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最終章 旅立ち

この章で最終章となります。

今までで一番長い作品となり、私自身予想外の展開になったりと、ラストには一番悩んだ作品です。


宜しくお願いします。




ーー香さんが亡くなった?


電話口から聞こえる貝塚の声は弱々しく今にも倒れそうだった。そんな彼を見てる私までもが辛いし耐えられなかった…。


田中君はその場で現行逮捕され警察署へ連行された。


その後日、田中君の妹、楓さんが謝罪も兼ねて私のお店へと挨拶に立ち寄る。

殺人者の妹というだけで世間からレッテルを貼られる。

兄とは縁を切り、静かに暮らせる遠い場所で1人で暮らすそうだ。


私へ楓さんから最後に一言だけ告げられた言葉を思い出す…。



「兄と付き合わなくて本当に良かった。それだけが救いです」


私はそんな彼女の頭に軽く手を置き、頑張れとエールを送った。



そして事件から2日後、この残酷な現実から逃れられない貝塚は私にこう告げた…。


「…ごめん、暫く1人になりたいんだ」


1人になりたいからと言う貝塚の意志を私は止める事は出来ず、彼は今のマンションから姿を消した…。



そして、行方知らずとなった…。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



6年後……



「ママー!おはよう!」

「円夏、おはよう。今日も早く起きれたね」



この子は望月円夏(もちづきまどか)。5歳になる私の娘。

私は6年前の事件後に妊娠が発覚。

貝塚との子をお腹に授かっていたのだ。

そして、私はこの子を産む決心をする。


この6年、貝塚とはあれ以来一度も会えてない。

どこで何をしてるやら。けれど私は彼を探そうとはしなかった。

あの事件は彼を一生苦しめ続けるだろう。

その時、私が彼の隣で支えたいと思ってたけど、もう6年も経っちゃった…。

だけど、一縷の望みを私は決して捨てなかった。


そして女手一つで娘を育て上げた。

娘の円夏は少し人見知りだけど可愛くて優しい女の子へと日々成長している。



「…円夏、今日はママお仕事休みだからどこか出掛けようか?」

「うん、行くー!」


仕事ばかりで娘に寂しい思いをさせないように休日は円夏と過ごす。


最近、子供用の遊具が沢山揃えられた立派な公園が新しく出来た。すっかりと子供達の憩の場だ。



「…あら、望月さん?」

「…あっ、こんにちは」


私は最近、ママ友が出来た。

同じ子を持つ親同士、色々と情報を分かち合っている。

それに親として参考になる事が多い。

私は話に夢中になり過ぎて円夏が居ない事に後になって気付く。


「……円夏!」


しまった、つい話込み過ぎた。


円夏、どこなの?

私は辺りを見回すと、少し離れた場所で1人の男性が円夏と仲良さげに喋ってるのが目に届く。


えっ……?待って……?あの人………。


私は少しづつ距離を詰めていく。

まさか?と高鳴る胸の鼓動を私は抑える事が出来なかった…。


すると、男性は両腕を伸ばし円夏の身体を持ち上げ抱き抱えていた。

私はその光景にただただ涙が溢れていた…。




「……貝塚」


私の声に敏感に反応したのか、ようやく私の方へと振り向く男性…。

紛れもなく6年振りの再会になる貝塚、本人だった…。


「あっ、ママ!」


円夏は私の姿を見ても貝塚の抱かれてる腕から離れようとしない。

不思議な巡り合わせを間近で実感する。

やっぱり親子なんだな、と嬉しさが込み上げる。


そして、私達は運命の再会を果たす事が出来た…。



「……貝塚、やっと会えた」

「……望月、会いたかった」


貝塚は抱き抱えている円夏を優しく身体から離すと円夏の手を取って、ゆっくりと私の方へ歩み寄ってくる…。



「…望月、色々と済まなかった」

「…ううん、全然」

「…実はあの事件の1年後に望月のマンションを訪ねたんだ。そしたら赤ん坊を抱えて出てくる君を目撃した。その瞬間、君は誰か別の誰かと結婚して幸せに暮らしてるんだと思った。それで本当に君を忘れようとした。だけど、5年経っても君を忘れられなくて再び今日、君の様子を見にやってきた。そして何となくでこの公園に立ち寄ったら君の娘さんが僕の方へやって来てくれて…」

「……全く、本当に親子みたいだったよ。実際にそうだけど…」

「……えっ?」

「……円夏は正真正銘、貴方の娘よ。実は私もあの事件の後、妊娠が発覚したの。だけどあの時の貴方には言えなかった。だから1人で産んで育てる事にしたの。貴方との間に出来た子を産みたかった、それぐらいに貴方を愛していた…」

「…………」


貝塚の目からは溢れんばかりの涙が頬をつたって流れ落ちた。

私はその涙を指で拭い取る…。


「…もう、何で泣くの?私まで悲しくなっちゃう」

「…だって、この子が僕の娘だなんて信じられなくて」

「…信じて。私はこの6年貴方を待ってたの。だからその分今度は貴方が私達を幸せにして?」

「………本当に、僕は幸せになって良いのか?君達と?」


私は彼の不安を取り除く様に優しく抱き締める…。


「…貴方も幸せにならなきゃ駄目よ」


この言葉に救われたのか、貝塚は私に言った…。


「……じゃ、僕からも言うよ。…愛してる、湊」

「……ありがとう、俊哉。私も愛してる」



娘の前で私達は再び愛を誓い合った…。


そしてまだこれからも私達の愛は続いていく…。



無事にハッピーエンドを迎えました。


ここまで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございましたm(__)m


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― 新着の感想 ―
[一言] 完結おめでとうございます! 正直、バッドエンドもあり得るのかなと思っていましたが、最後にちゃんとハッピーエンドを迎えられていて、本当に良かったです。もう泣き荘です(笑) この作品は素晴ら…
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