背で既に意識を手放していた。
『ドサ・・・』
すぐ脇で、何かが地面に落下して崩れ落ちた。
地面に仰向けに横たわるそれは、赤茶色の眼を僅かに開いた、騎士としては華奢な身躯の青年であった。頭上には落ちた拍子に脱げた甲が転がり、それには濃い黒翼の紋章が刻まれている。
息はまだある様子だが、その口の端からつうと一筋の血が流れ落ちている。腹部を見ると、鎧を突き破って切り付けた剣痕が認められ、その隙間から赤い血液が流れ出していた。
(ユリウスのオクスを受けたのか・・・。しかし、あの攻撃を真っ向から受けて即死しないとは・・・)
ユリウスの突きは、師である強靭なディートハルトの力強い攻撃に、唯一力で対抗できる技であった。あの突きがまともに入れば、どんな頑丈な鎧をも簡単に打ち砕き、人の肉や骨などいとも簡単に突き破ってしまう。
その突きを、この華奢なゴーディアの騎士が受け止めたことに、フェルデンは驚かざるをえなかった。
男の手に握られた剣は根元から砕け折れ、今やもとの剣の姿など見る影もない。おそらくは、あの一瞬の間に、この剣で堪えうる最大限の攻撃を受け、更にユリウスに反撃を食らわしたのだろう。
フェルデンは、馬から飛び降り、ぐったりと動かない小柄の騎士の身体を自らの馬の背に移した。ぐっしょりと血にぬれた腕は、ユリウス自身もかなりの重症であるということを物語っていた。
相打ちだった。二人の力はほぼ互角、この地に寝そべっている青年は、フェルデンが聞き及んでいた限りでは、黒の騎士団の副司令官では、と予想できた。
とうとうゴーディアの兵が石壁を突破し、前進し始めたらしい。
「フェルデン殿下・・・! もう、持ちません・・・!」
血相を変えて、第三隊隊長であるアレクシがフェルデンの傍に馬を寄せた。
「殿下、すでに騎士団のうち第五隊と第六隊が全滅、第四隊も半数がやられています。歩兵の被害は半数以上にのぼり、弓兵、投石兵のほとんどが馴れない剣での接近戦での闘いを余儀なくされております」
そして、もっとも有能な騎士集団第一隊の隊長であるユリウスさえも、今や大傷を負ってこの様である。
「落ち着け、まだいける。忘れたか、石壁の向こうには最終手段として我国最高の術師ロランが敵の侵入を阻む結界を張っている。いいか、今ならまだ奴らの兵を押し止めておける。第三隊はお前を含め騎士団の中でももっとも個性的な騎士達ばかりだ。残っている騎士を全て集め、全力で敵国の歩兵、騎士どもを足止めしろ。おれは・・・」
馬上から地面に転がる黒騎士の副司令官を見下ろした。
「おれは、敵軍の大将を見つけ出し倒す・・・!」
息も切れ切れにメフィスが嘲った。
「忠告しておくけれど・・・、彼は・・・ぼくのように武器は不得手ではないよ・・・。彼・・・は、槍の名手だからね・・・。きっと・・・、魔・・・光石・・・を使わないと、彼には勝てないよ・・・。」
「こいつ・・・! 殿下の剣の腕を知りもしない癖に!」
アレクシが止めを刺そうと、自らの剣を彼の喉元に突き刺そうとする。
「待て」
フェルデンの手によりその手を静止させられたアレクシは、“どうして?”という面持ちで上官を振り返った。
いつの間にかアレクシの足首に植物の蔓が絡まっていた。彼が剣を振り下ろしていたなら、きっと、この絡まっていた蔓は、アレクシの命を奪おうとしただろう。
「この男はもういい。きっともうここでは碌に闘えやしない」
愛馬の逞しい腿を緩やかに撫で上げながら、
「ユリウスを医療部隊の陣営地へ」
と囁くと、フェルデンは馬の背をぽんと軽く叩いた。その合図を受けて、馬は慎重にゆっくりと歩き出した。背に乗せたユリウスが決して地面に落ちないようにと細心の注意を払いながら。
「おい、そいつは今どこにいる?」
返答が無いことを不審に思い、フェルデンはゴーディアの黒騎士を見下ろした。いつの間にかその瞳は閉じられ、気を失ってしまっているようだっだが、まだ死んだという訳では無さそうだ。
石壁の奥へと足を進めてくるゴーディアの軍であったが、石壁を越えたところで一時停滞している。歩兵達が苛立っているのがここからでもわかる。
薄い膜のような結界の壁が立ち塞がり、味方であっても誰一人そこを通すことを拒んでいた。多少の魔力を兼ね備えているゴーディアの歩兵達が、持ち得る魔術で張られた結界を破ろうと試みてはいるが、彼らの魔力程度ではどうにもならなかった。
黒騎士達は、未だサンタシの残る騎士達の妨害により、結界の少し手前で足止めを喰らっている。
その後ろから、やたらとごてごてしい装飾の馬に跨った騎士がゆったりとした足取りで歩んでいくのが見える。その甲には、派手な真っ赤に染められた動物の毛が艶々しくなびき、鎧の下のから覗く藍の衣服には、端々に赤い糸で細かく刺繡が施されている。片腕には確かに長く大きな黒い槍が握られていた。
明らかに他の騎士よりも目立つ身なりの騎士は、この慌しい戦場にも関わらず、何の焦りも感じていないようであある。
「あいつか・・・!」
フェルデンはそう直感で感じると、すぐさま馬の手綱をとり愛馬を走らせる。
しかしまだそこへ追いつくには少し距離があった。
男が石壁が崩れ落ちた瓦礫を通りすぎ、張り巡らされた結界の前に立ち塞がった。歩兵や騎士達が結界から僅かに離れたかと思った瞬間、男は持っていた槍をまるで紙の棒でも振るように軽々と一振りすると、あれだけびくともしなかった結界にその斬撃で切れ目が走った。
「!!」
何事も無かったかのように、その切れ目から馬で歩を進めようとする男の背後から、フェルデンは叫んだ。
「待て! そこは通す訳にはいかない! 見たところ、貴殿はゴーディア軍の大将とお見受けする!」
振り返った男の目と見て、フェルデンは驚き言葉を失った。
彼は盲目だった。紫紺の美しい瞳は、開いてはいるものの、既に光を失い周囲の何も映し出してはいなかったのだ。
しかし、彼の甲にははっきりと黒翼が焼き付けられている。
「如何にも・・・。だが悪いが、おれはこの通り目が見えん。そちらは何者だ」
ひどく落ち着いた盲目の騎士の声に、フェルデン自身も落ち着いた口調で返答した。
「おれはサンタシ騎士団指令官、フェルデン・フォン・ヴォルティーユ。ヴィクトル・フォン・ヴォルティーユ陛下の実弟だ」
あれ程騒がしかったというのに、なぜかこの周囲だけはいつになくしんとしている。
「おれはゴーディア国、黒の騎士団指令官補佐役、ライシェル・ギーだ。確かにおれはこの戦場において“大将”とも言えるが・・・。もう一人同格の仲間がいた筈なのだが・・・」
見えていない紫紺の瞳を真っ直ぐ見つめ、フェルデンははっきりと事実を告げた。
「植物を操る騎士なら、おれの部下が相打って落としたが」
ふむ、と下顎をさすると、ライシェルは「そうか」とだけ返答した。
「そこを通りたければ、おれを倒してからだ。ライシェル・ギー」
「いいだろう・・・。だが、おれは“中途半端”は嫌いでな。勝負はどちらか一方が絶命するまでということでどうだ?」
フェルデンはすっと剣を鞘から引き抜いた。
「ああ、それで構わない・・・!」
ライシェル・ギーは大きな槍を構えた。彼の魔力は未だ謎のままだ。
今、二人の大将が、二国の運命を背負って命を掛けた決闘に挑もうとしていた。