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ヤルキマン  作者: 豊十香
9/80

第9話 上げてから落とす

「仲間の仇を取るものだと・・・・??颯爽(さっそう)と登場したかと思えばキザなセリフを吐きやがって!!真面目に答えろよ!!」


「真面目に答えろと言うのなら答えてやろうではないか??いいか!!よく聞いておけよ!!」


 そう言うとヤルキマンは決めポーズを取りはじめた。


地球に被害を加える異星人め!!

貴様らの悪事は、

この俺が許さない!!


元気がないなら俺を呼べ!!

勇気がないなら俺を呼べ!!

やる気がないなら俺を呼べ!!

気持ち腹持ち力持ち、ヤルキマン参上!!


パッパラパッパッパパーーーーンン♪♪


 決まった!!


 ヤルキマンは心の中でガッツポーズをしてみせた。


「・・・・まぁ、真面目に答えろと言ったのは私だからな・・・・、こんな微妙な空気になったのも私のせいだと言われれば何も返す言葉がないのだが、それでももうちょっと予想のできる返しが欲しかったぞ!!何をガッツリ決めゼリフまでやってくれとんじゃい!!」


「やんややんやとうるさい異星人め!!私がきたからには覚悟はできているのだろうな??」


「リーッパ!!リーッパ!!何を強気発言連発してくれているのだ!!覚悟ができているのかだと・・・・??その言葉、そのままお前に返してやるわい!!」


「はっはっはっはっ!!私か・・・・??私は覚悟できているぞ!!貴様を倒すと言う覚悟がな!!」


ドンッ!!


 そう言うとヤルキマンはスリッパ星人に攻撃を仕掛けた。


「ほう!!先手必勝というわけか・・・・!!しかし、それで私に勝ったと思われては困るなぁ・・・・!!」


スリッパ真拳 鶴のクチバシ


シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!

シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!


 スリッパ星人は手にスリッパをはめたまま、目にも止まらぬスピードで攻撃を繰り出していく。


シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!

シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!シュンッ!!


 それをヤルキマンは同じような音を立てながら全て交わしていく。


「ぐぬぬぬぬぬぬぬ!!!!意外とやるではないか!!さっきの男とは流石に違うようだな!!」


「はははは!!私はがっかりしているぞ!!思っていたほど凄そうなやつではないようだからな!!」


「前言撤回!!やはり貴様は先程の男と同じだ!!あの挑発的な態度はお前譲りだったようだな・・・・??」


「さぁ・・・・、なんのことを言っているのかさっぱりわからんなぁ・・・・」


 そう言ってヤルキマンはとぼけて見せた。


「貴様のようなふざけた奴がいるから、子供たちが自分たちの悪事を認めなくなるのだ!!子供も大人も関係なく、悪いことをしたら認める!!そんなこともできんのか貴様らは!!」


「お前、さっきからすっごくいいことを言っているんだけれど・・・・、話している当の本人が靴泥棒だから何もささらねぇんだよ!!」


ドゴォォォォォォンンンン!!!!


 ヤルキマンの聖人とはいえ女性だから、ちょっと手加減しておこうという気持ちのこもったパンチがスリッパ星人に炸裂した。


「ガッハァァァァァァ!!!!」


 スリッパ星人はモロにダメージを喰らってしまった。


「ありえんぞ!!ありえるわけがない!!私が人間如きにこんなに押されるなどあってはならないのだ!!私がここで負けてしまえば秩序は守られなくなってしまう!!そうなるともっともっと靴のかかとを踏む子供が増えていってしまう!!ならん!!絶対にあってはならんのだぁぁぁぁぁぁ!!」


「確かに、靴のかかとを踏んで使用するのはいけないことなのかもしれない・・・・!!だからといって盗むのは違うぞい!!もっと言葉で伝えてみればよかったじゃろうが!!そうすれば貴様の想いも一緒に通じたかもしれんぞい!!」


「それは・・・・」


 スリッパ星人はヤルキマンの言葉に納得し、反省をしはじめていた。


「どうじゃ??やっと自分のやりすぎた指導に気がついたか??」


「あぁ・・・・。私が間違っていたのだな!!」


「そうじゃ!!お主が間違っておったのじゃ・・・・!!」


「そうだな・・・・」


 スリッパ星人は何かつきものでも取れたかのように穏やかな表情になった。


「わかればいいのじゃ、わかれば!!」


 そう言ってヤルキマンはスリッパ星人から離れていく・・・・。のかと思いきや、どうやら助走をつける距離を稼いだだけであったようだ。そして・・・・。


ダダダダダダダダダダ!!!!


 ものすごい勢いでスリッパ星人へ走っていく。


「誰にだって失敗はある!!だったら、それを反省すればいいのだ!!そうすれば己の過ちを悔い改め、新しいスタートを切ることができる!!じゃがな・・・・。貴様がダンをボッコボコにしたことへの敵討ちは、それとはまた別の話じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


ヤルキカカト落としぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!


ズッガァァァァァァァァンンンン!!!!


 ヤルキマンのカカト落としがスリッパ星人に炸裂した。


「女性にカカト落としって・・・・・・」


ガクッ!!


 スリッパ星人は気絶した。


 ヤルキマンはスリッパ星人に勝利した。

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