出会い
「ずっと一緒にいようね。僕や兄ちゃん姉ちゃんが助けるから!」
あの約束が守れなくて、君は行ってしまった。遠くへ。死後の世界ならまだ会えるかもしれない。けど、あのとき君は生きて、消えていった。
どこへ行ったんだろう。・・ハナビ・・・。
あれから二百年。必死に修行をしてきた。あの頃より強く、あの頃の君を守れるぐらいに。
ごめんね、あの時は守れなかった。命をかけて助けに行こうとしたけど、目の前の圧倒的な力を前には、近づくことさえできなかった。けどもう大丈夫。今日その証明をして、君を助けに行くよ。
今日は各地から怪たちが一か所に集い、試合をする日。簡単に言えば、自分の力を試し、どれだけ強いかをしめす日。もともと戦好きな怪たちが、優勝金、名声のために目の色を変えて、命をかけて戦ってくる。
今日俺はこの試合に勝って証明しなければならない。ここで勝たなければ助けに行けるような力はないから。
「10117番目ですね。試合は10番目です。」
受付で番号札をもらう。10117ってことは、自分の前に10116人いるってことか・・。自分の後ろには申し込みをするために長蛇の列が。一体どれだけの妖が参加するのか。待ちきれない奴らが暴動を起こしたり、参加するまでの道のりで襲われたりしてこれでも数は減ってるそうだけど。