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ダンジョンサーガ  作者: 炎尾
森のダンジョン
7/22

06 情報集め

 ギルドの下にはまた色々な部屋があった。

 情報集めのためのパーソナルコンピューター、通称PKが置いてある部屋や戦いを想定して冒険者同士で模擬戦を行える鍛錬場。依頼の掲示板や直接ダンジョンに赴くための即席パーティー勧誘を行う部屋もある。

 ほとんどがギルド本部でもあったが、僕はPKの部屋にいた。


 何故ならこのPKの部屋ではボストロールの挙動を研究しているサイトがある。

 また先ほどの巨大モニターで動画を提供していたドニャンゴのページもあり、ボストロールの生中継はここでも見ることができる。

 いちいちモニターのある部屋に戻る手間を考えた結果、僕はここで情報を集めることにした。

 まぁ森のダンジョンについても調べられるし一石二鳥かな。


 なお僕がPKをいじれるのかって心配は無用だ。

 なんども師匠のしごきクエスト探しのためにPKを使う機会もあったから覚えた。

 ロルフよりタイピングするスピードは遅いけど人並みには使える。


「すいませーん。PK使いたいんですけど?」


「いらっしゃいませ。三十分で200ゴルです」


「それじゃとりあえず二時間ほど」


 そういって800ゴルを受付に渡す。


「かしこまりました。PKの機能はどれも同じなのでご自由にお選びください」


「わかりました」


 そういって僕は手ごろに空いていたPKの電源を着ける。

 そこで『ゴーゴル』という検索サービスを利用して現在の森のダンジョンの様子を有名サイトの掲示板で閲覧し始めた。


---------------------------------------------------


 森のダンジョン最新情報スレ

 1560 名無しの冒険者


どう考えても今のボストロール強すぎぃ!


 1561 名無しの冒険者


ひと月も森のダンジョンクリア者出てないとかやっぱり異常じゃね?


 1562 名無しの冒険者

≫1561

それな


 1563 名無しの冒険者


最後に踏破したやつ誰だっけ?


 1564 名無しの冒険者

≫1563

ハーフの子やで

久々の単独攻略だったらしい

動画は公開されてるけどニュースにはなってない


 1565 名無しの冒険者


ああーそんなやついたかも

たぶんボッチなんだろうな


 1566 名無しの冒険者


まごうことなきボッチだったぞ

ハーフにパーティーメンバーなんて集まるわけないだろ! いい加減にしろ!


 1567 名無しの冒険者

≫1566

差別乙

まぁそんなことよりやっぱりあの噂は本当なのかね?

戦力云々って話


 1568 名無しの冒険者

≫1567

胡散臭いけど割とある話かもしれんな

過去にボッチ攻略したやつは何人かいるけどそのあと例外なくえぐいボストロールがきたってよ


 1569 名無しの冒険者


マジか

なら今回のもそのえぐいやつなんだな


 1570 名無しの冒険者

≫1569

【悲報】今回はその中でも群を抜いている模様


 1571 名無しの冒険者


\(^o^)/オワタ


 1572 名無しの冒険者


噂によると負けたシングルもいるとか?


 1573 名無しの冒険者


勝てるわけないだろいい加減にしろ!


 1574 名無しの冒険者


助けて強い人!

いつまでたっても森のダンジョンン踏破できないよ!


 1575 名無しの冒険者

≫1574

【朗報】どうやらこの状態にギルドも本腰を入れてダブル以上に依頼を出している模様


 1576 名無しの冒険者


キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!


 1577 名無しの冒険者


ギルドとしても新人戦出る人間いなくなるからしょうがないよな


 1578 名無しの冒険者


もうそんな時期か

確かに三か月に一回のお祭りなのに参加者が少なくて困るもんな


 1579 名無しの冒険者


でももうすぐ受付終わるんだよな?

今回は参加者少ないなら盛り上がりに欠けるかもな


 1580 名無しの冒険者

≫1579

それな

盛り上がりに欠けるわ


 1581 名無しの冒険者

≫1579

そんなに言うならボストロールを倒してくれてもいいのよ?

(/ω・\)チラッ


 1582 名無しの冒険者

≫1581

無☆理w


 1583 名無しの冒険者


まぁボストロール倒されるのを待とうや

ギルド公認の依頼なら報酬多いだろうからすぐ派遣されてくるだろうし


 1584 名無しの冒険者


討伐マダー?


-------------------------------------------------


 ざっくりスレを見ていたら驚きを隠せないことが書かれていた。


「ギルドが依頼を出した?」


 まじかー。

 挑んではみたかったなぁ。

 モニター見る限り強そうだったし・・・・・・

 でも一応このページの信ぴょう性があるかどうかはわからないためギルドのページで調べてみることにした。


「なになに? 依頼内容はボストロールの討伐。参加資格はダブル以上と。予定は三日後で依頼はもう受領済み」


 どうやら依頼の話はホントらしい。

 しかももう受けた人もいるみたいだ。

 三日ねぇ。

 ロルフと相談はするけどもレベルを上げて挑むことならできなくもない?

 ギリギリかな?

 

「考えても仕方ない。他にもダンジョンとボストロールの情報を集めないと」


 その後二時間の時間を迎えPKの部屋を後にした。

 それとボストロールの動画は見たがさっき見たモニターはボーイさんが言った通り別物だった。

 ホントに対策しなけりゃホントに死にかねないなこれ。


-------------------------------------------------


 PKの部屋を後にした僕は鍛錬場へと足を運んでいた。

 なんだけど・・・・・・


「謝るなら今の内だぞ!」


 目の前にいるのはどこぞの世紀末漫画で見慣れたモヒカン頭が拳にメリケンサックを持って威嚇をしてきていた。


「ハイハイ。謝る気もないんでさっさと来てくださいよ」


 はっきり言おう。

 どうしてこうなった?

 話は数十分前に遡る。


------------------------------------------------


 鍛錬場に来た僕はパーティーメンバーに人を迎え入れるため勧誘をしようとしていた。

 ここでは武器を扱うための広場や筋トレ機材のある部屋、そして模擬戦を行う広場と大きく三つに分かれている。

 その中で僕は武器を扱って鍛錬を行っている人たちを眺めにきた。


「おーやってるやってる」


 鍛錬の邪魔にならないように鍛錬場の隅によって腰掛ける。

 見る限り様々な人がいる。

 剣、槍、斧、弓、薙刀、杖、銃、ナイフ、魔法、体術の鍛錬をしているものもいる。 

 少し眺めていると自分の見る限り求めている人材はいないようだった。

 どれも動きが稚拙に見えた。


「おい! ここは鍛錬をするところだ。そんなところで眺めてるなら鍛錬の邪魔だ! どけ!」


 ああ。なんだか眠くなってきた。

 師匠が相手なら何回殺されてるだろうな?


「おい貴様! 聞いているのか!」


 おっ! あそこのフード被った人なんだろう?

 顔を隠しているようだけど動きがここにいる人より洗練されている。

 なにより雰囲気がここの中では違う。


「おい貴様! 無視するな!」


 よし。あの人に声かけてみよう!

 周りに人いないしもしかしたらパーティーメンバーいないかもしれないし!


 すると僕の胸倉をつかもうと微妙にごつい手が迫ってきた

 それを軽やかに躱す。


「おっさん? なんか用?」


 うわ! モヒカンだ!

 テレビで見たことあるけど現実で見たの初めてだ!


「なんか用? ではない! まず俺に何か言うことはないのか?」


 おいおいなんでこの人怒ってんだ?

 何か言うこと?

 ああ。なるほど!


「肌の色が黒いですね?」


「違うわ! 詫びを入れろといっているのだ!」


 違ったみたいだな。

 てっきり日焼けマシーン使って焼けたのを自慢したいのかと思った。


「なんで詫びなんて入れなきゃいけないんですか?」


「貴様がさんざん俺のことを無視したからだろうが!」


 んー?

 さっきまでなんか話しかけてきてる声はあったような。

 あっやばい! さっきのフードの人のところに行かなきゃ!

 っていない!


「すいません。僕用事を思い出したんで! それじゃ!」


「そうはいかん! どうやら貴様には冒険者の常識をしっかり教えてやらなきゃいけないようだ! 模擬戦だ!」


 あーもう。

 このモヒカンのせいだよ!

 もうフードの人もいないしいいや。僕の腹いせに付き合ってもらおう。


---------------------------------------------------------


 そして先ほどの状態に戻る。


「ルールは気絶か、降参するかです。用意はいいですか?」


 模擬戦には必ず審判がつく。過度な攻撃などを防ぐためらしい。

 とはいえ気絶してなければボッコボコになるまで止めないけどね。治療院あるし。

 そして審判の人が最後にルールを確認する。


「ああ」


「いいですよ」


「それでは始め!」


 試合が始まるとともにモヒカンの男は真正面から殴りに来た。

 思った以上に速い!

 予想以上の素早い動きに戸惑ったが躱せない訳ではないので躱して一度距離をとった。 

  

「おいおい。どうした? 鳩が豆鉄砲食らったような顔してるが本番はこれからだぜぇ!」


 そういってまた真正面からモヒカンの男が突っ込んでくる。

 芸がないな。

 さっきは驚いたけど同じ手が通用すると思うなよ?

 体術ってのは連続で殴り掛かりゃいいってもんじゃないんだ。

 今度は相手の腕を払い、受け流していく。


「どうした! 躱してるだけじゃ俺には勝てないぞ?」


 安い挑発だ。

 そんなしゃべる暇があるなら動きを変えるなりして対策取りやがれ!


 そのあとも何度もフックともストレートとも取れる微妙なパンチを繰り出してくるが一発も僕には当たらない。

 そのうちモヒカンの男が息を切らし始めた。


「おかしい・・・・・・何故当たらん・・・・・・俺はレベル7だぞ!?」


 レベルは差があればあるほど身体能力に差が生まれる。

 もちろん僕は今日ギルド登録を済ませたばかりなのでレベルは1だ。


「いいから早く来いよモヒカン。レベル7でその程度なのか?」


「クッ! なめるなぁ!」


 そういってモヒカンは手に土を握りしめる。

 目つぶしだ。

 しかしそれを読み切り手元から銃を引き抜き一瞬で両手を撃つ。 


「ぐぁぁぁ! 俺の手がぁぁ!」


「素人がレベルに任せた戦いなんてして勝てると思うなよ?」


 でも、と言葉を紡ぐとモヒカンの男の額に銃口を突きつける。


「最後の作戦はいいと思うぜ? 勝つためならなんでもすべきだ。それでどうする? まだやる?」


「ま・・・・・・参った・・・・・・」


 モヒカンの男が降参を告げ、試合は終わった。

 しかし僕はまだ実力を確かめておきたい人間がいる。

 そう先ほどのフードを被った人だ。

 どうやら僕の模擬戦を観察していたようですぐに見つけることができた。

 走ってその人の元に駆けつけて告げた。


「ねぇ模擬戦やらない?」


 そのフードの人は何も言わずにコクリと頷いた。


「決まりだ。審判の人! もう一戦だ!」


 その後先ほどのモヒカンの男と同じようにフードの人と相対する。

 模擬戦を始めようとしたらフードの人が話しかけてきた。

 

「私レベル1よ? さっきの人より速くは動けないけどいいの?」


 声が高い。女性か。


「それが? さっきの奴は動きが素人だった。ありゃ弱いモンスターでも狩ってレベル上げてただけだ。でもあんたからは何かやってましたって感じがすんだよな」


「へー。そう思う根拠は?」


「フードで体格隠してる感じとかなんか怪しいなと。あとは勘かね?」


 正直根拠は全くない。

 なんかこいつは強いかもしれないと感じるだけだ。

 長年師匠に連れられて色んな人間を見てきたことから第六感? が鍛えられてるのよね。


「ふーん。まぁいいよ。始めよう」


 そういって袋から弓を取り出し始める。


「フードは脱がなくていいのか?」


「いいの。この袋から出すから」


 なんだあの袋?

 明らかに袋の体積よりも大きい弓が出てきたぞ?

 あとで調べてみよう。


「ならいいか。それじゃ、審判頼む。」


「わかりました。では始め!」


 審判が試合を始めるコールした瞬間、僕もフードの人も距離を取る。

 全力でだ。

 腰のホルスターから銃を引き抜く。


 先手はフードの人だった。

 どうやら距離を取りながら矢をつがえていたようだ。

 俺の腕を目掛けて風を切りながら飛んでくる。

 先ほどのモヒカンの戦いを見ていただけある。

 俺の利き手を腕を狙ったようだ。先ほど早撃ちで両手を撃った俺の腕を。

 それを危なげなく躱すと既に次の矢が放たれていた。


「チッ!」 


 様子見とか言ってる場合じゃないな。

 こっちも反撃しないとずっとあっちの思うつぼだ。

 パンパンッと乾いた音を出しながら相手の居るところを撃つのだが残念、躱された。


「あなたすごい腕ね。」

 

「そっちもな!」


 あれだけ矢を放っておいて、俺の銃を撃ったタイミングですでに回避行動に移っていた。

 つまり音での回避じゃない。見えてたんだ。俺が引き金を引く瞬間を。

 凄まじいレベルの目に弓の腕もある。やっぱりタダモノじゃねぇ。


「ハハッ楽しくなってきた!」

シグルド「PKってパンツ食い込むの略だったような・・・・・・?」

ロルフ「それ以上はやめとけ。中途半端に現実との差別化図って失敗したんだろうからさ・・・・・・」


・・・・・・修正が面倒なのでPKでいきます。


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