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旅人 ((彷徨いし王))  作者: 葵海豚
1/1

赤谷

過去に投稿していた作品を修正投稿しています。

少しづつ書いていけるといいと思っております。

よろしくお願いします。

風が 若者の足元から真っ赤に蠢く雷雲をぬけて吹きつけてくる。

全てを拒絶する様に雷雲を見つめる男の周りを激しく吹き抜け

周りの大地は風に耐えきれず頭上からきしみ、崩れていく。

「嫌な風だな」

若者はそんな大地すら削るとる風に少し眉を寄せもと大地であったところに目を向ける。

 そこには風に削られた大地がポッカリと大穴を覗かせ、そこからはるか頭上の大地を垣間見えるほどに広がっているしかも刻々とその大穴は徐々に広がりを見せて来ている。

「そろそろヤバイかな?」

広がり続ける大穴・蠢く雷雲・吹き抜ける風、それらを見比べながら男は先ほどとは違う少し緊張した声で頭上に向かって語りかける。

「・・・・・・・・今さらなにを言う」

若者の問いかけに対して頭上相方がもそりと動いて早口に返事の声が返ってくる。

「ハ・ハ・ハ・・・・」

若者の口から返答に対して乾いた声が漏れる。

それは若者の重苦しく緊張した声色の問い対して返答に若干の非難の声色が混じっていることに気が付いたためである。

「誰が悪い!」

「誰のせいだ!」

「無計画か!」

「自殺志願か?」

若者の乾いた苦笑いに対して早次に頭上から避難の声が降り注ぐ、先ほどの返答よりもかなり怒気をはらんでいるしかも今回は返答は求めていないのに4倍である。さすがにこのままではまずいと判断いして頭上声の合間を縫って反論する。

「話あってきめたよね?」

今までのような力ない声色ではなく少し強めに言い言い聞かす様に声を返す。

「・・・・・・」

「・・・・・・・」

暫く待っても返答はない。

どうやら先ほどまでの気勢をそぐことができたみたいである。

確かに!現状に対しての非難の内容に心当たりがある。

しかしその非難の何割かわ返答した側にもあり、お互いに話あって決めた行動でありその結果が現状であり一方的に非案される言われはもともとないのだ。

確かに少し強引に説得は行ったがそれでも最終的には納得したはずである。

しかし現状の自分達の置かれている状況でそこを議論することは得策ではないと思いいたって出かけた追撃の反論を飲むことにした。

しかし無事に村に帰ったらしっかり話し合う必要はあると<心のメモ>にしっかりとダグ付けはしておこうと強く若者が思っていた時周囲の異変に気が付く。

先ほどまで煩き程吹き荒れていた<風>が止まっているのだ。

『・・・・・』

『・・・・・』

周りの大地の崩壊の音もまるで全て初めから無かったの用に訪れる周辺の静寂に二人して息をのむ。

「上だ!」

若者の切迫した声が静寂に響く。

「アギャー!」

そんな若者の声に頭上から裂帛の返答が返ると同時に周りの空気を押し下げる様に二人の体を急速に上昇していく。

そんな中昨日止まった宿屋で情報収集したときにお喋りな宿の主人話していた内容が二人の頭によぎる。

『赤谷で吹き荒れる<風>が止み静寂が満ちた時は特に気負付けろ、それは<風>が<嵐>に代わる前触れだから<嵐>はあらゆるものを切り裂れる、だから<嵐>になる前に逃げろ。』

宿の主人から聞いた話通りなら既に<嵐>に対応する手段はない、逃げるだけだ。

「急げ! ブラック!」

若者の切迫した声が相棒に飛ぶ、その声に合わせてブラックと呼ばれた相棒は頭上に向かって更に加速するために自慢の翼を今まで以上に大きく羽ばたかせる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「《赤い谷》??」

見上げる大木の根元でそんな声がおお大きく響く。

急な大声に街までの街道で一時の雨宿りをしていた旅人から迷惑そうな視線が向けられる。

そんな周りの気配を割いて声を上げた若者は声を小さくして目の前の初老の男に声をかける。

「そこに行けばお宝が満載なのか?」

声を潜めながら問いかける若者はまるでそのお宝を手に入れた様に目を輝かせながら問いかける。

「ああ・!間違いない」

「間違いなく《赤谷》に行けばお宝が手に入る」

初老の男は目を輝かせながら語りかける若者を見ながら自身を持って答える。

「分かった! サンキュー!」

若者は初老の男に内容を再度確認し、丁度雨の上がり日が差し始めた空の元、初老の男の言った山道に向かいながら銀貨を一枚投げ渡し礼を言って初老の男の言った《赤谷》に向かってかけ出ていく・

「毎度!」

初老の男はそんな少年と言うには少し歳の言った青年と思われる青みかかった銀髪の青年の後ろ姿を見送る。

《生きて持ち出せたたらの話なんだがな》

初老の男は受った銀貨を手の中で転がしながらふと危険性について言っていないことに思い至ったが手の中の銀貨を再度見つめて情報代としては妥当だと納得して次の客を探すために若者とは反対に向かって歩き出す。

もし報酬が金貨ならいやもう少し高ければ情報屋である初老の男も若者に追いかけても忠告したはずである、初老の男は情報屋としてプロとして対応したはずである。

若者とは反対の街道に向かった初老の男はふと立ち止まり若者の消えていった若者の事を考えながら

《また会うような気がするな》

何となくそんな事いながら雨上がりの晴れ渡った空を見上げていたら雨上がりの空を気持ちよさげに飛んでいく黒い影が目に入る。

《鳥?》

初老の男が対象を確認しようとした時にはすでに若者が消えた山に向かって消えていったところであった。気にはなったが実害がないのならと気にも留めず情報を必要とする次の客えを探すために街道を町に向かって足き出す。

足取りは急な雨でも情報が売れた事で軽やかである。

《何かお土産でも買ってやるかな》

向かう先で待っている家族の顔を思い出しながら臨時収入でなにが喜ばれるか考えながら街道を行く。

その時はすでに情報を売った若者もその後に見た怪鳥についてもきれいさっぱり忘れてしまっていた。

初老の男がそれを思い出すは少し後になってからである。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

消え入る山道を見落とさず、無駄な戦闘を避け山の中を突き進むのは予想以上に困難であり、旅慣れした二人でも《赤谷》の麓の村<レース>に着いたのは5つの付きの3番目が山から顔を出す頃の夜遅くとなった。

通常であれば<害獣>や<野良獣>などが闇夜に活発になることや<夜盗>や<山賊>などもいることから街や村の門は1つ目の月で閉まるのが常識るので野宿確定だがここ<レース>では<赤谷>での一攫千金を狙う<探究者>や<旅人>が夜間遅くに帰還する事が多い為通常より遅い4つ目の月まで開けているとのことで無事村に入ることができた。

「間に合ってよかったな」

若者の肩のあたりから声がする。

「・・・・・・」

山道の道なき道を強引に突破したため若者は見た目はいたるところドロドロとなっている。

「野宿は辛いからな~」

陽気な声が若者の肩に止まっている黒い<鳥>からはっしされる。

「・・・・・・」

若者の体が小刻みに震える。

「どうした??」

「トイレか?」

肩の<鳥>が心配そうに声をかける。

「・・・・誰のせいかな??」

震える若者が少しの間を開けて肩の相棒に尋ねる、こぶしは固く握られ震えている。

「?????」

問われて小さくいかにもわかりませんと首をかしげる。

「・・・・・・・・ハァ・・」

そんな相棒を見て若者も気持ちを切り替える。

《無理だな解っていない》

相棒の仕草から全く理解もしていないしい悪気もない事がうかがえる。

《一人でイライラしてバカみたい・・・・》

そんな相棒を見据えながら山道で着いた埃を払いながら声をかける。

「宿さがそうか」

「了解!」

陽気な声が返ってくる、その声を聴きながらさらに脱力するのを感じながら、もう少し他人の感情に拝領できるように教育しようと<心のメモ>にダク付けする。

結果として宿泊する宿はすんなりと見つけることができた、一攫千金を目当てに合わせて宿が数多く準備されていたため比較的簡単に決める事ができた。

部屋はごく一般的はベットと机があるだけ食堂は一階で朝食付き夕食は併設の酒場で別途料金で銅貨40枚と安宿より少し高めではあるが酒場も近く情報収取も便利な為こんなものかと納得して一部屋とった。

獣類であっても言葉を話せば一人分宿泊料金がかかるのだが今回相棒にはペットの振りで同室だから無料である、ちょっと懐がさみしいししかたない。案内された部屋に入り一通り荷物を整理して相棒に声をかける。

「飯に行って情報収集といきますか!」

ベットの枕木に止まってうたたねしていた相棒が若者の声に反応して翼を広げ若者の肩に舞い降りる。

「肉だぞ肉!」

舞い降りると同時に好物を要求してくる。

「山中でたらふく食っただろう?」

山道を何度もそれながら狩りをして食べていたのにも関わらない要求に少しい目をむく。

「腹減った!」

「俺のお宿代かかってないだろ?」

「その分食べてもいいはず」

自分の正当性を言い並べてくる。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・解った」

こうなった相棒には何を言っても納得しないのを経験から理解していることからわかものは力なくつぶやく。

「情報収集はするからな?」

最後の抵抗と目的はしっかり告げる。

「了解!」

解っているのか・解っていいないのか解らない返事を聞きながら、宿の酒場に向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 <赤土>を巻上げ吹き荒れる凶悪な風をここに訪れる者たちには<赤風>と言われて恐れられており、出会ったらまず助からないとも言われている。

しかし前兆がはっきりしておりきちんと注意していれば遭遇することはほとんどないのが実情だがまれに欲をかいて遭遇するものがいるこ事もよく知られている。

そんな<赤風>に巻き込まれながらつい愚痴が若者の口から洩れる。

「欲かきすぎたかな?」

何気ない必ことであったが全力で上昇している相棒からは不満が返ってくる。

「そんな愚痴より今の現状なんとかするほう先だろうが!」

若者のゆったりとした口調とは違う、甲高い切迫した声が轟音の中に響き渡る。

それにしても不思議な声である、吹きすさぶ風の音、再び崩れゆく大地の音それらの轟音の中であっても相棒の声はっきりと聞き取れる。

【ゴゴゴ!】

足元から新たな音が辺りに響きわたる。

二人の首もとに冷汗が伝わるのが感じられる。

《間に合わないかな・・・》

最悪の状況が若者の脳裏を駆け抜ける、頭上の相棒はすこしでも音から逃げるよう全力で上に向かって力ずよく舞い上がる。

「おい、¨ブラック¨」

全力で飛行する相棒に若者は声をかける。

「今、忙しい!」

頭上からぶっきらぼうな返答が返ってくる。


その刹那、足元から【赤風】が襲いかかる。

《間に合わない!》

全力の急激な上昇であるがそれ以上に<赤風>の速度は上回っている。

若者がどうするか判断する前に相棒が行動に移す、急速な上昇を放棄して全身に力を入れてこれから激突する<赤風>さ衝撃に備えるために若者を自身の羽で包みこむようにして防御態勢に入った。

《耐えられるか?》

ブラックは防御に対してもそれなりには自信はある得意とはしていない、あくまでも自身の強みは機動力と攻撃力が売りであることは自身自覚しているしその特性が自慢でもあった。

しかし今回に限っては防御力自慢であればと頭のすみで考えるがそれは今考える事ではなくと判断し次回の課題だなと心に決めて今できる全力の防御を自慢の黒き翼めると同時に<赤風>が激突する。

最初は黒と赤が拮抗していたが絶対的質量の違いから二人は一瞬で飲み込まれる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


<赤谷>一面が真っ赤に染まるのは<赤風>が吹き抜ける証拠である。

谷全体が見渡す限り真っ赤に染まっているそれを5人の深くフードを被った<探究者>が見つめている。

「かなりの大物だな」

一番大柄の<探究者>がつぶやく低く威厳に満ちた声で。

「初めて見るサイズね」

呟きに対して少し声の高い<探究者>が返答する。

「死んだのか?」

次にしわがれた<探究者>が声を出す。

その声に合わせて全員が眼下にとどまる<赤風>を見据える。

「狩る?」

一番後ろに控えた小柄な<探究者>が確認の為声をかける。

「いややめておこう、割に合わない」

最初の<探究者>が声を返す。

「「「「はい!」」」」

長年<赤谷>に潜りすげ<赤風>狩って生活の糧を得てきた彼だからこそ今回の<赤風>は強大でありリスクが高い事が感じられる。

<赤風>は単なる自然現象では幻想の存在であり狩る事の出来る獲物であるからこそ慎重さが必要である事を全員が理解しているからの撤退である。


「ブラック」

声を出して相棒に呼びかける現状羽に包まれているため無傷ではあるが状況は芳しくない。

「・・・・・・・・」

相棒からの返事はない。

《このままでは長くはもたないな》

相棒の状況若者自身が置かれている状況<赤風>の脅威どれ劣っても絶対絶命だと判断できる。

理論的に判断できる状況にあっても若者顔には皮肉った笑みがひろがる。

《さてこのを状況打開策するには・・・・》

「調査」

対策するために<赤風>を分析するために意識を外に広げていくための言霊を唱えるとすぐに<赤風>の状況が脳裏に広がる。

《風がめぐっている》

防御態勢に入った二人を取り囲むように<赤風>が二人の周囲をめぐりはじめる。

《獲物を逃がさないためか?》

《弱るまでまっている?》

周囲の調査の結果から相棒の防御を破れないから弱るまで待つつもりだと判断できる。

《やりようはあるな》

絶対絶命の挽回の方法を実行するためにも再度相棒に声をかける。


《やっぱり無理だったか》

強大な<赤風>力に対してあがらう防ぐ事は出来たしかし弾き返せない。

周囲にまとわりつく<赤風>を弾くために全力を込めるしかし努力のかいもなくびくともしないそれどころか気を緩めれば押しつぶされてしまいそうな状況である。

《まずい!》

焦りが全身を駆け巡る、その焦りが防御に空きをつくる、その空きを<赤風>は見逃すはずがなく攻勢に転じてくる。

全身がきしむ、耐えきれない。ブラックがあきらめた瞬間耳に聞きなれた相棒の声が聞こえる。

「ブラック!」

その声を聞こえたとたん防御は再度<赤風>を押し返す。

「ブラック!」

最初に感じたのはやかましい声だ。

心配そうに、不安げな声・・・

何をそんなに不安がるのか?

黙って守られていろ!

いらだちが募る・・・こんな声を上げさせてしまう事に・・・

情けない・・・・本当に・・・

自身のふがいなさに腹が立つ・・

自分自身のふがいなさ怒りが沸き立つ・・

怒りが意識を埋め尽くした。

「うるさい!」

「大声をだすな」

若者の耳に求めていた相棒の返事が聞こえる。

《イライラしてる?》

《まぁ、ちよと押し負けてるから悔しいだろう》

勝手に相棒の心情を解釈して肝心の話に移る。

「そろそろ反撃するぞ!」

若者の何気ない言葉に相棒が口角をつり上げて答える。

「手はあるのか」

若者は気軽に答える。

絶対絶命の状態でありながら、街中を散歩すがごとく気軽に答え返す。

「そうか!」

ブラックは若者力が満ちるのを感じる

大変不服だが・・・悪くない。

「反撃だ!」

満ちた力を防御にさらに回して<赤風>をさらに押し返す。

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