前へ目次 次へ 9/53 06 オキツグの言うこと為すこと全てを相手にしていると、大抵ろくなことにならない。カネミツは頭を抱える代わりにペンの尻でこめかみを押して、大して意味のなさそうな会話から思考を切り替えようとした──ところで、視線が下がって現実が突き刺さった。 そこにあるのは、真っ白なままのレポート用紙である。 「む? なんだ。まだ終わっていなかったのか」 席を立とうとしたオキツグが、さらりと言って座りなおす。 誰のせいだよちくしょー、と返すだけの精神力は、カネミツに残されていなかった。